JR東海のエクスプレス予約に、ポイントサービスがあって、一定のポイントを獲得するとグリーン車にアップグレードしてくれる。
去年から始まったものの、最初はひかり号のグリーン車に乗るには東京-静岡間を27回乗車しなければならないというので、「そんなもの取れるわけないじゃん」と思っていた。
▲とりあえず乗り込む
しかし、去年は予想外にあちこちに行く用事ができて新幹線に乗りまくり。
7月には「もうやめてくれ」と思うほど乗り、9月に早々800ポイント達成。 どこで使おうかと思案した結果。年末に京都に行こうと決意。
「今年いろいろ厳しいことがあったけど、それは来年に繋がること。きっと7月に行った時、神様の与えてくれた試練なんだ。」
御礼というか、感謝というか、そんな気持ちをおさめに行こうと思っていた。
ところが12月は多忙になってしまい、結局年明けに延期。
で、今回1/13~14となったわけです。
▲デッキからの入口ドア
グリーン車なんて、まぁ乗るとしても、東京-熱海の東海道線についている普通列車のグリーン車くらい。
▲グリーン料金はタダ
今回はひかり号のグリーン車。
車両は初代のぞみ型で若干古いけど、落ち着いた空間。
▲おしぼりを配るパーサー
出発してしばらくすると、パーサーがおしぼりを出してくれる以外は、特に変わったサービスはなし。
▲雑誌類は持ち帰り自由
車内は熟年夫婦が多いなという印象。
冬の東海道新幹線の名物といえば米原付近の雪の影響。
今回はまったく雪もなく、きわめてスムースだった。
1時間半で京都に到着。
▲京都駅着
まぁ、自腹で乗るまでのものじゃないなというのが正直な感想だ。
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昨年7月8日。
蝉時雨の下鴨神社を訪れた。
翌々日に気の進まない見合い話があり、最初は不遜だった僕も、偶然出会った感動の出来事で、この森には本当に不思議な力があると、畏敬の念を持つようになった、
▲史跡 糺の森
木々が繁茂していた真夏の糺の森(ただすのもり)の姿は、ちょうど半年経った今、冬木立に変わっていた。
真夏から真冬へ。苦しい失恋を経験した半年も振り返ってみると短い時間だったと思う。
▲糺の森を歩く
▲清流の音を聞きながら
連理の賢木をご神体にする相生の社には、御礼の気持ちを込めてお参り。
本殿は干支ごとにお社があり。子年のお社へ。
あの時会った彼女も子年だったから、まずは彼女の幸せを願って、そして次に修行をさせてもらった御礼の気持ちを込めてもう一回頭を垂れてきた。
その後大炊殿(おおいどの)を拝観。神饌を調理する社殿で、平たくいえばキッチン。他にも今年も1月4日に行われた蹴鞠の資料なども見学。
大炊殿の見学を終え、本殿に戻ろうとすると、前から紋付き袴の新郎と、白無垢を守った新婦が現れた。
厳かなその姿につい見入ってしまった。
もう一度糺の森を歩き、清流の音に耳を傾けながら、下鴨神社をあとにした。
▲賀茂御祖神社
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昨年の7月に来た時は、夜歩いた先斗町界隈。
河床の季節でどこも満席。結局四条河原町の阪急デパートで京料理を戴くことになった。
夜はどこも高くて混むから昼時に。
路地裏をのぞきながら歩いていると「京都オムライス」という店が。
▲京都オムライス
面白そうなので入って見ることに。
ブログのお客様の情報で祇園でランチをなんて思っていたんだけど、このあと大原へ行くことを考えるとあまりのんびりもしていられず、手っ取り早いオムライスとなったわけだ。 ランチ向けのコースを選択。
スープ、サラダと、オムライス、そしてコーヒーとデザートのセット。
写真のオムライスはキノコのオムライスで、ご飯は白米と玄米がブレンドされているのが特徴。
ちょっと健康志向である。
入った時はお客さんもまばらだったけど、気づいてみたらカップルばかりに。
ちょっと雰囲気のいい店だとこれだ! そそくさと退散して、四条河原町のバス停へ。
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四条河原町のバス停に着くと、大原行きのバスがやってきた。
▲京都バスの大原行き
ここから大原までは約45分ほど。
先ほど参拝した下鴨神社を左に見て、高野川沿いにR367を登ってゆく。
この道を行くのは17年ぶり。高校の修学旅行の時以来だ。
詰め襟の制服に身を包み、ウォークマンを聞きながら万緑の車窓を眺めていたのがそんなに前のことになったのかと思う。
あの時のオフコースの「緑の日々」が印象に残っている。
ウォークマンは今やi-podにとって変わられ、頸もとのあの硬いカラーの感触も遠ざかってしまった。
君のために強くなる 僕にはもう何の迷いもない。
このフレーズだけは、今の僕の方が似合いそう。
▲大原の里
そんなことを考えている間に、終点大原へ。
一日乗車券を乗務員に提示してバスを降りると、まずは最初の見学先、宝泉院に向かった。
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▲三千院
三千院より少し奥まったところにあるのが宝泉院。
観光客で賑わう三千院より静かな佇まいだ。
▲拝観券
▲エントランス
拝観料は800円と高め。というのも、ここは拝観者全員にお抹茶が振る舞われるためだ。
▲お茶菓子が振る舞われる
この庭にはお茶がなくてはならない。
▲すべてを余すところなく取り入れた庭
庭には見事なゴヨウマツがある。
つくばいも心に響く味がある。
この庭には無駄がない。
竹林も、竹林の向こうの山々も、空も雲も。
手のひらの碗から広がる空間。
そんなイメージである。
帰りに茶碗をひとつ買い求め、包んで頂いている間に通されたのがこの囲炉裏のある一室。
▲囲炉裏のある間
もう説明するまでもないだろう。
侘び寂の世界を凝縮した世界。
宝泉院に足を踏み入れた誰もがそれを感じるのではなかろうか
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宝泉院から寂光院へ。
寂光院は三千院や宝泉院とは大原バスターミナルを挟んで反対側。
宝泉院から歩くと25分ほどかかる。
▲山里の道を行く
17年前はこの距離がネックになって寂光院を断念。
また来ればいいと思っていた。
2000年5月寂光院本堂は何者かに放火され全焼。
本尊で聖徳太子作と伝えれられる、本尊の六万体地蔵尊も大きく損傷した。
▲寂光院
本堂、そして六万体地蔵尊は5年の歳月を経て一昨年復元された。
▲再建された本堂
寂光院は、平清盛の息女建礼門院が壇ノ浦の合戦の後、
平家一門と、自らの子である安徳天皇の菩提を弔い、この地で余生を過ごしたという。
▲後白河法皇と建礼門院が対面したとされる場所
平家物語にある、後白河法皇と建礼門院が対面するシーンも、この庭での出来事のようである。
焼損した地蔵の一部は宝物殿に展示されている。
また、焼損した六万体地蔵尊は今も重要文化財の指定を解かれずに、コーティングを施して厳重な管理の下収蔵庫に安置されているこのことである。
諸行無常。 図らずもその言葉の重みを感じさせられたのであった。
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大原からは運良く一日一本限りの祇園まで直通出来るバスに乗ることができた。
昨年夏に訪れた時は祇園祭のハイライトである山鉾巡行を直前に控え、活気のあった八坂神社。
▲八坂神社
まだ初詣の時期でもあって、活気は変わらなかった。本殿前は参拝者が鈴なり。
▲参拝者で鈴なり
▲藤山直美さんの提灯も
あの江原啓之氏もその力の大きさを認める八坂神社である。
▲一澤帆布
東山三条の方向へ上る。
そこで目に付くのが、あのお家騒動の一澤帆布。
こちらはお休みで、向かいにある信三郎帆布は長蛇の列だった。
写真に写っている黄色い服の集団は、都道府県対抗女子駅伝に参加する千葉県チームのようだ。
▲地元の人の情報を頼りに
路地を入ったところにある田中屋漬物舗でおみやげを購入。
しば漬けの歯ごたえが良く、美味しかったです。
夕方のバスは超満員。
お客さんを載せきれなくて各バス停で大量の積み残し。
宿は京都駅に近いアパヴィラホテル。
アパに泊まるのは初めてだったけど部屋も綺麗で好印象だった。
▲軽めに済ませる
夕食は地下街ポルタのそば屋で簡単に。
どこも混んでいるので待たずに食べられるものを選択。
夜は部屋で映画「とらばいゆ」と「ダヴィンチコード」を楽しむ。
但しダヴィンチコードは途中でダウン。やっぱり眠かった。