この距離を埋められるか....。
2006年7月12日午前1時25分。
東名高速道路・足柄サービスエリア。
前夜、六本木であの人と出会い、意気投合した。
あの人と六本木アマンドの前で別れ、僕は東京駅へ向かった。
23:50「ドリーム静岡・浜松」は東京駅を出発。ひとり掛けのリクライニングシートを深く倒してみるものの、いろいろな思いが頭をめぐる。
バスは足柄サービスエリアで休憩。
つかの間バスを降り、蒸し暑く湿った空気の洗礼を受ける。
180kmの距離が、いつになく長く感じられた。
午前4時30分。静岡駅前に到着。東の空は白んでいた。
街はまだ寝静まって、もうすぐやってくる朝を待っているようだった。
夏が終わる頃。別れは訪れた。
2006年12月2日午後7時50分
真夏のあの夜、降り立ったこの場所にも、師走の透き通った風が吹き渡る。
別れの傷もすっかり癒えてきた。
もう一度走り始めよう。
青春の長い夜はまだまだ続く。
今は夜明け前のいちばん暗い時間なのかもしれない。
写真/12月2日足柄SAでしみずライナー7号