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非常事態宣言が出される前の最後の土曜日の午後、ようやく掛かってきた電話に例えが浮かばない程の苛立ちと、激しい怒りを堪えながら応答する。

相手は女性で電話対応に何処か慣れているような感じを受けたが、電話が大幅に遅れた事への謝罪はない。

 

言いたいことは山ほどあったが本題ではないし、何より怒りをぶちまけた時、私自身の感情をコントロールする自信がなかった。

私はとりあえず現状を説明してほしいと彼女に伝えると彼女は話し始めた。

 

取引き内容を確認させていただいて安全を確認させていただいています。

『つまり私を犯罪者として怪しんでいるわけですね?』

怪しんでいるわけでなく、安全の確認です。

まあ、世間ではそれを怪しんでると言うんですけどねww

 

 

『私はお金を預けているだけで、銀行がこんな失礼な話をしてること事態が異常だと思うし、取引制限って何ですか?』

取引制限につきましてはこちらが要求した書類のご提示をいただけると確認しておりますので、安全確認ができましたら制限を設けることはございません。

 

普通に考えて取引制限なんか掛かることの方がおかしいことに気が付かないのだろうか?

私に対して被害届が出ているのなら話は別だが、、、、、。

 

『安全確認の内容は?』

私の質問に対しては想定通り、お答えしかねますとの回答だった。

 

『シンプルにお聞きしたいのですが、何故私がここまで疑われるのですか?』

これも同じようにお答えしかねますと、マニュアル回答だがすでに疑っているわけではない

、とは言わなくなったww

 

『ハッキリ言って銀行が行う行為ではないと思うし、そちらが望まれるものは提出しますが、あなた方を銀行と思わない方がいいですね』

と伝えると彼女は否定をするわけでもなく、提出すると言ったことにのみ「ご協力ありがとうございます。」と述べた。

 

いよいよ何を言っても無理のようなので電話を切りたくなってきた。

先ほどから所々に切りたそうな素振りが彼女にも垣間見える。

 

とりあえず必要な物は送ると伝え電話切った。

 

私にはやっておかなければいけない事ができたからである。

 

続く