先日、国立市の「やほろじ」で行われた‘種とタネ~人間と植物のたねに起こっていること~‘に行ってきました。
(主催: まんまる助産院)
やほろじ
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講師は野口種苗研究所の野口勲さんです。
野口種苗は、日本でも数少ない「固定種」のタネを扱っています。
私たちが食べている野菜は、タネからできますがそのタネには4種類あります。
固定種・・変異を固定し受粉を自然に任せたタネ
在来種・・農家が自家採種を続けてきたタネ
F1種・・交配してつくられた雑種のタネ
GM種・・遺伝子組み換えで作られたタネ
F1種のタネについて驚いたことがありました![]()
F1種は生育が早く、どれも形が同じという特長があります。
そして何より大きなことは、一代で終わる。
つまり、他のタネの野菜のように、子孫を残せないタネで「一代雑種」なのです。
これはF1種のタネは「除雄」という、人為的におしべを取る作業をして、めしべだけになった花に別のおしべを受粉させます。
その繰り返しをして、元の品種とは違う、別の品種を作り上げるのです。
おしべのない母となる植物と別のおしべを掛け合わせても、母系遺伝により雌花の性質が優勢になるため、できた子供もおしべがないのです。
それは、一代で終わる、タネを残せない作物なのです![]()
むかしの八百屋さんでは野菜を計って売っていましたが、今は形重視。
味より見た目重視なので、見栄えの悪い野菜は売れないそうです。
固定種は育つ期間もかかり、形も均一ではありません。
また、固定種は葉を見ながら、土の中の野菜がどのくらい育っているか判断して出荷するので、手間がかかり農家は嫌がるそうです。
このF1種のもとになったのは、自然のミトコンドリアの異常でおしべが出来なかった野菜がきっかけでした。
たまたま、おしべのない植物(親)からはおしべのない植物(子)ができることがわかったのです。
大正時代から除雄による新種づくりはされていて、めしべの花が咲いたころに別の花粉を受粉させ収穫を増やしました。
現在のF1種で増えているのは「雄性不稔」というやり方です。
雄性不稔とは、人間でいうと無精子症です。子孫を残す機能がないということです。
おしべがないということは遺伝子の異常なのですが、これをF1種に使います。
通常の植物にはおしべとめしべがついていますが、雄性不稔はめしべだけです。
おしべはありません。
本来は異常なので、自然界では自然淘汰されることでしょう。
雄性不稔のF1種ではそのめしべにほかのおしべを受粉させるのです。
むかしはその受粉は手作業だったそうですが、なんと今はミツバチを使っているそうなのです![]()
自然界なら、当然ミツバチは異常な植物の受粉はしないはずですが、高濃度の二酸化炭素を使い、ミツバチの生理を狂わせ受粉させているのです。
アメリカではこの方法によるF1種が多くありますが、突如ミツバチが消えるということが増えているとのこと。
日本でもミツバチがハウスに入らなくなってきたそうです。
雄性不稔の遺伝子異常の密で育った女王バチやミツバチに何か起きているのではないか。
また雄性不稔でできた作物はネズミや野生の猿は食べないそうです。
ミツバチだけが異常なわけではありません。
雄性不稔のF1種が商品化された1944年から、人間の男性の精子の数が減少、また動きが非常に悪くなっているのです。
精子の減少の理由はこれだけではないでしょう。
環境ホルモンの影響やさまざまな要因はあると思いますが、単純に考えて、ミトコンドリア異常の雄性不稔の作物を摂ることがからだにいいとは思えません。
当日、まんまる助産院の先生のお話もありましたが、ここ10年、お産のときに陣痛が起きない妊婦さんが増え、自然妊娠や自然出産できる人が減ってきているそうです。
また、不妊で悩んでいた夫婦が、在来種や固定種のタネで育てられた作物に変えたら妊娠できたという話があるそうです。
私はこの話を聞いて、ショックだったのは、普段野菜はオーガニックや無農薬を選んで買っています。
しかし、育て方がオーガニックでもそもそも在来種や固定種のタネが使われているかはわからないのです。
品種改良には放射線を使って突然変異を起こさせる方法もあります。
いろいろな掛け合わせで、種なしのものができて食べやすくなったものもあると思います。
しかし、それが私たちのからだに、知らないうちに影響を及ぼしているとしたら・・
その影響が生殖と生命力に関係しているなら、これは問題です。
F1種のタネは化学肥料を使う前提なので、無肥料では育たないそうです。
かつては食料確保のために品種改良もあったようですが、現在は、農家に自家採種をできなくすることが目的だそうです。
農家は畑を使いまわせるし、お金が大きく動くしいいのかも知れません。
しかし、肝心の食べる人に問題が起こったら。。
植物のタネには、タネを残そうとする力があります。
それはミトコンドリアの働きであり、どんな環境でも次世代に繋げていこうという力でもあります。
異常が起きたときは、修復することもあるそう。
では、何を食べたらいいのか。
どんな野菜を選んだらいいのか。
それは自分で固定種や在来種のタネを蒔き、育てることだそうです。
これらのタネはもちろん一代限りではありませんから、またタネを取ることができます。
ちなみに「遺伝子組み換え」のタネは、ヨーロッパやアメリカで消費者からの猛反対があり、下火になっているそうで、
世界で知られているメーカーは遺伝子組み換えではなく、F1種のタネにシフトチェンジをしているそうです。
F1種のタネから作られた作物の品種名を聞きましたが、私も知っている品種、これまで食べてきたものもありました![]()
これからどうするか。
自分で育てられたら一番いいのですが、
もっと、タネについて知ることはもちろんのこと、目で確認できること、形が均一ではないものを選ぼうと思います。
タネの種類は、通常どこにも記載はないのですから。
幸い、私が購入しているお店の野菜たちは形が均一ではないと思います。
「食」がからだをつくります。
10年後、20年後、30年後、今小さな子どもたちが大人になったときに、乏しいからだになってなければと心から思います。
そして、これから妊娠、出産を考えている方たちには、生命力のある確かなものを食べてもらいたいと思います。
☆野口種苗研究所HP☆
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