「オーガニックコスメ」を知ったとき、何かの資料で「沈黙の春」という書籍を知りました。
自然環境問題や化学物質による人体への影響について、詳しく書かれた本で、早速購入して読んだことを覚えています。

                       



 
それまでは気にも留めていなかった、オーガニックとは真逆の「化学物質」とくに「有害化学物質」の影響を知り、その後の私の自然や健康への考え方を変えるきっかけとなった1冊です。
 
1962年、アメリカで海洋生物学者のレイチェル・カーソンによる「沈黙の春」(Silent Spring)が出版されました。
この本では、合成殺虫剤や残留性化学物質による環境汚染や生物への影響、人体への蓄積による健康被害、さらに有害化学物質が母親から子供へと、胎内や母乳を通して受け繋がれていること、有害化学物質によるさまざまな人や自然への影響、実際にある身近な生活環境や自然が汚染されている現実を発信しました。
そして、世界にとても大きな影響を与えた一方で、近代社会における化学は安全性の確証もないまま今も進んでいます。
 
タイトルの「沈黙の春」(Silent Spring)というのは、本来であれば、生き生きとした生命の躍動を感じる季節であるはずなのに、化学物質により森の生命は絶たれ、静まり返っている、という意味合いもある気がします。
 
 
それから34年後、同じくアメリカで、シーア・コルボーン、ダイアン・ダマノスキ、ジョン・ピーターソン・マイヤーズ共著の「奪われし未来」という本が出版されました。
膨大なデータを検証し、ホルモンかく乱物質による人体や生物、環境への研究結果をもとに、化学物質は発がん性だけではなく、生殖機能や人体に影響があることをまとめました。
「沈黙の春」が問題の提起であるとすれば、この本はその検証であるともいえます。

                       


 
本書では「ホルモンかく乱物質」とありますが(内分泌かく乱物質)、その後日本では「環境ホルモン」と呼ばれています。
少しわかりづらい名前ですね。
化学物質の中には、からだの中に入ると本物のホルモンのような働きをしてしまう物質があります。
本物のような働きをしてしまいますが、所詮は化学物質で、からだの中に自然にあるものではありません。当然、誤作動を起こします。
通常のホルモンは細胞核内の遺伝子を活性化して生体反応を起こしますが、環境ホルモンの場合は同じように反応しますが細胞の活動を阻害します。
つまり、一見きちんと作動しているような細胞であっても、働きは正常ではないのです。
 
それは、生殖機能、脳、免疫に影響を及ぼします。
たとえば、精子の数の減少、生殖器の奇形、流産、オスのメス化、メスのオス化、乳がんの誘発、行動・学習障害、甲状腺機能不全や発がんなどがあります。
 
「沈黙の春」でレイチェル・カーソンは化学物質による奇形、細胞や染色体への影響、そして発がん性があることを伝えたが、「奪われし未来」では、さらに発がん性だけではなく環境ホルモンの影響を検証しました。
 
この2冊はノンフィクションであり、すべて事実です。
私たちがどれほど化学物質まみれであり、その影響を受けているか、その中で自分の健康を守っていくには、ということがわかります。
 
おすすめの2冊です☆