虚をつく異文化 ~後編~
<今回は前回のストーリーと少し関連しておりますので、初めての方はコチラ からご覧下さい>
昨日の事ですが、オーナーの知り合いの方が経営しているピザ屋を閉店したのですが、
その際、バイクや各備品をウチのオーナーが買い取ったそうです。しかし、値段を聞いてビックリ。
原付が買える程の値段だったそうです。店閉めた方にとっては微妙な心境ですね。
おっと、しんみりしてしまいましたね。ここでご挨拶を。
皆さん、こんばんは。そのせいで明日は備品の整理に店内業務が終始してしまうのがおっくうで
早寝をしようにもうっかりコーヒーを飲んでしまい、無駄に頭が冴え渡っているピザ職人です。
さて、前回の続きですね。すっかり吉田さんにしてやられた僕は、伝票に「吉田」と書かれているのを
「ヨシダ」に変え、準備万端だったのですが、僕が働いているときにそうタイミングよく
注文があるわけでもなく、とんだ無駄な努力となってしまったわけですが、
ある日、予想外の事が起きました。店のカウンター付近で後輩と談笑していると
何とヨシダさんがやってきたのです。
(もう会わないと決めていたのに・・・)
今度は配達ではなく、テイクアウトでピザを買いにいらっしゃいました。(友人らしき人と)
その瞬間、僕は動物的反応でスーッと後ろに下がり、後輩に接客を任せたのは言うまでもありません。
そして遠目からその接客模様を観察していたのですが、何やら後輩がヘルプサインを送ってきたので
再びスーッとカウンター付近に向かい、どうしたのかとたずねたところ、ヨシダさんは
ここで食べて帰ると言い張るのです。
(注:当店には飲食スペースはございません。)
少し困ったので、「HAHA」 と笑ってごまかして、とりあえずピザができあがるのを待ちました。
その間、ヨシダさん達は店内出入り口付近にある来客用のベンチで一服していたのですが、
ピザが出来上がり、彼らに渡すとそのまま箱を開け、ベンチでピザを食べだしました。
もはや、何も言えません。だって、ものすごく幸せそうな顔でピザを食べているんですもの。
ここで制止して気分を損ねようものなら、何をされたものかわかりません。
銃とピザカッターでは勝敗は見えているも同然ではありませんか。(死の負け試合ですよ。)
志半ばで力尽きるのはよろしくないので、僕は再びスーッと後ろに下がり清掃を始めました。
・・・・・清掃に没頭すること10分、ベンチの方を見るとヨシダさんの姿がありませんでした。
後輩に聞くと、すでにピザを食べ終え帰ったとのこと。僕はホッとしました。
しかし、女性スタッフが少し何か言いたげだったので、話を聞いてみることに。
僕 : 「ん?どうかした?」
女 : 「あのお客さん、気持ち悪いです。」
僕 : 「人を見かけでけなしたらアカンがな。」 (勝手に見かけだと誤判断)
女 : 「いやそうじゃなくてね、わたしあのお客さんに
ナンパされましたよ。(半笑い)」
さっきまで気持ち悪いと言っていたのに、なぜ半笑いなのかと疑問を持ちましたが、
どういう事かと話を聞くと、ピザを食べ終えた後、その女性スタッフにヨシダさんは
「何時におわるノ?」 と言い、さらにこう言ったそうです。
「食事でもイカナイ?」 (今、食ったとこやろが)
外人さんは食欲も旺盛ですが、性よ・・・・・。いえ、何でもありません。(すみません)
どこかで聞きましたが、どこぞの国の男性は目の前にキレイな女性がいたら、
声をかけないのは失礼だというポリシーを持っておいでだそうです。
そこで少し自分の行動を振り返ってみる事にしました。
<以下、ピザ職人のリアクションパターン>
超美人がいたら : 何も言葉を発せず、ただただ拝むのみ。(口ごもる)
美人がいたら : 意を決して話そうとするが、美貌に心が折れる。(口ごもる)
フツーだったら : 気兼ねなく喋れと脳が命令するが、声をかける勇気がない。(ヘタレる)
太っていたら : 何か腹立つ。(斬る)
毛深かったら : 針葉樹林帯・タイガを思い出す。(伐る)
「あんまり」 だったら : 「・・・・・・・・・・・・・・・・」 (狩る)
<結論、結局声をかけれない・・・・>
なんとなくヨシダさんを尊敬してしまいました。 「あなたがアニキですよ」 と思いました。
余談ですが、電車に乗っているとき、彼女様に僕の行動についてこう言われました。
「アンタってさ、キレイな人が乗車してきたときはすぐさま目が行くけど、そうでない人には
まるで見えてないかのように目がいかへんよね。」
(誤解です。見てからすぐにそらすだけです)
もうこれは仕方ない事なのです。男の病気なのです。(ペレ兄さんも言ってるではありませんか)
しかし、ヨシダさんのナンパは今に始まった事ではないそうです。電話でもこう言うみたいです。
「声かわいいネ。イイネ。何時に終わるノ?」
(その日本語、忘れてください。)
この話を聞いた時から、外人さんは自分にあった日本語を真っ先に覚えるのだと確信しました。
そして次に覚えるのはこの言葉に違いありません。
「よかったヨ。」 (ベッドでタバコを吸いながら)
完全に「シモ」です。女性の皆様、誠に申し訳ございませんm(_ _)m
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