中国の作家,劉慈欣が書いたSF「三体」のパート2「黒暗森林」を読了した。
いやはや,,,,とにかく構成がすごいわ。
さすが三国志を生んだお国ですわ。
「三体星」からの地球侵略が明らかになり,人類は4人の「面壁者」を選び出し,
4人がそれぞれが対抗策を画策するっていうのが粗筋なんだけど
それぞれがどんな作戦を考えているのか,表向きの作戦と裏にある真の作戦
それを見破っていく「破壁者」との丁々発止のやりとり
次が予想できなくてワクワク
え?そこまでやります?っていうアイディアがあり恐れ入りました,としか言えない
それぞれの作戦だけでもSF1冊書けるんじゃない?ってアイディアが惜しげもなくてんこ盛り。
凄いわ。
宇宙船同士のドンパチってアニメや映画ではあっても,意外とSF小説の中で描かれることは少ない。
考えてみれば宇宙船のデザイン一つ見てもアニメや映画では一目見れば「カッコイイ」と伝わるし,
どう飛んでどう攻撃してってのも映像ならどれだけでも表現可能。
でも文章だけだと読者の頭の中に描かれる宇宙船のデザインは千差万別。
闘いの様子も正直文章で読み取るより映像になっていた方がわかりやすいもんね。
それだけが理由かどうかわからないけど,宇宙空間の闘いの様子が描かれてるSFって少ないのに
この「黒暗森林」編ではハデにやっちゃうんだよね。2000隻VS1隻なんだけど。
これもなかなか新鮮でした。
そしてなによりこの「黒暗森林」編の主人公ルオ・ジーVS「三体星」の最終決戦
いやいや,恐れ入りました。この結末は読めませんでしたよ。
あまりにも見事にスカッと閉じられたので,この物語はもうここで全て終わってもいいと思える。
あとはあっても後日談的なスピンオフだけでもいいと思うんだけど
この後シリーズ中最大の長さの「死神永生」編が控えてるんだよねぇ・・・
え??どうするんだ??
明日は三体Ⅲ「死神永生」の文庫版発売日。本屋に行かなくちゃ・・・