「相変わらず涼子が怒ると怖いね~、普段大人しいから怖さ10十割増だわ。」
雫がコップに入ったジュースを飲み干した後にそういった。
怪我人二人を救護ヘリに乗せた後、警察に色々と聞かれるのが面倒だからと言う理由で帰るバスに乗って町まで帰り。
そして、晩御飯を食べて解散しようかという流れになり、皆で九段坂の麓にあるファミレスに来ていた。
「うぅ、なんですぐカッとなってしまうのかな。」
涼子さんがテーブルに両腕を乗せて、顔を埋めた。
「それだけ正義感が強いってことじゃないか」
「そんなに正義感が強いとは思ってないのですが。」
涼子さんは少しだけ富迫くんの方を見て、また顔を埋めた。
「いや、強い、とっきーもそうだけど、ナイフを振り回しているやつに向かって行く事なんて簡単にできないよ」
「私は止血してただけだけどな。」
「でも、りょーちゃんがいなかったらとっきーはあいつに向かって行ってただろ。」
「そうですね、多分行っていたと思います。」
そして、呪いの力を使ってしまっていた気がする。