今まで仕事やプライベートやバンド用の曲を制作してきて、自分なりに試してきた歌モノの楽曲制作の手順などのメモです。
今回は少し専門的な話になります。
愛用している制作ソフトはCubaseです。
現在はバージョン5.5を使っていますが、Cubase VST5の時代からのCubaseユーザーです。
シーケンスソフトを起動すると、まっさらな編集画面になるのですが、この段階でどこから手を付けるか悩むのではないかと思います。ここからの制作パターンを紹介しようと思います。
■単純なドラムトラックから作るパターン
後々テンポチェンジを考慮して音声ファイルではなく、MIDIトラックでのドラム音源を使用する。
同じリズムの演奏でいいので、1小節の演奏をコピーしてズラッと並べ、そこからスタート。
イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、間奏などを意識しながら8小節づつザックリとメロディを入れていく。
繋ぎの部分や、ブレイクの部分などは全体が見えてから編集した方が良いです。
メロを入れ終わってからコードを煮詰めたり、各楽器を入れていきます。
後々リズムは差し替えたり改造したりしていきます。
このパターンはリズムを主体にするジャンルでは非常に制作が進めやすいです。
欠点としては、メロを先に作る分、コード進行や曲の展開が単調になりやすいので、転調やリズムの変化などで工夫する必要があります。
歌モノだと歌詞を見ながらメロが浮かびやすいパターンですね。
■コードから作るパターン
先ほどの並べたリズムトラックでもいいのですが、クリックを聞きながらリアルタイムでコードを付けていくパターンです。
ピアノやギターなどある程度演奏出来る方だと、イメージを素早く形にできるパターンです。
8小節、16小節と刻み、メロを想像しながら展開を練っていき、一通りコードを付けてから8小節を一つのパーツにして組み替えたりしていきます。
全体の構成を編集してからバッキングやメロを練っていき、最後にアレンジ、リミックスする感じです。
楽器を演奏できる方などはこのパターンが形にしやすいのではと思います。
■クリック音に合わせてマイクで鼻歌を入れるパターン
自分の思い浮かんだメロを即座に鼻歌で表現できる方向けです。
コード進行や展開など無視してとにかくクリックに合わせてマイクでメロを入れていきます。
歌詞が出来上がってる場合は、ゴロなども考慮しつつザックリと鼻歌を入れていきます。
Aメロ、Bメロ、サビなどを一通り入れてから、ピッチ修正などでキーを整えて、コードやバッキング、リズムなどを乗せていきます。
このパターンは歌い手の方などは作りやすいのではないでしょうか。既に歌もほぼ完成しているので、オケのデモを完成させてから歌を録音しなおして編集していく感じです。
このパターンの欠点としては、思いつきの度合いが高いため何時も同じようなメロや展開になりやすい、ある程度ピッチ、歌のタイミングを取ることに自信がないと、メロの手直しに時間が掛かる所です。
■サンプリング音源のコンストラクションキットを使う
コンストラクションキットとは、ドラム、ギター、ベースやピアノなど、一曲完成させるために必要なループ素材をまとめたものです。
市販されているものの中にはAメロ、Bメロ、サビなどに分かれているものもあります。
コード進行もほぼ決まってるので、メロを入れればすぐ形になります。
パターンとしてはこれをそのまま使って制作し、後でザックリとリミックス、アレンジする。もしくは、テンポチェンジやピッチチェンジでの音質劣化などは気にせずに、ザクザクとキーやテンポを変えたりして、全体的な形が出来上がってから他の音源でバッキング、リズムを差し替えるリミックスパターンです。
このパターンの欠点としては、曲のイメージなどがサンプリング音源に依存してしまう所です。ダンス系の制作、アレンジャーの方やリミックスの得意な方向けの制作ではないでしょうか。
編曲のセンスも出やすい作り方です。
■リズム、グルーブから作るパターン
凝ったリズムや変拍子が多い場合などはこのパターンです。MIDIの演奏データやサンプリングドラム(リズム)音源を使い、パターンを並べてから作り始めます。
バスドラムに合せて先にベースを入れていき、リズム隊が出来上がってから他の音源やメロディを入れていく感じです。
ベースが出来上がっているのでルート音からコード進行もある程度決まってきて、メロディまでの流れが早いパターンです。
このパターンはベーシスト向けですので、ベースのラインを考えるセンスが無いと単調なコード進行になりがちです。
ベーシストの方にはオススメの作り方です。
曲制作の仕方はまだまだ掘り出せば沢山あるのでしょうが、自分なりに作りやすかったパターンをご紹介しました。
現在はロック系の曲制作が多いのですが、「Groove Monkee」というメーカーのドラムMIDIデータがあるのですが、それを使用しておおまかにリズムを並べていき、バッキングを入れて、メロを入れていくパターンが自分の中では主流になっています。
生演奏データのドラムMIDIデータがあると、それに応じたバッキングが浮かびやすく、オケが出来てからゆっくりとメロを練ったり出来るので重宝しています。
Groove Monkee
http://www.minet.jp/groovemonkee/products
今回は長い文章になってしまいましたが、曲制作でマンネリなどを感じてる方などに、何かヒントになってもらえればと思い、メモをまとめてみました(^_^)
色々な制作方法を試してみると、新たな発見があるかも知れませんね!