ワインじゃないお前は酢 -15ページ目

河の満ち引きを見るが如く

永遠の○歳でいられるとしたら何歳がいい?ブログネタ:永遠の○歳でいられるとしたら何歳がいい?

80歳を越えて、隅田川は汐入大橋より出来てから幾つもの巨塔に背を抜かれたスカイツリーへ目をやりながら、景色を、時代を眺める。

顔の変化少なくは有るが、寂しさと懐かしそうな表情で英知による発展をただ見守る。

きびすを返して家路に戻る。
老いた体を杖に任せて、曙の町に続く長い下りのスロープを行く。

家に帰り、いつかは愛し、今は大切な支えたる妻のこさえた食事を取る。
食べ終えた飯茶碗に行儀悪く茶を注ぎ、一服をつける。

事故で曲がらない足をもってしても、いまだに自転車への情熱は冷めない。
若かりしころに買った、クロモリフレームの手入れをする。
チェーン、スプロケット、ディレイラーにはしばらく走っていないのだから汚れは無いがブラシをかけて、チェーンオイルを馴染ませる。
ホイールを外して、フレームにワックスを引いていく。日光を浴び、泥を食らってもフレームは輝き続ける。

21世紀に入って60年が経つものの、不安と言うものは世に蔓延る。
そして、80になって人間が萎えると思っていたが、子供が大人を理想して思うように、根本は変わらない、憤りを感じている。
しかし、行動も若い頃から変わらない。テレビの前でだけ怒っている。

その後、ぼうっと新聞紙を読みながら、巨人と阪神のビリ争いにニンマリとして、夕方に入る少し前に、また、汐入大橋へ歩きスカイツリーを眺めて明日を迎える準備をする。

街は超好景気、しばらく流行らなかったラブストーリーが当たり、汐入公園からぞろぞろと帰る子供たちのはしゃぐ声を交わして歩く。

何年経とうが「日本に生まれて良かった」と思うのだ。

握り飯

あなたのアルバイトのとっておきの思い出は?ブログネタ:あなたのアルバイトのとっておきの思い出は? 参加中



高校をぼんやりと通い、金の価値観がとてもくだらないもの集めに没頭していた頃、近くのバスケットコートで遊んでいると、そこのオーナーがバイトを紹介してくれて、夏の頃真夜中の喫茶店で天井の壁紙はがしに勤しむ。

地下に入った店は閉店後、空調を切っており僅かな湿気と冷えた空気が混じってなんとなし、心地がよい。

早速、店内のテーブルと椅子を片付けて、埃よけに新聞紙を引いて天井の壁紙はがしに着手する。

スクレーパなる、お好み焼きに使うヘラみたいなものを片手に壁と壁紙の間、端からをスクレーパを差し込み、剥がしていく。
剥がすと埃をぽろぽろこぼれていく。

はじめ、スクレーパの扱いになれずに紙は剥がれるよりも破かせていたが、扱いを心得ると、接着剤の固さがわかり、壁と壁紙の間をうまく通して一畳ばかりの広さを一気に剥がし、同行の職人さん達に褒められる。

何より良かったのは、高校生でよく食べるだろうと、職人さんのおばちゃんが大きな弁当箱に沢山の握り飯をこさえてきてくれたこと、昔から梅干しは嫌いだったはずが美味しく食べられるようになり、きゅうりの漬物もよく頂いた。

休みの後、懸命に働いたせいか予定よりも随分と早く作業が片付けられて、東の空から太陽が出る前のぼんやり橙が出てきたあたりで地上に上がることが出来た。

給金目当て、暇潰しがきっかけであったものの、普段寝息を立てている時間にひっそりと異世界で人の為になるようなことをしたことは、なかなか気持ちの良いものだった。

マック恋愛
ずっと変わらない~マック恋愛2~

げんいんふめい

「ゲ」で始まる言葉は何? ※ただし「ゲゲゲの鬼太郎」を除くブログネタ:「ゲ」で始まる言葉は何? ※ただし「ゲゲゲの鬼太郎」を除く 参加中



開く電車の扉前で突っ立つ邪魔な男、当たり前のように優先席で化粧する汚い女、禁煙席の埋まったファミリーレストランの中、無理して座った喫煙席で嫌煙宣言をするノーモラリスト、そしてそれを見て怒らない弱虫な私。

どいつもこいつも人をなめてかかって生きている結果、街中で人がぶっ倒れても誰も助けない。

専門家が当たり前のような顔をして、分析めいた説明をテレビの中からお茶の間に届ける。
流して次の日、なにも変わらない、数年後、余計にひどい状況へ。

それでもだ。
ワールドカップの日本のサポーターは久しぶりに出来たアイデンティティーに大熱狂、ふだん無関心同士は手を取り合い気炎の嵐、渋谷は醒めぬ猿の園と化した。

原因不明の現代病に効く薬は、けっこう近くにある。