船 | ワインじゃないお前は酢

貨物船の荷降ろしを眺めると、大きいクレーン機がコンテナを1つ取り、トラックへ積む。

受けたトラックは街中で偉そうに走る強さなんか、感じない。
コンテナを受けてぶるぶると震える。
よほど重たいらしい。

一方、船の方。
こいつも一筋縄に片付けられぬやつで、港を離れるに自力で出来ない間抜けな大きさ。
船首、次に船尾をそれぞれ一台の小型船が引っ張る。

港を離れて沖へ進むと当たり前だが、船はいつしか豆粒のごとく小さくなる。

その時に。
これから太平洋に出て、高低差うん十メートルの波に遇い、強烈な照りつけにも遭遇するのだろうなと勝手な想像をして見送る。

自動車、飛行機いろいろと乗り物はあるが、船ほど後ろ姿が雄弁な乗り物は無い。
身1つでは到底敵わない海に対する畏敬がそんな風体に見せるのか。

何にせよ、海を越えて食糧や文化をもたらすのだから、これほど有難いものも無い。