おしろいおずぃさん | ワインじゃないお前は酢

おしろいおずぃさん

電車で遭遇したトラブル ブログネタ:電車で遭遇したトラブル 参加中

五年くらい前の年末。
宝くじは外れ、クリスマスを前に女の子と別れ、メタボリックな動きで柏へ帰る常磐線の椅子取りゲームに鼻息を荒らす始末。

何とか椅子を確保して、興奮のまま眠られず何も見えない夜の外べりを眺めていると、松戸へ辿り着いている。
眺めていたままの扉が開くと、ぼうっとしていられなくなった。

白粉。
口紅。
中肉中背。
低身長。
うすら禿の頭。
スーツ。
それらの情報が一人に納まり、情報が視界より脳へ届く前に錯綜して、見返してはまた同じ所を見返す。
「バカ殿?」「オカマ?」「変態?」「変体?」「芸人?」
「忘年会における宴会芸」という最大補正をかけるまで時間が掛かった。

姿だけそれならば、後は大人しくそこへお立ち頂ければこちらも特に目を向けず、興味を示さなかったが、宴会は盛り上がったようで千鳥足の様子。
扉の付近すぐの手すりに掴まったは良いが、足はボックスを踏み、手はガラスへ張り付いてオオトカゲの体。
揺れて揺れてその内、ボックスすら踏めず、もちろんまっすぐ立つことも出来ず、手だけをガラスへ張り付けるにとどまらず顔がいった。

音こそしなかったが。
「ぐちょー、ねちょー」と音がしそうなほどの這いずりようで、ガラスはナメクジが這った後のような汚れが付着している。

トラブルでは無いのだが、電車に乗っていて今までの一番に「早く駅に着いて欲しい」と願った。観るに耐えがたき凄まじい光景だった。なんで俺は目を閉じなかったのだろう。