第60回 日本ダービー | でりの気まぐれ日記

第60回 日本ダービー

ウイニングチケットと柴田騎手とのエピソードは
ドラマになるのではないだろうか?と思えるほどである
実際、「優駿」という映画があったが、あれは「メリーナイス」の実話である
多少色はついているけど、ほとんど実話に近い。
下手な小説より、感動するのは確かである。


さて…
ようやく、ウイニングチケットと柴田騎手はコンビを結成する。
年が開け、よいよクラシックレースの前哨戦の始まりである。
しかし、この年は後に平成三強といわれるぐらいの名馬がいた。
ウイニングチケットはもちろんのこと。
ビワハヤヒデ・ナリタタイシン…などを筆頭に、三強さえいなければそれなりの名馬が沢山いたであろう。


ウイニングチケットの前哨戦は弥生賞であった。
敵は、ナリタタイシン・ステージチャンプ…
直線勝負になったけど、ウイニングチケットは、ナリタタイシンに2馬身の差で勝利する。


そしてよいよ、クラシック第1戦目の皐月賞である
ウイニングチケットの柴田騎手
ビワハヤヒデの岡部騎手
ナリタタイシンの武豊騎手
役者はそろったっ! 後はゲートを開くのを待つだけ。
このレースは家でテレビで見ていたけど、今でも鮮明に覚えている。
馬券も買っていない…いや、買ったウイニングチケットの単勝馬券を100円
単勝馬券は馬の名前が書いてあるので100円だけ買った
今でもアルバムに張ってある。
さて、レースはどうなったというと…
いつも後ろでレースを勧めるウイニングチケットが中盤にいた
柴田騎手が抑えられないぐらいに入れ込んでいたのであろう。
本来の持ち味であるものを出す暇もなく直線では力を使い果たしていた…
ビワハヤヒデの足色があまりにも違い勝利のゴールへ迫る
「あ~っ!皐月賞はハヤヒデかぁ~」と思った瞬間
大外から、一頭テレビ画面に入ってくるっ!
「なんだっ!」と思った瞬間にゴールっ!
1位は、武豊が騎乗するナリタタイシンであった。
さすが天才っ!一瞬の読みを間違えないっ!
勝利を確信した、ビワハヤヒデ・岡部騎手を叩き落した。
ウイニングチケットは、5着であった…


弥生賞では、2馬身も差をつけたナリタタイシンに惜敗である
柴田騎手の戦法が間違っていたのでは?と周りから言われたであろう


ダービーに向けて、柴田騎手はマスコミに対してレース前の一切の取材を拒否したのである
柴田騎手といえば、取材に対して丁寧に応じることで有名であった。
そんな人が、取材拒否…
マスコミも並々ならぬことを感じ取っていたのであろう。


日本ダービーの当日は、オイラは東京競馬場にいた
ゴール前を陣取っていた。
2分30秒ほどのレースのために、何時間も前から場所を確保していた。
よく考えれば、相当のアホだ…
でも、実際に自分の目で見たかったレースであった。


この日のために双眼鏡も大きいのに買い換えた。
返し馬を、双眼鏡で見てみる
ウイニングチケットは入れ込んでいないみたい
皐月賞のときとは違う雰囲気…
GⅠのファンファーレが聞こえる
ゲートインが始まる  もうo(^o^)oどきどき
心臓がバクバク言っていたのを覚えている。
ゲートが開くっ!  いきなり落馬する南井騎手
マルチマックス落馬… なんと言うことだっ!
それでも、レースは続いていく
双眼鏡でレースを見守る
ビワハヤヒデがいつもより後ろにいる おかしいペースが速いのか?
ベテラン岡部騎手がドジをするわけがない
なんとなく違和感を感じたが折り合いはついている
ウイニングチケットは内ラチ沿いを走っている
ナリタタイシンは定位置というべき、一番後ろ…そんなに後ろで大丈夫なのか?
色々な思いと考えが、頭の中でぐるぐるしているうちに
大ケヤキの向こう側に集団は消えていく…
さぁ、どうするっ! 岡部・柴田騎手っ!
内ラチ沿いでは自由が利かないだろう…騎手の度胸と腕の見せ所だ
4コーナーを回っているうちに、まずはビワハヤヒデが動くっ!
岡部騎手は、外に持ち出す、その後ろでウイニングチケットも一緒に動く
このとき、奇跡かと思うことをオイラははっきり見た
ドージマムテキが、外に振ったのをと同時にみんなが外に振ったのだった
ウイニングチケットの前が開いたのである
勝利の女神って本当にいるのかもと思った。
府中の直線500mに入ってくるっ!叩き合いが始まる
ウイニングチケットが先頭に立つ
後ろからあし毛の馬が追いかけてくる
なんとビワハヤヒデが追いかけてくるのである
ハヤヒデはドージマムテキの煽りを受けていたはずなぜそこにいる
さらに大外から明らかに凄いスピードで上がってくる馬がいた
ナリタタイシン…天才、武豊が騎乗の皐月賞馬である
平成三強が、そろってたたきあいのレースをしている
震えた・・・ぞくぞくした・・・
凄い、今その場にいることが信じられないぐらい凄い
先頭は、ウイニングチケットが粘っている
内から、ビワハヤヒデ  外からナリタタイシン
双眼鏡で見ていたら、ウイニングチケットは舌を出している
流石に限界なんだとオイラでもわかる
勝利の女神は甘くないのかっ!と思ってしまった
オイラは双眼鏡ではっきり見たことがある
柴田騎手は振っていたムチをなんと自分の足を叩いていた。ほんの数回程度である
しかし、ウイニングチケットはそのムチに反応する
限界からもうひと伸びする そしてゴールっ!
第60回ダービー馬の誕生である。
そして、「マサトコール」が始まる
もちろん、オイラも参加する
大声出したらすっきりっ!
感動したぁ~と思いながら帰宅してビデオを見てビックリっ!
ゴールの瞬間に実況が
「勝ったのは柴田政人とウイニングチケット」と言っている
人馬一体というのが実況に伝わっていたのだろうなと思えた。