今から11年前の6月。
仕事から帰宅すると、玄関の前に1匹の猫がいました。とても人懐こく、扉を開けると一緒に中へ入ろうとする猫。
ペット可のアパートではなかったので、触れ合ったあとはごめんねと扉を閉めてお別れしたのですが、小窓から覗くといつまでも扉の前でちょこんと座って待っている猫。その後も頻繁にやって来るようになりました。
ある日、どうしても家に入りたそうだったので、玄関にだけ入れてやりました。
当時アパートの2階に住んでいましたが、室内に階段がある建物だったので、玄関から2階に続く階段まで解放してあげました。
そしたらこの寛ぎよう。もしかしたら、前のアパートの住人さんにお世話になっていたのかもしれせん。
ある時酷く雨が降っていて、外に出すのも可哀想だし、猫も外に出たがらなかったので、初めて部屋に入れてやりました。
ごはんは別の人からもらっているようで、お腹も満たされ、ふっくらとした良い体型。
すっかりうちの子。
猫初心者の私は、部屋でおしっこをしないかな?とか、壁を傷つけないかな?とかいろいろ心配してましたが、全くイタズラをしない子でした。
私が仕事から帰宅すると坂の上からトコトコやってきて、しばらく部屋で寛ぎ、夜または朝帰りをするというのが日課になりました。
時々お友達を連れてくるようにもなりました。
こんな生活が約7ヶ月続いたのですが、年末年始の寒いとき、私が実家に帰省して数日家を留守にした時がありました。
以来、姿を見せなくなってしまったのです。あちこち探しに行ったけれど、見つかりませんでした。
今思うと、よだれもよく出てたし、お腹も膨らんでいたから、何か病気を抱えていたのかもしれません。
もしかしたら、ごはんをもらっている人のおうちへ行ったのかもしれません。
でも寒空の下、ずっと私の帰りを待ってたのかなと思うと、実家に帰らなければよかった。最期まで一緒にいられなくてごめんね。中途半端に優しくしちゃってごめんねという気持ちが今でもちょっとだけ残っています。
でも、この子に出会えなかったらこんなにも猫のことを大好きになることもなかったし、どらを家族に迎えることもなかったとおもうのです。
オット(当時は夫ではない)とふたりで、名前を食パンと名づけました。お友達はジャム。
食パン、ありがとう。
食パンと出会えたから
私は猫好きになれたんだよ。
どらにも出会わせてくれて
ありがとう。
少しの間だったけど、
一緒に過ごせて楽しかったよ。
幸せだったよ。
大好きだったよ。
当時は伝えられなかった言葉。
今は毎日どらに伝えています。
どらと出会う前に出会った猫の話でした。
2011.12













