「 とりこぼし 」
あなたを応援する詩
平成30年6月23日
詩 : 末松 努
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そんなに大変なの?
と簡単に言ってしまう
大袈裟な、という気持ちのあらわれ
自分のこととして、感じられないから
小さなできごとだと思って
つい、相手の気持ちを
取りこぼしてしまう
<また
わかってもらえなかった>
そんなに大変かなあ?
聞く回数を重ねるごとに
言う回数を重ねるごとに
お互いが離れていってしまう
そんなに大変だったんだね
そんな苦労をしてきたんだね
ほんの少しの言葉の違いが
そんなに、というほど
お互いを近づける
ぼくたちは離れるために、生まれたのではない
近しく思える人なら、そばに居ようと生まれてきた
たしかに、相手と同じになることはできない
でも、人間は寄り添える
だからこそ、寄り添える
そうなんだね
小さな一言かもしれない
それが人を生かすこともあれば
苦しませることもある
人だから、間違うこともある
決して踏みはずさない歩き方もない
ならば気をつけて
間違えばただし、あやまっていける
互いを許しあうこともできる
だれかれとなく
そばにいろというのでもない
何が何でも寄り添えなんて言わない
大切な人を
大切な自分を
互いにことばで抱擁しあうことで
いつしか、あまねくいきわたるやさしさを
ぼくたちは持っているんじゃないか、と
少し
自分の中を
探してみないか