「啓蟄(けいちつ)」は、二十四節気の一つで第3番目にあたる。現在広まっている定気法では太陽黄経が345度のときで3月5日頃。

雨水」(2月19日頃)と「春分」(3月21日頃)の中間にあたる。期間としての意味もあり、この日から、次の節気の「春分」前日までである。

大地が温まり、冬眠をしていた地中の虫が春の陽気に誘われて穴から出てくる頃で「啓蟄」とされる。「啓蟄」の「啓」には「ひらく、開放する」の意味があり、「蟄」には「虫が土の中に隠れる、閉じこもる」の意味がある。

『暦便覧』には「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」と記されている。また、柳(ヤナギ)の若芽が芽吹き、蕗の薹(フキノトウ)の花が咲く頃でもある。