そのときはやってきた
10月某日
都内某所において『第一回 三車改 ミーティング』は開催された
私は会場に着くとN夫人に偶然出くわし、中へと通された
中に入るとそこは一種の異空間と化し、ただならぬ雰囲気に包まれていた
「こちらへ」
奥へ通されると主催者と軽い挨拶を交わして会費を払い、空いている空間に腰を下ろした
会場を見渡せば埼玉の荒くれや茨城の暴れん坊、埼玉の猛者に愛知の狂犬といった面々が
今か今かと開催の号令を待っている
西東京のドン、島根のフィクサーの到着が開催の合図となった
「ただいまより三車改総本部 第一回総会を開始する」
掛け声と共に「うぉーーー!」といった歓声が会場に響き渡る
「乾杯!」
宴は始まった・・・
最初はビールで乾杯
a夫人の色香に酔う
続いて中国の泡盛のような酒を勧められ、頂く
一瞬にして胃袋が燃え上がる
度数56度は伊達じゃなかった
常用している焼酎に切り替え、a氏と夫人、N氏と前出のN夫人らと語らう
穏やかな雰囲気に箸を汚すことも忘れ、焼酎の溜飲を楽しんだ
H氏やK氏、A氏らと飲む酒は格別に美味かった
k氏が足を取られ、我が焼酎を倒したのでN夫人の勧めるジンをロックで味わった
周りにも勧め、酒が酒を呼んで会場の盛り上がりは増していったと思われる
a夫妻やN夫妻が会場を後にするため、そろそろ中締めとなった
多くが外出を選択したが、k氏ほか数名は翌日の任務を遂行するため、会場に残った
残ったがために身に危険を感じた私は寝たふりで周囲から忘却させ
結局そのまま深い眠りに落ちた
真夜中
犬の鳴く声に耳を澄ますと
荒くれどもの笑い声が天狗ショーの齎したものだと後から教えられた
早朝5時
普段どおりに目を覚ました
いや
違った
普段とは異なる異音が闇を裂いて、私の耳を劈いていたのだ
いびき イビキ 鼾 歯軋り
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
歯軋りの発生者を特定したので軽いデコピンをくれてみた
止んだ
しかし数分と経たぬうちにふたたび・・・
準備にかかるには時間が早すぎる
もうしばらくまどろむのも良いだろうとシーツに横たわった
一時間ほど横になったところで体の鈍い痛みに起き上がり
会場を出て顔を洗った
昨夜の喧騒は幻だったのではないかと疑ってしまう静かな住宅街だ
会場に戻り、T氏と近くのコンビニエンスストアで朝食を購入
会場ではすでに多くのものが目を覚ましており
昨夜の記憶を辿っていた
「8時にここを出発する」
談笑していた者達はその顔から笑みが消え、準備に取り掛かった
午前8時10分 出発
国道14号線、京葉道路を下り幕張パーキングに到着
予定より15分以上早かった
ここで神奈川の愚連隊と合流
私は一足先に少数のものと共に近くの出口から降りて給油した
ガソリンスタンドを出る前に仲間に連絡し
「これからスタンドを出発する そちらも出発の準備を」
私達は再び京葉道路に戻り、本隊との合流を待った
待った・・・
待ったが来ない?
電話・・・・でない?
T氏? H氏? W氏? おかしい・・・
アクシデントか?
警察の介入か?
ひとりのものが車で移動しているはずの者に連絡を試みる
出ない・・・
やはり、ただ事ではない何かが!
そこへ連絡が
「今?か・・・鎌取ってとこ?過ぎたよ・・・」
鎌取ぃぃぃ?!
どうやら本隊は我々は黙っていても着いて来るだろうと踏んだようだ
「しゅ、出発!」
慌てて本隊へ追いつくよう回転数を上げる
が
S氏のマシンがカブっているらしく、本調子が出ない
ならば・・・
中速域で次の合流場所を目指した
途中の料金所で係りの者に尋ねる
「このような乗り物に乗った集団が通らなかったか?」
「20分くらい前に集団で通ったさ」
「ありがとう」
もう慌てても仕方がないと踏んで、小隊での走りを楽しんだ
予定の野呂パーキングに着くと本隊が苦笑を浮かべて待ち受けていた
「待たせたな」
「計画の範疇だ」
「あらためて出発だ!」
途中、給油をはさみながら一般道に出てトライクの集団は
道行く人の熱い視線を浴びながら・・・・・あびながら・・・
時期は秋
サーファーは砂浜
ここは生活道路
道行く人とは地元のおじちゃんおばちゃん
フッ・・・
彼らからみたら我々も暴走族と変わらないだろう・・・
そして最初の目的地『片貝漁港』に到着
思い思いの会話で時間が過ぎるのも早い
が
「おい!腹が減ったぞ!」
辺りが一瞬で凍りつく・・・
「わかりました。なんとかしましょう」
すぐさま予約しておいたパーティ会場に先鋒が走った
しばらくすると連絡が入り「OKです」とのこと
部隊は移動となった
手を振り見送る地元のみなさんに会釈で挨拶すると漁港を後にし
おおよそ5分でパーティ会場に到着した
今回このパーティ会場を選択したのというのも
夏のある日、トライク乗り数人がオフ会の後、ここで昼食を取ったとブログに載せた
当初そのオフ会に参加を表明していたT氏だったが悪天候から欠席
ブログを見たT氏は地団駄を踏んだ
「俺も蛤食いたかった。蛤食いたい。食いたぁぁぁい!」
こうして、たった一人のトライカーが
蛤を食いたいとコメントしたことがきっかけとなり
今回の『三車改 九十九里ツーリング』が計画され
さらに『第一回 三車改ミーティング』にまで発展したのである
どう、驚いた?
とにもかくにも蛤を堪能した一行は一路、犬吠埼を目指して出発
途中ではぐれ、二隊、三隊と分裂するも最終目的地で無事合流
自己紹介を果たして解散となった
帰路の途中、地元K氏の奥方と久方の対面
熱い抱擁で再開を喜ぼうとするも、K氏の鋭い眼光が私の行動を制した
敢無く口説き文句を伝えぬまま、K氏の奥方とは別れとなった
案の定、渋滞にはまりもしたが、19時を回る前に我が家に到着
二日間の旅を終えた
全走行距離は何キロだったか、忘れてしまったが
150ccのズーマー型中華トライクでも
まわりの思いやりがあれば
結構な距離のツーリングも可能なんだと
実感したのだ
みんな
ありがとう
そして
これからも私をかわいがっておくれ!
今度の休みは愛機をしっかり手入れしなくちゃ