先日、街をぶらっと歩いていたら バイクショップの前で
なんとなく足を止め、店頭に陳列されたバイクを見た
数あるバイクの中で一台のビックスクーターに目が止まった
そのボディは血のような赤と漆黒のラップ塗装

ハンドル周りはカスタムされて輝きを放ち、インナーもシルバーを基調としたラップ塗装

地響きを醸し出すであろう逆サイド出しのマフラー

各所に取り付けられたLEDは闇の中でどんな効果をもたらすのか
その地面を這うような妖しい姿でどんな走りを見せてくれるというのか
コンプレッサーの稼動音と共に上下するエアーサスは赤い怪物を地べたに横たえさせ
見る者すべてを驚愕の世界へと導くのであろう
彩られサイドに取り付けられたナンバープレートを見て店員に尋ねた
「これは買い取り手が決まっているのかい?」
「はい。今日、引き取りに見えられます」
「そう」

店員が立ち去ると私はカスタムされているバックミラーに
脂ぎった右手の人差し指をぎゅっと押し付け
自らの指紋が残ったのを確認すると
口元が緩みそうになるのをこらえ
足早にその店を後にしたのだった・・・・・
完