今日は、ちょっと感動した小話を。

それは、日能研おなじみの釣り広告「四角い頭を丸くする」シリーズです。

 

ここで取り上げられる入試問題は、

色々な科目がありますが、

どれも、日常生活や、ニュースの話題を、

いかに、小学校までで学んだことを使った切り口で捉えるか?

というのを問うているような、素敵な問題ばかりで、

いつも楽しく見ています。

 

 

今回紹介するのは、

8月にあった、国語の問題です。

見たよ!っていう人も、いますかね。

 

画像では読みにくいと思いますので、本家のサイト解説をどうぞ↓

 

 

 

親戚と待ち合わせをしたら、

自分が思っていた時間に、相手は、思っていた場所にいなかった。

さあ、どうする!?

何が起こったから、こうなった!?

というネタ。

 

”SNSでのミスコミュニケーション、すれ違い”を扱った題材として選ばれているようですが、

SNSではなくても、口約束でも、十分起こりうるネタだと、私は思いました。

 

口約束ですと、

SNSと違って記録が残らず、見返せない分、もっと厄介かもしれませんね、、

 

つい、省略して伝えてしまうけど、

相手に、その、省略部分まで伝わっているとは限らない。

 

省略して、自分にとっては当たり前の前提だと思っていたことが、

相手にとっても当たり前とは限らない。

 

という話に意識を向ける、素晴らしい問題である、と感じました。

大人向けの高額講座”NLPハイパーコミュニケーション講座”で扱ってもおかしくなさそう、と思ってしまった笑。

 

それくらい、

コミュニケーションの基本力を問う、良問になっているな、と感じました。

 

ぶっちゃけ、大人でも、これができない人、多いかもしれませんね・・・。

私自身、変わる前の、

「自分が絶対正しい」が根っこにあったときだったら、

はたして、正解できているのかどうか・・・。

 

これが、国語の入試問題ですって!

ちょっと感動しましたね。

読解問題を与えて、出題者の解釈に忖度させるよりも、

よっぽど素敵で、

思いやりのある学生さんを選ぶことができるものになっていると感じました。

 

 

”思いやり”といっても、色々な要素があるでしょうが、

そのうちの一つで、重要なものが、

今回の、

自分にとっての当たり前が、

相手にとっても当たり前とは限らない。

 

相手は、自分とは違うものを見たり、

違った捉え方をしたり、しているのかもしれない。

 

という、慮り、想像力です。

 

このような要素を持っていれば、

たとえ、相手に、こちらの意図どおり伝えることができなかったとしても、

相手の行動が、自分の予想や期待と違ったとしても、

相手に怒ったり、イライラしたりして終わり、ではなく、

「あ、伝わっていなかったのか」と、冷静に状況を認めることができます。

そして、「次はどう対応するか」に、意識を集中することができます。

これができるだけでも、

ただ、相手に八つ当たりとかしてしまうよりは、

かなり、人として違いますよね。

 

 

私が中学受験をやっていたころは、

知識の詰め込みや、速く計算をするトレーニングを詰めば、「受かる、勝てる」だったのですが、

最近では、こういう、思いやりや想像力を問う問題も出されるのか、

学校側の意識が、いい方向に変わってきて、

本質的な人間力を見るようになってきたな、

素敵なことだな、と感じました。

(もちろん、小学生の実力を測るのですから、

人間力はもちろん、

人間力を養う環境で育って、しっかりそれをものにしてきたか、

のセットを、問うているのでしょう)

 

 

受験で勝つことしかできない、

詰め込みパターン型人間は、

受験産業の廃棄物(産廃)にしかならず、

社会で使い物にならない、

そんな負の社会問題があったからこその、

入試問題の改革、なのかもしれませんが。

 

社会問題を踏まえて、教育方針や、来てほしい学生の質を設定し直す、

という、その姿勢に、ただただ、拍手です。

 

このような問題を出す学校ばかりになって、

エリート両親の、詰め込みパターン型生き方をコピーするだけとか、

塾に頼り切りで考えない子供とか、

そんな生き方では、知性が大事な今の風の時代は、通用しませんよ、

もっと、自分で考えることを促す教育を、しましょう。

子供たちは、自分で考えるようにしましょう、

そういう教育に、ますますなっていくと、嬉しいですね。