サビアンシンボルの世界を紐解く企画、

今回は、2024年の節目のホロスコープでアセンダントサインになることが多い「蟹座」を選びました。

 

それだけ、2024年は、蟹座意識が大事だ、というお話なのでしょうから。

 

・「蟹座意識」とは何か

蟹座、というと、よく出てくるキーワードが、

共同体、共同体意識、共感力、家庭、心の基盤、愛着形成

あたりですね。

 

蟹座のサビアンシンボルを、私視点で紐解いてみたところ、

私の印象としては、記事のタイトルどおり「帰属意識」という言葉が、一番しっくりきました。

 

帰属意識=

ある集団の一員として属し、

その集団の中での心の交流などから得られる愛着行動(愛ベースの行動)を土台とし、

「その集団に属している」という心の安定感を得ること

です。

 

集団、の最たる例は、「家庭」です。

そして、帰属意識は、私の中では、アドラー心理学でいう「共同体意識」「私たち」に近しいものと捉えています。

 

では、なぜ、「共同体意識」という言葉にしなかったか、といいますと。

これは、私の定義する「共同体意識」が、アドラー心理学でいう「共同体意識」の

「共同体」、すなわち、蟹座の世界でいう「共同体意識」と、少しずれているからです。

 

私のつかう「共同体意識」という言葉は、水瓶座の世界の「各自の理想を実現する共同体の中にいるという意識」です。

 

水瓶座の世界の、「各自の理想を実現する共同体の意識」

=各自が、独立した個の存在として分離しており、

それぞれの理想のために、向かう先はバラバラ。

その「理想実現」のプロセスの中で、接点があれば、愛と信頼をベースに、自由にかかわったり、支え合ったりするが、原則は、個を尊重し、独立独歩の分離した存在とみる。のです。

 

一方、アドラー心理学でいう「共同体意識」は、自我が消失して「私たち」となるものですし、

蟹座の世界の「共同体意識」も、「共感力と愛着行動でもって、個よりも集団に溶け込むことを優先する」世界である、

と、私は感じましたので、

私の中では、「共同体意識」という言葉は、水瓶座の世界の共同体に関するものとして使いたくて、

蟹座の、上に書いたような、共同体は、じゃあ何だ、と、他の言葉を探したところ、「(集団への)帰属意識」というものが、しっくりきた、という話です。

 

私の解釈では、蟹座の世界で、集団を優先して、自身という「個」を二の次にするからこそ、次の獅子座の世界で「個が大事だ!わかってんのか!」みたいなことになるのだろう、と思っています。

 

・帰属意識の形成~蟹座1~15度の世界~

では、蟹座のサビアンシンボルの世界を順に追うことで、

人が、ある集団に属することを選び、

その集団の中で、「集団の一員としての、守られた自分として在る」「自分には、大切な仲間たちがいる」という安心感を得るに至るプロセスを、眺めてみましょう。

 

1~5度で、「自分という個の存在が、ある集団に溶け込もうとする」ことをやります。

「新しい集団(共同体)に馴染もうとする」ということです。

 

・自分が今属する集団(共同体)はここ!と認識する※/この集団の仲間になりたい、と、新たな集団に入る(1度)

※家庭が最たる例ですが、自ずと集団に属してしまっている場合は、改めて「今、属しているんだ」と意識することです。

 

・今いる集団を眺め、その中で自分にできることを考える(2度)

集団への思いやり、の醸成ですね。

アドラー心理学でいう「共同体に属することで自ずと貢献意識が芽生える」というお話。

 

1度→2度の流れで「なぜかわからんがそうなる」という話。

私は、「人は本来善なる存在だから、集団に属すると、思いやりが芽生えるものなのだな」と解釈しました。

 

 

・集団への同化、協調性を身に着ける(3~4度)

自分と集団の他の人とで意見が違う場合、傾聴し、共同体のルール、価値観に合わせていく。(4度)

結果、共同体という集団の中で、個を押し出すというよりは、「長いものに巻かれる」(5度)

 

 

5度で、個を抑え、共同体の一員となったら、

6~10度の世界で、共同体にいる他の人たちと、「愛と信頼の人間関係」つまり「愛着関係」を築いていきます。

この「愛と信頼の人間関係」が、自身に、心の安定感、安心感をもたらしてくれるのです。

ここでは、「愛と信頼の人間関係」を築き、維持するのに必要な、

「共感力」「思いやり」「相手の気持ちを汲む優しさ」を身につけていきます。

行きつく先は、「感情の表現」、感情とうまく付き合ってそれを表現すること、です。

 

・家族(仲間)、特に、弱きもの(子供)が安心して生活できる環境を整える(6度)

・皆に寄り添う優しさを発揮し、安心感を与える(7度)

・「優しさ」という感情を磨き、献身する。いわゆる「母性的献身」(8度)

・特に、自分とは少し違う存在に対し、好奇心をもって接し、その気持ちを汲もうとする。共感力の醸成(9度)

・愛ベースで、自分の感情を素直に表現する(10度)

 

私「まるで、NLPの、傾聴、好奇心、共感のステート育成という、

コミュニケーションの基本、そして、感情・ステートのコントロールの学びそのものだな」

 

11~15度の「各サインのカリスマ、その純粋要素のみの極みに達する」世界では、

今まで培ってきた、共感力、思いやり、優しさ、そして、感情のコントロールと表現を活かして、集団の中で愛と信頼の人間関係を築き、「絆」を深めます。

「絆」が深まることで、「自分には、帰る場所がある」「集団の人たちと繋がっている」という安心感を得ます。

 

・ペーシング、ミラーリング(相手の言動や表情をまねる)で共感力、信頼関係アップ。(11度)

・相手(特に、言葉の表現が苦手な人。最たる例は赤ちゃん)の気持ちを汲み取り、寄り添う(12度)

・「集団の大切な人たちを守り抜く」無償の愛情(母性)を発揮(13度、これが蟹座の「カリスマ」)

 

・今自分がいる大切な居場所を、外の世界から守る(14度)

 

・「一家団欒」のように、集団生活を楽しみ、心を満たす(15度)

 

 

・帰属欲求を満たしたら、外の世界へ(16~20度)

16度以降は、対向サインである山羊座の影響が入ってきます。

15度までで、ある集団に属したい、という帰属欲求を満たして安心感を得るのですが。

その裏で(これは陰陽論です)、

ある集団にいることが最高、となってしまったならば、

集団以外の、外のことよりも、「集団のため」「集団を守る」を最優先してしまい、

外の合わないものを徹底排除したり、外への働きかけが、集団としての利己的なふるまいになってしまったり、しかねません。(閉鎖的、カルト的になってしまう)

それを、山羊座の「社会の中で生きる」という意識でもって、調整していくのが、

16度~25度の世界です。

 

・・・ということで、

16~20度の世界では、

集団への帰属で得た安心感を心の土台とし、

その、心の土台の基盤を、外を見ることで、さらに強固なものにしていきます。

 

・自分の「心の土台」を形成する要素を、眺めて確認する(16度)

※この「要素」には、15度までに築いた「帰属意識」だけではなく、

自分に安心感をもたらすものすべて、例えば、「好きなもの(ときめくもの)」「お金」とかも入ります。

私のような、「帰属意識」を抱くに至る現実の集団がない人でも、

集団以外に、何か、「心の土台を形成する要素」が、複数あるはずです。

 

・己の内にある、知性、肉体(健康)、生命力を育み、自分の「心の土台」とする(17度)

15度までで築いた「帰属意識」は、自分以外の存在を土台とするものでして、

それだけですと、「自分以外の存在に依存」してしまい、これでは、いざそれがなくなったら、弱いです。

人は自由に変わる存在でもあり、人間関係は諸行無常ですからね。

そこで、自分の内側にも、心の土台を持つことで、

心の基盤をさらに強固にしよう、というのが、17度です。

 

 

・集団を守るために自分ができることを、外の世界に探しに行く(18度)

自己要素をも、心の基盤とすることで、

改めて、「帰属意識」にて「集団を守るために」の行動を見直し、

集団の中だけでなく、外の世界でも行動するようになっていきます。

これは「父性」のようなものです。家族のために外で働くというやつ。

 

・今まで培ってきた、母性(15度まで)と父性(16~18度)を統合し、

「帰属する集団、居場所を守る愛」という、心の土台を強固なものにする(19~20度)

 

 

長くなったので、

・21度~30度のお話

・2024年になぜ「蟹座の帰属意識」が強調されているのか

 

については、次回に。