Mezmerize / System of a Down

2005年に発売されたSystem of a Downの4枚目のオリジナルアルバムです。

 

英語には、日本語に訳しても、意味が分からない独特の表現や言い回しがあると思います。

 

洋楽を聴きはじめて間もない中学生の時に、さっそく、英語の歌詞を訳してみよう!

と思い立ち、単語の意味を調べては、つなぎ合わせて、なんとか解読しようとしたことがあります。

 

しかし、ほとんど意味がわからず、結局は調べることも辞めてしまうのが毎回のオチでした。

 

そんな分かりそうで分からない英語の歌詞の本当の意味や真意を、何年もかけて考える。

 

そんなアルバムが人生に何枚かあるのもいいのではないでしょうか。

 

 

今回紹介するアルバムも、個人的に、この先ずっと聴き続け、考えていくであろう1枚です。

 

それが「Mezmerize」というアルバムです

 

このアルバムは、「Hypnotize」という次作のアルバムと2枚で完成するそうですが、今回は、「Mezmerize」のみについて書きます。

 

このアルバムの魅力は「直接的で、抽象的な歌詞が持つ、無限の可能性」だと思います。

 

なにを矛盾することを言ってんだよ!と思われるかもしれません。

 

そうです。私は、未だに、このアルバムをどう受け取ればいいのかわからないのです。

 

直接的な歌詞は、このアルバムが制作された当時の戦争と政治戦略の背景が強く反映されています。

 

ただ、私が実際にアルバムを聴いたときは、発売されてから10年以上たった後でした。

 

ネットで歌詞を検索したりするうちに、その当時のことを知ったのです。

 

そんな、直接的な歌詞に加えて、一体何を表現しているのか分からない抽象的な歌詞が一つの曲の中に混在し、複雑に絡み合っているのです。

 

ボーカルのサージと、ギターのダロンの全く異なる声質の二人の声が混ざり合い、メタルっぽい曲調からいきなり繊細なアルペジオへとつながる予想外の展開。

 

最初に聴いたときの衝撃は、それはそれは大きかったのです。

 

そんなわけが分からない、不協和音ともとれる曲たちが、自分の中で、いつしか、むしろとんでもなく美しい和音へと変化を遂げていき、しばらくすると、ずーっと聴いてしまう。

とんでもない中毒性を持ったアルバムへと化していくのです。

 

そう、それが、無限の可能性なのであります。

 

アルバムの1曲目「Soldier Side - Intro」

 

アルバムの1曲目は、そのアルバムを印象付ける、特別な曲だと思っています。

 

この「Soldier Side - Intro」を聴いたとき、私は、完全にアルバムの沼へと引きずり込まれました。

 

「ようこそ、兵士の世界へ
ここにはいるのは私だけだ
人は成長し、死ぬ
ここにはいるのは私だけなんだ」

 

この歌詞が、兵士のことを歌っている曲だとしても、もう関係ありません。

 

このアルバムの世界は、私自身のものとして完全に始まってしまったのです。

 

落ちました。完全に落ちてしまったのです。

 

https://www.youtube.com/watch?v=zUzd9KyIDrM

 

そして、息をつく暇もなく始まる2曲目。「B.Y.O.B」です。

 

「どうして大統領は自分で戦争を闘わないんだ。どうして常に貧しい人が戦場に送られるんだ?」

 

この、圧倒的に直接的な歌詞の重さに、ハッとさせられます。

 

それでいて、ところどころの歌詞の意味がはっきりとは分からない暗示的なものもあります。

 

私は、この、どこまでもつかめそうで、理解しきれない歌詞の世界観に、無限の可能性を感じます。

 

この曲は、反戦の曲でもあり、誰もが感じる日常への不条理に対する叫びの曲にもなりうると思うのです。

 

1曲目の兵士は、日常と向き合っている私たち一人ひとりのことでもあるのではないでしょうか。

 

反戦というテーマからいったん離れ、自分自身の日常に置き換えたとき、このアルバムは違う面を魅せてくれます。

 

そんなことを考えながら、最後に紹介するのが、アルバム最後の曲

「Lost in Hollywood」です。

 

この曲の歌詞、普通に聴けば、ハリウッドに憧れた少女が、夢を叶えるために、ハリウッドへと行くが、現実は残酷であったというストーリーなんだと思います。

 

私自身、ハリウッドがどのような場所で、どのような現実があるのか全く知りません。

 

それでもこの曲を聴くと、なぜだかものすごく共感してしまうのです。

 

それはなぜなのか、誰にでも「ハリウッド」が存在していたからなのではないでしょうか。

 

誰しも、夢や理想を持ちながら、目指した何かがあり、でも実際は、理想どおりにいかなかった経験があるのではないでしょうか。

 

だからこそ、共感してしまうのだと思っています。

 

1曲目で登場した兵士は、どこまでも続く不条理に抗い、アルバムの中でひたすら叫び続けます。

 

それでも、兵士は、最後「Lost in Hollywood」で、現実に、失望してしまうのです。

 

失望した先に、兵士はこれからどう生きていくのか。

 

同じく私は、これからどう生きていくのか。そんなことを考えるアルバムです。

 

そして、この時代の背景や、社会情勢、System of Downをもっともっと知りたくなる1枚でもありました。

これから、もっと勉強していきたいです。

 

ありがとうございました。

ではー