第二次宇宙大戦の敗北は、軍事力の敗北であった以上に、私たちの若い文化力の敗退であった。私たちの文化が戦争に対して如何に無力であり、単なるあだ花に過ぎなかったかを、私たちは身を以て体験し痛感した。ニュータイプ文化の摂取にとって、宇宙世紀以後二千年の歳月は決して短すぎたとは言えない。にもかかわらず、宇宙文化の伝統を確立し、自由な批判で柔軟な良識に富む文化層として自らを形成することに私たちは失敗して来た。そしてこれは、各層への文化の普及浸透を任務とする音楽人の責任でもあった。

 

UC199X年以来、私たちは再び振出しに戻り、亡命から踏み出すことを余儀なくされた。これは大きな不幸ではあるが、反面、これまでの混沌・未熟・歪曲の中にあった全宇宙の文化に秩序と確たる基礎を齎らすためには絶好の機会でもある。亡命(仮)は、このような全宇宙の文化的危機にあたり、微力をも顧みず再建の礎石たるべき抱負と決意とをもって出発したが、ここに創立以来の念願を果たすべく亡命軍を組織する。これまで発表されたあらゆるアニメやゲームの長所と短所とを検討し、西暦201X年の地球に不朽の音楽作品を、独創的作曲のもとに、自由に、そしてライブにふさわしい表現で、多くのひとびとに提供しようとする。しかし私たちは徒らに百科全音楽的な知識のジレッタントを作ることを目的とせず、あくまで全宇宙の文化に秩序と再建への道を示し、この音楽啓蒙を我が亡命軍の栄ある事業として、今後宇宙革命が成功するまで継続発展せしめ、ニュータイプの殿堂として大成せんことを期したい。多くのオーディエンスの愛情ある忠言と支持とによって、この希望と抱負とを完遂せしめられんことを願う。

 

/亡命(仮)