やさしい気持ちで目覚めた朝は

4月6日(土)

昨日は雨で散歩に行けなかった分、今日こそは取り戻そう。

どんよりとした曇り空の下、ゆっくりと歩き出す。

1回目は、我が家の目の前で済ます。

2回目は、歩き始めてすぐに出してくれた。

よしよし、これで2日分のノルマを果たした。

果たしたのは俺じゃなく、静の方だけど。

これで、何も気兼ねすることなく散歩に臨めるぞ。

 

予報では曇りとなっているが、いつ降り出してもおかしくないような低い雲。

 

ついに桜も満開だな。

 

ラジオ体操の公園の桜も満開だ。

 

雨に濡れた花びらが、儚く見える。

 

ヒヨドリたちが、蜜を吸いに集まる。

 

その年によって、開花するのが早かったり遅かったり。

 

街のいたるところが、一斉に淡い桜色に染まる季節。

 

週明けには、桜吹雪に包まれるのだろう。

 

さくら さくら今咲き誇る

刹那に散り行く運命と知って

 

君にも桜は奇麗に映っているのかな。

 

とてもそう見えないね。

 

早くお家に帰りたくて、桜どころじゃないのかも。

 

愛と知っていたのに 春はやってくるのに 

夢は今も夢のままで

 

当たり前のように毎日が過ぎていったよね

 

花は桜 君は美し 春の木漏れ日 君の微笑み

 

ちょっと調べてみると、「桜」をテーマにした歌ってとても多いんだな。

 

そんなこんなで、無事に帰宅して朝ご飯の支度に取り掛かる。

 

今朝は、豚バラだよ。

しっかりといつもの散歩コースを歩いて来たから完食してくれるだろう。

 

そんな期待を込めて、恐る恐るそっと食べさせる。

 

よし!

すぐに食べ始めて、あっという間に完食してくれた。

 

俺の朝ご飯を済ませたら、土曜日のゴミ出しが待っている。

 

ゴミを纏めて、外に出ると近所のおばさんと鉢合わせになる。

 

しゃべり好きのおばさんだから、さっさと戻ろうとしたけど捉まってしまった。

俺のゴミを褒めてくれたり、カラスのゴミあさりについてしばらく語ってくれた。

話によると、池上の森にカラスの巣が多く、その近所のゴミは激しいカラスの攻撃にさらされているとか。

で、何度も何度もカラスは頭がいいと繰り返す。

 

薄着で外に立たされたので、家に戻ってすぐにくしゃみが出た。

すると、静が心配そうに近寄ってきて、俺を見つめる。

本気で心配してくれているのか分からないけど、ちょっと嬉しいね。

 

時折、君が俺を優しい眼をして見つめてくれるのが心の癒しになる。

もちろん、ちょっと苛立ちながら睨みつけることだってある。

ちょっとした表情の違いで、君の感情が読み取れる。

 

濁りのない澄んだ瞳の君に、乾杯!