誕生月の旅は感動を生む

11月6日(月)

1週間ほど前に宿の空き状況を確認して予約を入れる。

今年の春訪れた伊豆高原クォーレだ。

前回とてもいい印象だったので、再度訪れることにした。

予約を入れてから天気予報とにらめっこ。

ところが、ずっと雨予報。

あちゃー!

仕方ないなぁ。

 

当日の早朝、散歩に出ると車がビショビショだったので、覚悟を決めての出発となった。

 

まずは、給油を済ませて第三京浜から東名に入る。

 

ほとんど渋滞もなくすんなりと最初の目的地に到着する。

 

目指したのは犬も入れる海鮮料理のお店。

 

他に1組のお客さんがいただけで、落ち着いて料理を待つ。

 

 

ところが、静は落ち着かないで、ブルブル震えている。

 

ま、いつものことなので、俺は俺で美味しい刺身定食をいただいた。

 

やっぱ、新鮮な刺身は最高だね。

 

俺が美味しく頂いていると、テーブルの下に隠れてしまった。

 

ぼら納屋からは、城ケ崎散策の遊歩道が続いているので、腹ごなしに歩いてみよう。

 

やっぱ、何度来てもいいね。

 

途中にあった黒船防備の砲台跡。

韮山反射炉を作った江川氏によるものと知り、感慨深いものがあった。

 

こちらから歩くのは初めてだな。

 

折角なので吊り橋まで歩こう。

 

何度もアップダウンを繰り返したので、かなりバテてしまった。

 

途中で外国人カップルが近寄ってきて、女性が写真を撮っていいか聞いてきたので、

どうぞと答える。

タッチしますか?と日本語で訊くと、嬉しそうに静の顔を撫でてくれた。

すると男性から「名前は何ですか?」と流ちょうな日本語で聞いてきたので驚いたぜ。

 

恐竜の様に見えなくもない。

 

吊り橋の手前で、静が後ずさりするので抱きかかえて橋の真ん中までやってきたが、

こちらも怖くなって、すぐに引き返す。

 

やっぱ、怖いよね。

 

そして、もと来た道を引き返す。

 

往きでは気付かなかったものが、よく見える。

 

僅かな距離だったが、アップダウンがきつくて、かなりバテてしまった。

 

黄色い花が群生していた。

 

溶岩の作る絶景だな。

 

相変わらず、疲れを見せないで階段をさっさと登る。

 

俺がへたばっていると、振り返って確認する。

 

憎たらしいドヤ顔は、止めて欲しい。

 

続いては、何度も訪れているさくらの里だ。

 

静はちゃんと覚えているようだ。

 

しっかりとドッグランのある方向に向かおうとしていた。

 

桜の季節じゃないから、訪れる人もまばらだ。

 

ススキが、大室山全体を覆う。

 

春になったら、全部焼かれちゃうんだろうね。

 

また、来年の春には訪れてみたいな。

 

おや、季節外れの桜が咲いている。

 

なんと十月桜だと。

色んな種類があるもんだ。

 

なかなか帰ろうとしない。

 

巨大な溶岩の塊。

 

そして、記念撮影が嫌いなんだな。

 

そして、3時過ぎにチェックイン。

 

だいぶ旅慣れてきたようで、部屋に入るなりすぐに水を用意してくれとせがむ。

 

広くてのびのびできるいい部屋だ。

 

置物も上品だね。

 

まずは、持参した八海山をいただこう。

 

なんで、自分ばっかり楽しんでるんだと不満げな様子。

 

少し休ませてよ。

 

折角なのでベランダにて、ジャーキーを齧りながら飲もうじゃないか。

 

目の前に広がる森。

 

鳥のさえずりをBGMに飲む酒は最高だね。

 

枯れた葉っぱかと思っていたら、もともと赤い葉だったことがズームして分かった。

 

ほろ酔い気分で、部屋に戻ると早く遊びに行こうよと訴える静。

 

よしよし、ドッグランに行こうかね。

 

相変わらず元気に走るね。

 

やるもんだ!

 

やっぱ、生き生きしてるね。

 

嬉しそうで、俺も嬉しいよ。

 

心配していた雨も降らず、いい天気に恵まれたね。

 

いやむしろ、暑いくらいだった。

 

ドッグランを終えて、散歩道を歩く。

 

看板の前で記念撮影を試みたのだが、じっとしていないので左手で押さえながらシャッターを切る。

 

そしてもう一つのドッグランで、遊びまくる。

 

ゴジラの背中を思い出す。

 

そして、玄関から中に入ろう。

 

落ち着くね。

 

ウエルカムボードに、もうすぐ4歳と明記されている。

そんな心づかいが嬉しいね。

 

まだ、夕ご飯まで時間があったので、貸切風呂の温泉に浸かって汗を流す。

 

夕食のテーブルについて、最初に運ばれてきた静の料理。

えっ!

わざわざハッピーバースデーと祝福してくれているじゃないか。

翌朝聞いたら、この文字は甘いそうだ。

もうすぐ3歳のラブラドールちゃんにも同様のサプライズがあったようだ。

憎いねぇ。

 

ところが、全く食べようとしない静だが、俺は俺で白ワインをいただいた。

 

旨すぎて、料理の途中で空になってしまった。

 

最初は、椅子の上のかごに座らせていたのだが、嫌がって床に降りてしまった。

 

ビビリは、治らないね。

 

旨すぎて、料理が運ばれる前にだいぶ飲んじゃった。

 

サーモン、美味かったな。

 

濃厚なスープ。

 

そして、魚。

なんだったか忘れちゃった。

 

そして鶏肉のメインディッシュ。

 

やっと落ち着いたかなと思ったら。

 

ただ、眠かっただけだった。

 

デザートもしっかり頂いて、コーヒーで締める。

早くワインが亡くなったので、「赤ワインでもお持ちしましょうか?」と訊かれてしまった。

もちろん、丁重にお断りしておいた。

 

そして、静の料理を部屋に運んだ瞬間、飛びついてきた。

 

なんだよ、そんなにお腹が空いているならレストランで食べてくれよ。

 

ところが、野菜には口を付けず、トッピングの鶏肉にもヤギのミルクにも興味を示さずだった。

翌朝、確認してみると甘い文字は、奇麗に舐めきっていた。

好き嫌いの激しい我儘な子に育ってしまったな。

 

ところが、夜暑くて布団を蹴飛ばして寝ていると静がそっとベッドに上がって俺の脚に身を寄せて眠っていた。

え?

こんな事初めてだ。

俺が寝返りを打って、足が体から離れるとまたすり寄って体をくっつけている。

なんか、また絆が深まった気がした夜だった。

 

朝、トントンとベッドの上で飛び跳ねて俺を起こす。

時計を見れば、6時前だった。

そうか、散歩に行きたいんだね。

小雨が降る中、外に出ておしっこを済ませて部屋に戻る。

 

朝ご飯も美味かったなぁ。

 

俺の食事の後、プレイングルームに入りたがり、巨大なぬいぐるみと戯れていた。

 

外は、激しい雨と風が吹き荒れていた。

 

予報を見れば、しばらくすれば収まるとのこと。

雨が小降りのうちにチェックアウトを済ませて、帰路に就く。

すると、激しい雨が車に打ち付けてくる。

丁度熱海の手前辺りから雨がやみ、太陽が顔を見せ始めた。

 

とてもラッキーだったね。

初日は、全く雨に降られることもなくすべての予定を無事こなせたし。

帰りも、何の問題もなく車を走らせたし。

小田原厚木道路では、覆面に注意して走ったし。

海老名SAで昼飯と晩飯用のパンを仕入れて、順調に帰宅できた。

 

何度も旅を繰り返すうちに、少しずつだけど、静との絆が深まってくる気がする。

と思うのは俺の錯覚だろうか。

そうあって欲しいと願っているための妄想なのか。

 

旅はいいなぁ。

疲れたけどね。