鬼押出しで捕まえて

10月12日(水)

10月の旅は、再び軽井沢だ。

目指すは、前回暑くて断念した鬼押出し園だ。

簡単な散歩を済ませて、いざ出発。

まずは、給油を済ませてからだ。

で、給油が終わった時に上着を持ってくるのを忘れたことに気づき急遽家に戻る。

お陰で30分ほど無駄な時間を作ってしまった。

 

順調に高速を走って予定通りに鬼押出し園の駐車場に到着する。

さぁ、入場料を払って見学しよう。

 

ところがどっこい、ここで思わぬ事態が発生する。

今日のために新調したハーネスがするッと抜けて、静が自由の身となってしまった。

近くにいた老夫婦も呆れていた。

俺は、俺で冷や汗ものだ。

静は全速力で逃げ出し、駐車場わきの関係者以外立ち入り禁止の草むらに入り込んだ。

 

それから、30分ほど追いかけっこが繰り返される。

俺が離れると、ついてくるのだが、俺が近づくとさっと逃げ出す。

暫くして、係員から、リードを離しちゃだめですよと怒られるし。

車に轢かれちゃいますよ、だって。

そんなことは百も承知の助だってぇの。

 

最後は、叢の奥が行き止まりになっていることに気づき、そこに追い込んで

さっと逃げようと俺のわきを通り過ぎようとした瞬間取り押さえた次第。

 

こんなひと騒動があったので、気持ちが萎えて鬼押出しには入らず、次の目的地へ移動した。

ま、俺は何度か来ているし、静も興味ないだろうからね。

 

次に向かったのは、軽井沢の人気スポットハルニレテラスだ。

1番、2番の駐車場が満車で、先のコンビニの駐車場からUターンして、奥の駐車場に停めることが出来た。

凄い人気だな。

 

今度は、逃げないようにハーネスをきつく締めておいた。

 

ほんの少しだが、色づいてきているな。

 

本格的な紅葉シーズンになると、さらに混むんだろうな。

 

さぁ、頑張って歩こう。

 

暫くは、沢沿いに歩く。

 

瀬音がとても心地良く響く。

 

さっそく水分補給だ。

 

曇り空だったがそれほど寒さは感じなかった。

 

やんちゃな小娘のおかげで、いい汗をかいたぜ。

 

ここで、二つの川が合流する。

 

誰だか知らない人。

 

行きたかったのは、ここだ。

 

色鮮やかなマムシグサ。

 

ここから先は、人が全く歩いていない。

 

やっと一人出会ったのは、超望遠レンズをぶら下げたおじさんだけだった。

 

絵になる形で成長した樹木。

 

野生の本能がうごめきだす静。

 

鬼押出しの茂みで付けた泥が、首筋にべっとり付いている。

 

可憐に咲く花。

 

この先にカワゲラの休憩所があるそうだ。

 

嬉しそうに俺を引っ張り続けるこまったおてんば娘。

 

君には、反省という文字はないらしい。

この辺りはツキノワグマの生息地との看板があり、怖くなって引き返す。

 

ちょっと戻って、訪れてみたかったビッキオにやってきた。

池を潰してスケートリンクにしたようだ。

 

しばし池のほとりを歩いてみる。

 

高いところに登りたがる習性があるね。

 

さ、早く降りておくれ。

 

どうも来る前に思い描いていた風景とは違うようだ。

 

歩き疲れたので、テラス席にてコーヒーをいただく。

 

落ち着いてじっとしていないおちゃめな子。

 

少し休ませておくれよ。

 

元気でいてくれるのは嬉しいのだが、もう少し大人しくじっとしてくれないかな。

 

東京では、見せない表情がいいね。

 

さぁ、そろそろ移動しようかね。

 

苔がびっしり生えた樹木。

 

かなり歩いたので、お腹が空いてきた。

 

13時を回ったのでハルニレテラスのレストランも空いて来ただろう。

 

ところがどっこい、さらに人が増えてどこの店も長蛇の列。

 

これじゃ、とても食べられそうもないな。

 

ということで、沢沿いの遊歩道を歩いて駐車場に戻ることにした。

 

親子連れやら、犬連れやら、若いカップルやらでさらに混みだした。

 

もう、限界だ!

 

で、宿の近くにあるコンビニでパンを買って食べる。

そして、チェックイン前のドッグランを堪能する。

 

持参したボールで遊ぶ。

 

そしてチェックイン。

撮影用のセットに乗せて記念撮影。

 

なかなかカメラ目線をくれない。

首筋の汚れが目立つな。

 

チェックインして、部屋に入ってまず給水。

 

先ほどコンビニで買ったワンカップ。

泊まる宿が変わってもやることはいつも同じだな。

 

夕食まで時間があるので、近所の公園まで酔い覚ましの散歩に出る。

 

家族的な雰囲気のいいホテルだ。

 

近所の公園で、柴犬連れの地元の人3組と出会う。

酔った勢いでしばし、会話を楽しむ。

 

ウッドチップが敷き詰められたドッグラン。

十分な広さだ。

 

テラス席もお洒落だね。

 

泥だらけでお洒落なんて気にしないね。

 

しばし夕食時間まで部屋でくつろぐ。

 

さぁ、ディナーの時間ですよ。

 

これもワンパターンの白ワイン。

 

地元でとれた野菜がふんだんに使われているスープ。

 

あっさりして口当たりの優しいワインだった。

 

最高に美味しかったラグーパスタ。

 

サーモンのポワレだって。

 

前の席の大型犬に吠えられて俺の足元で縮こまる静。

 

豚ひれ肉のローストときのこのソース。

脱帽だぜ。

 

ガトーショコラとフルーツ。

 

最後は美味しいコーヒー。

 

で、事前に注文しておいたワンちゃんセットを部屋にテイクアウトして驚いた。

 

なんと俺の目の前で完食してくれたんだ。

最初にヤギのミルクに飛びついた。

意外だったけど、嬉しかったぜ。

 

ついにこんな奇跡のようなことが起こるなんて。

ヤギのミルクって売ってるのかな。

 

美味しい晩御飯を食べて満足そうな顔。

夜は、俺の足元で一緒に寝てくれた。

だけど、顔の方には絶対近づかなかった。

それって、どういうこと?

 

翌朝、早朝ドッグランに精を出す。

 

なぜか、大きな溶岩をおもちゃにして遊びだした。

 

色んな思いを込めて命名してるんだな。

漢字なのは、うちだけか。

 

朝食を済ませて、すぐにチェックアウト。

大きな渋滞もなく、11時半には帰宅できた。

帰宅して思う。

やっぱ、我が家が一番落ち着くな。

そう、帰りの心配がないからね。

しばらくして、あることに気づいた。

軽井沢より、東京の方が寒いぜ。

 

ま、出だしから数々のハプニングに遭遇したけど楽しい旅だった。

うん、旅はいいなぁ。

 

これからも少しずつ想い出のページを重ねていきたいものだ。