1月末にBank of Thailandから2017年12月のタイ経済のレポートが発表された。既に、12月末に発表された2017年11月のレポートと、各公的機関からの見通しで、2017年のタイ経済の状況はあらかた総括されているので、いまさら驚く数値も無いが、一応、おさらいの意味も込めて、数値を確認しておく。

 

<輸出実績>

前年比9.7%増。農産物が前年比20%増、農産加工物が12.3%増と農家にとっては良い一年だったと言えよう。農産物価格は前年比▲2.7%減だったが、世界的にインフレが進みにくい状況で、タイ自身もインフレ率は1%にも届かない状況の為、今後も価格の上昇は中々見込みにくいだろう。なお、タイ輸出の国別のシェアはちゃんとは確認できていないが、日、米、EUが7,000億バーツから8,000億バーツであるところ、中国は1.4兆バーツであり、中国依存は鮮明だ。

 

<外国人観光客数>

前年比8.8%増。35百万人オーバーを達成。中国が27.7%のシェアを占め、2017年も10%超の伸びを達成したため、輸出同様に中国依存が著しいと言えよう。

 

<その他①>

民間投資指数が前年比0.2%増、工業生産指数が前年比1.6%増、民間消費指数が前年比1.9%増という数値になっており、何となく内需や国内投資の動きは鈍い感じを受ける。

 

<その他②>

BOI(Board of Investment)から2017年の外国投資額が発表されたが、2,827億バーツだった。前年比でみればプラスなるも、実は2012年から2015年の4年間平均は約5,791億バーツ/年なので、中期的トレンドでみると半減に近い状況。理由は、外国投資の5割を占める日系企業の投資が半減しているのが主な理由。おそらく、ほとんどの大手企業は進出してしまったので、いくら投資恩典だ減税だと笛を吹いても、もう爆発的に増加しないのではないだろうか。

 

2018年のタイ経済も輸出と観光が中心となるのは間違いなく、輸出先、観光客の出発地である中国経済に左右されるのでしょう。ちなみに、先週は日米の株価が大きく落ち込み、中国の上海総合も大きく下落。外需依存のタイSET指数も下落するかなと予想してましたが、調整程度の変動で済んでおり、タイの株式相場の動きは中々難しい。