5月末に中銀から4月のタイ経済情勢が発表された。結論から言うと、4月も好調を維持しており、この状況を継続できれば、タイ政府が言うとおり、今年のGDP成長率は3.0%超えは確実ではないだろうか。
前月に続いて、主要3項目について確認していくと、まず輸出については、前年同月比5.9%増。農産物、海産物、ゴム等の一次産業に近い商品の輸出が大きく増加。農産物は3月(前年同月比24.1%増)に続いて前年同月比15.5%増と好調を維持。自動車製品、電機等は前年同月比では若干のマイナスとなったが、引き続き堅調に推移しており、輸出全体としては好調維持という状況。
観光セクターでは、前年同月比7.0%増。中国からの観光客は減少傾向だが、他の地域からの観光客が軒並み増加している。先月、1月~3月の数値は1.7%増にとどまったことから、これ以上の伸びは無いと思っていたところ、正直、予想外の展開であり、7.0%はかなり好調な数字だろう。中国が減少している中、この好調が継続するとなると、タイの観光産業の底力恐るべしという感想です。はっきりした要因はわからないものの、欧州でもテロが頻発し、フィリピン、インドネシアでもテロの危険があり、北東アジアは北朝鮮危機に見舞われている中、消去法的に観光地としてタイが選択されているのだろうか。
公共投資については、資本支出が前年同月比でマイナス。経費支出も前年同月比3.3%のマイナスとなり、政府全体の支出も3月に続いて前年同月比マイナスであり、第1Qの貯金を第2Qで使い果たす状況であり、経済下支えのためにも着実な公共投資の実施が必要だろう。
個人的に、タイ経済の行く末のKey pointとして、輸出、観光、公共投資の3本と考えているが、輸出、観光が好調なので、公共投資が少々遅れても、十分な経済成長が見込めるだろう。唯一の気がかりは、5月に入り、タイ陸軍病院での爆破事件や、MRTでも爆発物が見つかる等、社会情勢が少々不安定なこと。あまりに長く続いている軍政に対して、言論封鎖により言論では反発できないところ、武力での反発に傾斜していないだろうか。社会情勢が不安定になると、観光客の減少、民間消費の落ち込み等に反映してくるだろう。