タイの王様というと、最近崩御されたラーマ9世(プミポン国王)が有名であるが、

タイでは3大王と言われる王様がいる。

今年はラーマ9世の葬儀が盛大に執り行われ、

ひょっとすると、今後は4大王になるかもしれないので、

今のうちに、その3大王を振り返りたい。

 

タイの歴史は民族から見るか、地理的な側面から見るかで、

何を最初とするかが難しい。

 

地理的な側面から見れば、7世紀~11世紀にかけて、

今のナコーンパトム(バンコクとカンチャナブリーの間)辺りに、

モン族によって作られたドゥヴァーラヴァティーという国が最初の国らしい。

 

その後、クメール族によるクメール帝国アンコール朝が、

アンコールワットを作ってしまう程、勢力を増し、

メコン川流域からチャオプラヤー川流域までを支配下に治めた模様。

これが11世紀~12世紀頃であり、ドゥヴァーラヴァティーもクメール帝国の

支配下に置かれたと思われる。

 

なお、モン族は、現在もタイとミャンマー国境周辺に分布して居住しており、

ミャンマーのモン州に多くすむ民族。

 

一方で、民族的な側面から見ると、

12世紀頃に今の中国の景洪市付近(南はミャンマーに隣接する地域)に

造られたシップソーンバンナー王国が最初のようだ。

現在、この付近は、中国雲南省シーサンバンタ・タイ族自治州景洪市となっており、

今も多くのタイ族が存在する地域である。

 

また、同じ頃にチェンラーイにもタイ族の王国が出現したようであり、

13世紀にはマンラーイという王が、チェンマイを首都としたラーンナー王国を

造った模様。

なお、タイ族と関係が近いラーオ族による王国としては、

14世紀半ばに、ルアンプラバーンにラーンサーン王国が作られている。

 

では、タイのNational Historyとして、何が1番始めかというと、

民族的側面と地理的側面が融合した、13世紀のスコータイ王朝からということらしい。

正直、スコータイは現在の首都バンコクから見ると、かなり北に位置し、

ラーンナー王国をタイの歴史の始まりとしても良さそうと思うが、

このスコータイ王朝の第3代王様のラームカムヘーン王様が、

現在のタイ領土とほぼ同じ地域を支配していたので、

この王朝をタイの「はじめの一歩」としたいのが本音と思われる。

要は、現在の領土は、歴史的側面からも正当性があることを確保したいのだろう。

(古今東西、どの国も同じことを考えるようです)

 

また、このラームカムヘーン王の偉業を伝えるのが、

タイ語の最古の石碑であるラームカムヘーン王石碑であり、

スコータイ王国の豊かさが描かれているほか、

タームカムヘーン王がタイ文字を完成させたと書かれているとの事。

 

タイ領土の確立、タイ文字の確立という要素により、

このラームカムヘーン王がタイの3大王の1人となっている。

残り2人については、また後日。

 

なお、スコータイ王朝時代には、クメール帝国も、ラーンナー王国も、ラーンサーン王国も

存在し、チャオプラヤー川の東側はクメール帝国の影響が強く、

今のバンコクから東、イサーンやラヨン周辺はクメール帝国下だった模様。

また、チェンマイ周辺より北はラーンナー王国が支配し、

ラーンサーン王国はスコータイ王朝の属国という扱いだったようだ。