今も昔も、タニヤ通りは、バンコクの一大歓楽街だ。
乱立する古い雑居ビルには、日本風居酒屋とカラオケ屋が入り乱れており、
いったい何軒の店があるのだろうか。
タニヤ通りの居酒屋で1次会を終えて、一歩店の外に出れば、
プラスチックの椅子の上に足を組んで気怠そうに座っていたタイ人のお姉さん達が、
一斉に立ち上がり、黄色い声を投げかけてくる。
シーロム通りからタニヤ通りに入った右側も、日本風居酒屋とカラオケ屋が軒を連ねる。
最初の右折路を曲がると、正面にパーキングが見える。左手には、餃子の王将や、
老舗の浪速屋がある。
もう少し、タニヤ通りを歩いて、クラブ愛の角を右折すると、
タニヤ通りと並列に走る形の裏通りに出る。
裏通りをちょっとスリゥオン通り方向に歩くと、
鍋の店と鉄板焼きの店の両方を持つ有名な瀬里奈がある広場に出る。
その雑居ビルの一画に「静亭」がある。
小さい雑貨屋の隣の入り口むき出しのエレベーターに乗ると、
入口と出口が別というのに驚きを感じるが、
4Fで降りる。
降りた右手にどこかのスナックのような重厚層なドアを開けると、
静亭に到着。
静亭のメインは、女将さんの「しずか」さん。
タニヤの日本料理屋の浪速で働き、
バンコクで暮らすこと、幾年月。
カウンターを挟んで、酒の肴に女将さんのバンコク・タニヤ事情の話に
耳を傾ければ、気づけば焼酎のボトルが空いてしまう。
常連さんになれば、カウンターに座っただけで、
今日のお勧め料理を適当に出してくれる。
どれもこれも、女将さんが仕込んだ家庭料理で、味は秀逸。
値段も、お任せコースを食べてると思えば、良心的。
お酒を入れても、1,500Bぐらい。
単身赴任の駐在員、家に帰る前にちょっと一杯のみたいサラリーマン達、
リタイヤされた高齢者、皆、思い思いでカウンターを囲んで、
しずかさんと話ながら、酒を飲む。
カウンター越しの日本の居酒屋雰囲気にどっぷりとつかれば、
タニヤに居るのに、タイのお姉さんと遊ぶ気も薄れ、
充実した酒を愉しむ時間を味わえる。