酒呑みの日本人にとっては、基本的にバンコクは過ごしやすい街だ。

ビール、ワイン、焼酎、日本酒、ウィスキーなんでも手に入り、

日本式の居酒屋はごまんと有り、

お姉さんを横に侍らして飲む店や西洋風のパブも数知れず。

 

しかし、日本のBar、オーセンティクなBar、

一枚板のカウンターの前にスツールで腰掛けるBar、

白いYシャツにベストを着たバーテンダーがグラスを拭いているBar、

は、中々、存在しない。

 

もちろん、ホテルに行けばBarがある。格式高いホテルには、それなりの歴史があるBarもある。でも、日本のBarとは違う。ラウンジと呼ぶ方がしっくりくる印象だ。

 

パッポン、タニヤ、スリウォン、スクムビット等で、

ひっそりとオープンしている会員制Barは、

基本的な雰囲気は日本のBarに限りなく近い。

渋く、酒を嗜める雰囲気はある。

今日は、ちょっとじっくり飲みたいなという時には、有難いお店だ。

だけど、何か違う。

バックバーに置いてあるウィスキーの種類が少ないこと、

バーテンダーが作れるカクテルの種類が少ないこと、

こういったことには、目くじらを立ててもしょうがない。

 

何となく違う理由は、女性の影、存在感、雰囲気だろうか。

どこのお店も、タイの女性が、必ず居る。

客の横に座る女性ではなく、

オーナーであったり、バーテンであったりと、普通のStaffであったりするのだが、

彼女達がいるだけで、お店の作りは日本のBarなのだが、何となく雰囲気が異なる。

顔立ち、スタイル、匂い、そういった様々な断片から、

南国の陽気さが香り立ち、

渋い雰囲気、酒を嗜む雰囲気、たそがれる雰囲気が浸食されていく。

 

郷に入ったら、郷に従え。

バンコクではたそがれの為の酒を飲む暇があれば、

陽気な酒に溺れるべき。