10月13日にタイのプミポン国王(ラーマ9世)が崩御された。

88歳、世界最長、70年の在位だった。

心よりご冥福をお祈りします。

 

1946年に兄のラーマ8世が、寝室で怪死(銃で撃たれた模様)されたため、急遽即位。

その後は、既得権益層と結びついた軍主導の統治体制の中で、静かに着実に存在感を強め、

その後の民主化運動、共産化運動で揺れる国内統治に手腕を発揮していかれました。

 

ラーマ9世を、特に有名にしたのは、1992年の「暗黒の5月事件」。

政府と民主化グループの間でバンコクが血の海に染まる中、

首相と民主化運動のリーダーを呼び、両者を叱りつけ、一夜にして騒乱を治めてしまった。

普段は政治に口を挟まず、品行方正な振る舞いと人格により、

尊敬を集めていたラーマ9世は、この事件により、ゆるぎない尊敬の念を集めることとなった。

 

兄のラーマ8世が怪死する等、タイ王室の権威は必ずしも盤石ではなかったが、

ラーマ9世が1代でゆるぎない権威を王室にもたらしたのは間違いない。

しかし、今後もタイ王室の権威が続くかは、よくわからない。

 

王位を承継するのは、ワチラロンコン皇太子。

正直、これまでの評判は芳しくない。目を疑うような写真もネットには出回っている。

以前には、シリントーン王女が王位を承継するのではないかとの噂もあった。

 

しかし、偉大すぎる父が去った今、ひょっとしたら変貌するかもしれない。

64歳の大人が急に変貌するのは難しいと思うが、

絶対的な父がいなくなったという事象は、

人を変えるには十分すぎる事象だ。

 

翻って、我が国、日本。

現在、生前退位が議論されている。

絶対的な父が存命の間に、天皇の地位を継ぐ気持ちはどうなのだろうか。

また、国民は、存命している父と息子を安易に比較してしまわないだろうか。

考えさせられることは多い。