20年以上、延300人くらいの方にダンス指導をして来て、特に100人以上の方とは密に関わらせて頂いて来たと思います。
その、濃い100人の方々。
やっていることがダンスなので、当然、踊ることが好き、何かを表現することが得意な創造力の長けた方が多かったと思います。
で、私がやっているジャンル…一応ジャズダンスと言っていますが、舞台を創る際には様々な役が登場するので、当然使う音楽もバラエティに富んでいます。
ヒップホップのような動きもあれば、スパニッシュやタンゴチックなもの、バレエのような優雅な動きやミュージカル調、色んな役柄になり切って踊ります。
演じることが得意な人が集まっているので、基本みんな何でも面白がってやってくれるのですが、
一つだけどうも受け入れられないジャンルがありました。
それは、私も長年苦手だったこと。
類は友を呼ぶ、ってほんとです。
私にそっくりな感性の方が多いんです。
受け入れられないジャンル…
それは、ズバリ、
優雅なバレエ。
バレエファンの方には申し訳ないのですが、本当だからしょうがない、お許しをm(._.)m
私たちジャズダンサーって、カッコいい、
セクシー、個性的が好きな人種です。
色で言ったら、黒とか赤とか紫…
断然、原色ですね。
淡いピンクとか水色とか、ふんわりとかお姫様とかは、正直、縁がないし、柄じゃねぇ!
って思ってます。
4回目くらいの舞台を創った時、バレエっぽい踊りのシーンがありました。バレエ教室の生徒さんにも複数人出演して頂いてたし、そこはバレエチックな音楽と動きが合う、と思ったからそうしたのですが…。
私の教室の生徒さんは、そのシーンの練習になると、見るからに表情に精気がなくなるんです。
もう、わかりやす過ぎて笑えますが、舞台の成功のためには、やってもらわねばなりません。
で、
どうしたの?具合でも悪い?
と聞くと、
このシーンのこの踊り、全然楽しくないから、顔に出ちゃうんです〜、すいませーん。
って、、、( ̄^ ̄)ゞ
そ、そうだよね〜
私も全然好きじゃないもん、分かる分かる〜
と返し、
何とかして、やり切ってもらうための方法を伝えました。
かつて、バレエレッスンが大嫌いだった私が、
バレエを克服した方法。
「時間を決めて、その時間だけ、自分とは別の
人格になる!」
でした。
バレエレッスンに行く日は気が重いので、レッスンに行く道中は普段以上にジャズダンサー風の行動をしました。
車の窓を開け放し、崩した姿勢で片手でハンドルを操作し、タバコを吸いながら運転をする。
で、レッスン場に着いたら、気合いを入れてバレエを踊る人(風)になるんです。
で、2時間後、スタジオを出たら、やったぁ〜
解放!!!って感じで、大音量でロックを聴きながらの帰り道を楽しむ。
自分らしい黒や赤のイメージから、
ガラッと変えてピンクや水色…
私には、ない、ない、なーーーいっ!!!
の世界ではあるけれど、この期限つきのなりきりで、何とか乗り切ったのです。
これを、伝えて、何とかバレエチックなダンスシーンを踊り切ってもらいましたよ。
きっと、裏では、ない、なーーいっ!って舌を出してたと思いますが。
現在はメンバーも変わり、大きなステージで踊るということもなくなりましたが、体の使い方の基礎となるバレエは欠かせませんので、毎回のレッスンで行います。
その、ちょっとしたバレエのエクササイズでさえ、
「お姫様になりきってやって〜!」
と言うと、
ムリ、ムリ、ムリーーーーっ!
かゆくなっちゃうーーーーっ!
の声が聴こえて来ます。
あ〜、やっぱり、どこまで行っても、
同じ匂いの人が集まって来るんだな〜
本当はピンクのレオタードでも着て、バレエレッスン用の音楽でレッスンした方が良いのですが、服装はいつも通り、音楽もポピュラー音楽でやります。一応バレエ用のレッスン音源も持っているのですが、週に何度も聴くと私が参っちゃうので、滅多に使いません。
この人達にも、エクササイズをする数分だけなりきる方法を伝えています。
やや無理矢理な感もありますが、これも訓練で、
続けて行けば効果は出て来ます。
なりきるのも上手くなるし、バレエの基礎を身につけるにも最速だと思います。
いやいややっても身につきませんが、なりきることも面白がって取り組めば、着実に習得できて行くんです。
黒や赤、と言った原色しかない!と思っていた自分の中に、ほんの少しだけど、淡いピンクや水色のふんわりした優しい性質もあったんだなぁ、と気づくこともできるんです。
ふんわり、のイメージ、私にもあるって気づきましたよ。
ほんのちょっと、2%くらいだけどね(笑!)