☆(*´∇`*)里村のにちぢょー(*´∇`*)☆ -2ページ目

☆(*´∇`*)里村のにちぢょー(*´∇`*)☆

オッサン(ToT)に差し掛かったオニーサンの、ごくごく平凡な日常…☆(^_^;)☆






A子さん。A子さんが突然いなくなってしまったあの日から、もう3年以上の月日が流れました…。




とうとう、オイラがA子さんと一緒に過ごした時間よりも、
A子さんがいなくなってから過ごした時間の方が、長くなっちゃいましたね…。




今でもオイラの財布の中にはA子さんの写真と、2005年にA子さんとBちゃんと一緒に行った初詣の時に、
A子さんから買ってもらったお守りが常に入ってます。
Bちゃんも、今でも欠かさず持ち歩いてるみたいですよ…☆桜溿☆




あと毎日、朝起きた時(おはよう)・出勤する時(行ってきます)・帰宅した時(ただいま)・寝る前(おやすみなさい)に、
A子さんの写真に…挨拶と…
何か大事な用事がある時には、たまにキスをしていますドキドキ(笑)




…引きますよね??気持ち悪いですよね??
ごめんなさい…。自分でもわかってはいるんですが…。




…でもきっと今頃、A子さんはもうオイラのことなんて忘れて、
天国でC男さんと一緒に、幸せに包まれた穏やかな日々を過ごしているかと思います。




一緒に過ごした時間の長さも、A子さんから受けた愛情もA子さんに与えた愛情も、
通算したらきっと、C男さんに比べればオイラなんて屁みたいなものだと思います…。




でも…そんなオイラでも、天国でA子さんを独り占めにする
幸せ者のC男さんに…ほんのちょっとだけ、ヤキモチをやいてもいいですか??…




Bちゃんは、本人の強い希望もあって、まだあのパパとママとの思い出が
いっぱい詰まったマンションに住んでいます。




ママが亡くなった直後だったにも関わらず、ショックにも負けずに志望大学に見事合格しました。
落胆して酒に溺れ、会社を退職してしまった弱虫のオイラと違い、
さすがA子さんの子だけあって、強くて立派な子です。




少女だったBちゃんも、まもなく大学4年生です。
すっかり大人の女性へと成長しましたよ…。
昨年の成人式では、オイラもうちのおっ母さんも、思わず涙が出てしまいました。
A子さんとC男さんも、写真で出席していましたね。




…Bちゃんは最近、ますます写真で見る若い頃のA子さんに似てきました…。
時々見せる表情に、思わず「ドキッドキドキ」とする事があります…。




Bちゃん、バレンタインデーには昔と変わらず、
オイラに手作りのチョコレートやお菓子を作ってくれます…☆劯☆
A子さんが旅立ってからは
「ママの分も、私が代わりに」
と言って、いつも一人で大量に作ってくれます(笑)




A子さんも一緒に過ごした2005年と2006年のバレンタインデーでは、
それぞれ手作りのチョコレートとお菓子を、二人揃ってオイラに渡してくれましたね…。




おそらく、あの二回のバレンタインデーがオイラの人生の中で
一番幸せなバレンタインデーだったんだと思います…☆桜




でも今年のバレンタインデーには、Bちゃんを除くと2006年のA子さん以来となる、
手作りのチョコレートを、取引先の女の子からいただきましたよ☆劯☆




Bちゃんは、あれからお料理の修行もはじめたんですよ☆(^_^;)☆
A子さんがご存命だった頃はほとんどA子さんに任せっきりだったけど、
将来はママみたいな、お料理の上手なステキなお嫁さんになりたいと言って、かなり意気込んでいます…☆桜溿☆




しかし、さすがA子さんの子ですね☆☆
うちのおっ母さんや母方の祖母の指導もあってみるみる上達していき
今では、うちのおっ母さんと張り合えるほどにまで上達しましたよ~。
うちのおっ母さんや母方の祖母も、その上達の早さに驚いています…☆溿☆
現在、月に何回かBちゃんがうちに夕飯を作りに来てくれていますよ☆ナイフとフォーク




でも当のBちゃんは、生前のA子さんやうちの祖母(母方)に比べたら
まだ全然と話しており、まだ自分の腕前に納得していないようです。
将来Bちゃんをお嫁さんに貰う男は、間違いなく幸せ者でしょう…☆桜溿☆




しかも、もしかするとそれも案外そう遠くない話かも知れないですよ☆(^0^)☆
Bちゃんには今、とても大切な男性がいるようです。
ちなみに、またオイラより年上の方です(笑)




最初、その方をうちに連れてきた時、その方から「お父さん」と呼ばれました(笑)
年上から「お父さん」なんて呼ばれて、かなり複雑な気分でしたよ…(笑)




…でもその方、いい歳して外見がちょっと派手だったので、
オイラは最初、少々よそよそしい態度を取ってしまい、おっ母さんとBちゃんに怒られました(笑)




Bちゃんは、オイラの可愛い娘でもありますからね…。
「お前だって充分変な男だろ」と突っ込まれてしまいそうですが、
変な男には嫁にはやれません!(笑)
Bちゃんには「このガンコジジイ!むかっ」と言われましたが…。




でもBちゃんは、A子さんが生きていた頃と変わらず今でもオイラに

「私が結婚したら、結婚式のバージンロードはお兄ちゃんが歩いてねドキドキ

と言ってくれています。(笑)

う~んm(__)m父親って、なんだかフクザツ…(T_T)(T_T)




あのA子さんの実家で散々言われた日の約束通り、
Bちゃんの学費はうちの両親が負担しています。
最初は生活費も負担していましたが、大学に入ったBちゃんは
「生活費だけは、できる限り自分でなんとかしたいから…」
と言い張り、バイトに精を出しています。
(※マンションのローンは、C男さん逝去時に完済)




頑張り屋さんなところも、きっとA子さん譲りですね…☆桜溿☆
でも、そんなBちゃんをオイラはいつも、
頑張りすぎて無茶をしないか陰ながら心配しています…。
一昨年、風邪をひいているのに無理をおしてバイトへ行き、
倒れてしまった事がありましたから…(>_<)(>_<)




でもBちゃんは、大学生活を存分にエンジョイしているようですから安心して下さい。
大学一年と二年生の時は、オイラは週に1回、マンションに泊まって様子を見に行っていましたが
近頃のBちゃんは大学にバイトにデートに就活にと、
かなり多忙なようで、月に1~2回にしています。
(※大学受験の時は、受験勉強の邪魔にならないよう配慮して
おっ母さんは毎日昼間に、オイラは決められた曜日以外行きませんでした。)




Bちゃんは相変わらず甘えん坊さんで、オイラやおっ母さんが泊まりに行くと
必ずオイラやおっ母さんと一緒に寝ています(笑)
A子さんと一緒にいた頃は、よくBちゃんと一緒に3人で寝ていましたもんね…。




でもきっと、寂しいんだと思います…。
あのファミリー用の広いマンションで、一人で過ごす時間が多いですから…。
時々「…ママ…」とか、寝言を言ってますよ…。
そんな時にはオイラも、Bちゃんが不憫に思えてたまらなくなります…。




大学に入ってから、Bちゃんはうちのおっ母さんがやっている習い事教室にも通っています。




そうそう…あれからおっ母さんは、少しでもBちゃんのマンションに通えるようにと、
習い事教室の場所を、Bちゃんのマンションの近くに変更しました☆溿☆
現在おっ母さんは、週3日ぐらいのペースでマンションに行っています。
Bちゃんの居ない間に勝手に上がり込んで、昼寝したりもしていますよ(笑)




でも、そんなBちゃんもいよいよ就職活動が本格化してきたようで、
習い事は今月いっぱいで一旦辞めるそうです。
最近は不景気なので、就活は大変みたいですよ。




Bちゃんも、たまにはA子さんに代わってうちのおっ母さんから叱られています。
こちらもあの日の約束通り、名実ともに「もう一人のお母さん」です☆桜溿☆
でも、相変わらずオイラの方が遥かによく叱られていますが…(笑)




一昨年に執り行われたA子さんの三回忌のとき、A子さんの(里村家の)墓前で、




Bちゃん「お兄ちゃん…。
お兄ちゃんはまだ若いし、これからまだまだ人生長いんだから、
もうママの事は忘れて、別の人と一緒になってもいいんだよ??☆桜




…きっとお兄ちゃんを必要としてる女の人はいると思うよ。
私はお兄ちゃんの事応援するし、きっとママもそれを望んでいると思う…。」




と言って泣いていました…。
でもそのあとに




Bちゃん「…でも、変なオンナ連れてきたら承知しないからね!むかっ




と言われました(笑)




おっ母さんも、あれから3年経っても全く女っ気のないオイラを心配しているようです…。
おっ母さんも最近は徐々に白髪が目立ち始め、
『疲れた』とか、『あっちが痛い』『こっちが痛い』と、よく言うようになりました…。
そのたびに、『おっ母さんも、年をとったなぁ…』と痛感しています。
本当は、早く孫の顔を見せてあげるべきなのですが…。




…A子さんと一緒に居た頃のオイラは、みんなから若い・若いと言われ、
A子さんも自慢気でしたね。
でもそんなオイラもいつの間にか、すっかりいい年齢になってしまいました…。




…でも先述の通り、オイラは今のところ、残念ながら?それらしいお相手はおりません(笑)
この苛酷で複雑な運命を、まだ未婚のお嬢さんにまで背負わせてしまうのは
あまりにも気が引けてしまいますし…。
オイラも一応、形式上はまだ未婚には違いないですが…(笑)




だから…もう少し、もう少しだけ…A子さんのことを想っていても良いですか…??




そうそう。昨年はお父様(A子父)と、うちの祖母(父方)がそちらへ行かれましたね…。
晩年、お父様はご自分の状態を悟っておられたようで、
最後の最後になって、オイラは病床のお父様(A子父)から初めて話掛けられ
今までの無礼のお詫びと、A子さんの通夜&葬儀に呼んでくれた事と合わせて、
オイラに「A子を愛してくれてありがとう」と、泣きながら言ってくれました。




きっと天国では、仲直りしてくれていると思います。
お父様、どうかA子さんをよろしくお願い申し上げます。
またA子さんとともに、お母様(A子母)をはじめ
その他残された御親族様達を温かくお見守りください。
(※A子母は現在、家を処分しA子さんの弟さん一家と同居)




さて。来年には、いよいよBちゃんが社会人となります。
A子さん、どうかBちゃんをお守りください。
そして…いつの日かオイラが行くまで、オイラは会う事のなかった
あの時A子さんのお腹にいた子供のことを…よろしく頼みます。




オイラは今でも時々、何か辛いことがあると、A子さんの事を想いながら
深夜まで飲めないお酒を無理矢理飲んで、A子さんの事を思い出してしくしく泣いているんですよ☆炅☆(笑)




オイラも、いつになるかは分からないけれど、
そのうちいつかは、再びA子さんに会える日がくるかと思います…。




ひょっとしたら…いえ、おそらくその時のオイラは、
もうA子さんと一緒に居た頃の面影なんて全くない
ハゲ頭で、シワシワで、薄汚れた風貌の小汚い爺さんになっているかも知れません…。
25歳もあった年齢差が、見事なまでに逆転しているかも知れません…。




…でも…いつの日か、そんな姿のオイラと再会しても…
ほんの…ほんの少しだけでも、オイラの事を覚えていてくれますか??
…「嫌い」って…言わないでいてくれますか??…




…最後になります。
相変わらずなんの取り柄もないオイラですが…
A子さん、あなたを想う気持ちだけは、誰にも負けるつもりはありません…。
もちろんC男さんにも…。




今も、そしてこれからもずっと…。




~おしまい~









通夜も葬儀も終わり、何もかも全てを失ったオイラ…。
婚約者も…子供も…。




お仕事は丸々一週間、忌引のお休みをいただいたのだが、
一週間経っても、どうしても職場に行って働く気にはなれず、
退職届を提出してそのまま退職…。




おっ母さんもお父っつぁんもBちゃんも、しばらくはそんなオイラにも何も言わなかった…。




スーパーで飲めない酒を買ってきては自分の部屋で飲み散らかし、
リバースし、毎晩毎晩ひとり泣く日々…。




そんな毎日が一ヶ月ほど続いたある日、酒を買い込んだオイラはBちゃんのマンションへ…。




Bちゃんの受験勉強の邪魔にならないように、別部屋でA子さんの遺品を眺めながら
いつものように飲み散らかして酔っ払っていると、
突然Bちゃんが部屋に入ってきて、オイラのお酒を勢い良く取り上げた。




オイラ「…何すんだよ?むかっ…返せよ…むかっ




Bちゃん「…お兄ちゃん…お願いだから…もうやめてよ…」




今にも泣き出しそうなBちゃん…。




…でも、オイラはあろうことか…

「うるせー!!むかっガキのオメーに何が分かるんだ!!」

と怒鳴り声をあげ、ドン!とBちゃんを突き飛ばした…。

「キャッ!!」と声を挙げて、その場に倒れ込むBちゃん…。




Bちゃんは倒れた態勢のまま、しばらく無言のまま微動だにしない…
オイラは無言でBちゃんの手から床に落ちたお酒を拾い、
またグビグビと飲みはじめる。




すると、Bちゃんがしくしくと泣く声が聞こえてくる…。
床にポタポタと涙がこぼれ落ちる…。




オイラ「…なんだオメー??泣いてんのか??」




Bちゃん「…(泣きながら)お兄ちゃんのバカァ!!」




オイラにそう叫んで、泣きながら家を飛び出していった…。




「ハハハッ…オイラ…サイテーだ…オイラなんて生きる価値ないや…
A子さんの代わりに、オイラが死ねば良かったのに…」




そう思うと、今までの人生の中で一番自分が大嫌いになり、オイラも泣き出す…。
しばらくして落ち着くと、オイラはいつの間にか眠ってしまった…。




約2時間後
「…ちゃん。…お兄ちゃん。」
と、どこからかBちゃんの声が聞こえてきた…。
目を開けると、目の前にはBちゃんとおっ母さんが…。




オイラはおっ母さんに、
酔っ払い口調で



オイラ「…ああおっ母さん…バカ息子を…わざわざ…迎えにきて…くれたの??」




と言ったら…




おっ母さんから、超強烈なビンタ!!w(゚o゚)w




オイラ「…イッテ…。」




おっ母さん「…アンタ…いつまでそうしてるつもりなの??
…今のアンタ見て…A子さんが喜ぶと思う??」




オイラ「…。」
泣いちゃったオイラ…




おっ母さんに豪華に胸ぐらを掴まれて




「…アンタ!!Bちゃんが何とか悲しみを乗り越えようと勉強に打ち込んで必死に頑張ってるのに、
…アンタは…何やってんのよ…
私は!!あんたをそんな弱い人間に育てた覚えはない!!」




おっ母さんまで泣き出しちゃった…。




おっ母さん「…仁!!
Bちゃんは、アンタよりもっと悲しいんだよ!!もっと辛いんだよ!!」




オイラ「…でも…おっ母さん…オイラ…死にたい…A子さんの所行きたい…A子さんに…会いたいよぉ…」




…強烈なビンタがもう一発。




おっ母さん「…死にたいなんて…言わないでよぉ!!
アンタ産むとき…どんなに痛かったと思ってんのよぉー!!」




号泣しながらオイラを抱きしめるおっ母さん…。オイラも号泣する…。
嗚呼、23にもなって、お恥ずかしい話です☆濵☆笑




やがて少し落ち着いてくれたおっ母さん…。




おっ母さん「仁…アンタ、可愛い子だったのに…こんなに大きくなったんだね…」




オイラ「…おっ母さん…。」




おっ母さん「…仁。確かに…A子さんもお腹の子も…かわいそうだった…。
…でもねぇ、よく聞きなさい…。
『生きていく』ってことはね…大変な事なの…。
ときには、死ぬほど辛い時だってあるの!!」




オイラ「(涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら)…おっ母さん…」




おっ母さん「…アンタが…アンタとBちゃんが、A子さんとお腹の子供の分まで生きてあげなくて…
他に誰が生きてあげるのよぉ~!!」




オイラ「…おっ母さん…」

Bちゃん「…お兄ちゃん…おばちゃん…」




3人で抱き合いながらワンワン泣く…。
…端から見ると、ちょっと頭のイカれた集団だm(__)m笑




…少し落ち着いたあと、Bちゃんが重い口を開いた。




Bちゃん「お兄ちゃん…私ね、ママに前言われたの…

『私(A子さん)は、年の差を考えると、将来おそらく仁くんより長くは生きられない。
だから、この先私の身に何かあったときには、B…あんたが仁くんを支えて、助けてあげてね』

って。だから…私…お兄ちゃん…。




両手で顔を覆い、また泣き出すオイラ…。
そのオイラに抱きついて、ワンワン泣くBちゃん…。




…翌日は丸一日睡眠、翌々日に酔いが醒めたオイラは身だしなみを整え、翌週から求職活動。




…で、その時にたまたまハローワークで見つけた今の会社の求人☆溿☆
そして、現在に至りますm(__)m笑




ちなみにこの出来事は、ごく一部の本当に信頼できる方を除いて
今の職場の人には話しておりません☆汗




最終章へ続く




~あとがき~

この時のことは、オイラは酔っ払っていたせいであまり良く覚えていませんでしたが、
記事を書くにあたってBちゃんに尋ねたところ、Bちゃんの日記に詳細が書かれており
Bちゃん自身も、現在でも割とはっきり記憶しておりました(笑)
まだオイラが突き飛ばしたことをまだ根に持っているようで、
グチグチと文句を言われました…☆炅☆




オイラ自身もBちゃんを突き飛ばしてBちゃんが家を飛び出した後、
強烈な自己嫌悪に陥ってその後眠ったことは覚えています…。




Bちゃん、見てる??m(__)m笑
あの時は本当にゴメンなさい…☆桜炅☆









病院の玄関で葬儀屋さんと色々話をするオイラ…。
その横で、相変わらずA子父とA子母・A子弟・Bちゃんがモメている…☆汗




A子弟「だからさぁオヤジぃ…葬儀は当然オヤジも出席しなきゃダメだって言ってるだろ!
肩身の狭い思いをするのは、俺やおふくろ(A子母)なんだぞ!」




Bちゃん「ママのお葬式に出ないなんて、ひどいよお爺ちゃん!」




A子父「黙れ!…A子とはもう勘当したんだ。
勘当した娘のことなど知ったことか!
ワシはあんな奴の顔など、二度と見たくないわ!」




Bちゃん「嘘つかないでよ!さっきは泣いてたくせに!
…お爺ちゃんはお兄ちゃんのことが嫌いみたいだけど、
お兄ちゃんよりお爺ちゃんの方がよっぽど子供よ!!」




…もう見ていられなかったオイラ。
そっと輪の中に近づいていき




オイラ「お父様…いえ、〇〇(A子旧姓)さん。
こんな形でのお別れとなってしまいましたが、
どうか父親としてA子さんの最期を
見届けてあげてはいただけないでしょうか?」




そして、地面に正座し頭を下げるオイラ…




オイラ「どうか…お願いします。」




おっ母さん「やめなさい仁!こんな人に頭を下げる必要なんてないわ!むかっ




オイラ「…おっ母さんは黙ってて。
これはオイラと〇〇(A子旧姓)さんの問題だから…」

おっ母さん「…仁。」

Bちゃん「お兄ちゃん…。」




A子父「…。おいお前(A子母)。帰るぞ。」

A子母「あんた(A子父)…でも…」

A子父「いいから!」




そう言うと、玄関にいたタクシーに乗り込み、タクシーは走り去ってしまった…。




オイラ「…。皆さん、お騒がせしました。
でも、あとは〇〇(A子旧姓)さんが、ご自身で判断されるでしょう。」




Bちゃん「お兄ちゃん…」




そして、A子さんはオイラの家の近くの葬儀場に運ばれ、
通夜と葬儀告別式の準備に入る。
各種手続きや打ち合わせ等、喪主がこんなにも忙しいものだとは思わなかった…。




通夜の日、オイラの従兄弟や祖父母も朝から続々と式場入りしてきた。
…オイラは前日からの疲労で、夕方にダウンして爆睡☆m(__)m☆
おっ母さんとお父っつぁんに後を託す。
夜11時頃、目が醒めた…
お父っつぁんもおっ母さんもBちゃんも、疲れて眠っている。




トイレに行き、静まり返った葬儀場内のA子さんの棺の元へ…。




すると、そこにはA子父とA子母がいた…。
A子さんの顔を見つめるA子さんの御両親…。




オイラ「お父様お母様…いえ〇〇(A子旧姓)さん。
いらっしゃってたんですね…。」




A子母が会釈する。A子父は無言のまま…。




A子母「ご挨拶のときは、あなたに酷い事を言って本当にごめんなさい。
A子は…あんなにあなたの事…」
泣き出すA子母…。




オイラ「いえ。いいんです…。どうかお気になさらないで下さい。
本日はお越しいただいてありがとうございます。
きっとA子さんも喜んでいますよ。」




…A子父がなんだか気まずそうにしていたので、
「じゃあ、オイラはこれで…。」
と、そそくさとその場をあとにし、もうひと眠り…。




翌朝、またもやC男父から爆弾発言が…。
Bちゃんの親権だが、C男さんは一人っ子だったので、
オイラのお父っつぁんとおっ母さんにお願いしたい…と。
さらに、A子さんを里村家のお墓に入れてあげてほしい…と。




親権は、本来ならオイラに譲るべきだが、未婚で当時23歳のオイラでは
おそらく養子縁組が認められないための措置だ…と。




Bちゃんもそれを希望している…とのこと。




すぐにお父っつぁん&おっ母さんとオイラで緊急会議☆澈☆
そこで出た結論は…




「親権については、承知いたしました。
でもBちゃんは成人まであと2年もない上、
今後の人生や残り少ない高校生活の事などを考慮すると、
名字は変わらない方がいい。
なので、形式上はC男さんの御両親が引き取った形にしていただきたく思います。」




…実はこの話、オイラも以前から悩んでいた。
Bちゃんの事を考えると、Bちゃんの名字はそのままにしてあげたいが
オイラとA子さんが結婚してA子さんが里村姓になると、
未成年のBちゃんはオイラの義理の娘として、自動的に里村姓になってしまう…。
当のBちゃんは、構わないと言ってくれていたが…。




だから、オイラが婿養子という形で亡くなったC男さんの姓を名乗る事を、A子さんに勧めていた。
…正直言って、全く抵抗が無いと言えば嘘になるが、
Bちゃんのためなら致し方ないと思っていた。
おっ母さんも、別に構わないと言っていた。




しかし、それはオイラとオイラの御両親にあまりに申し訳ないとして
最後まで頑として拒否していたA子さん。
オイラは長男だから特に…と言われていた☆澈☆




実は入籍が遅れていたのは、まだこの話が決着していなかったからだ。
何度か、オイラとA子さんとうちの両親で話合いの場を設け、

『Bちゃんの高校卒業を待って入籍するのはどうか』

という意見も出たが、結局話し合いは平行線のままだった。




お互い

「Bちゃんの高校卒業までには結論を出そう」

という約束のもと、引き続きオイラとA子さんで話し合いを重ねながら、
とりあえず決定を先送りにしていたのだ。




その矢先の、突然のできごとだった…。




続いてオイラはC男父とBちゃんに

「あとお墓の件ですが、残念ながらそれはお受けできません…。
うちのお墓に入れても、A子さんに寂しい思いをさせるだけですから…。
C男さんと同じお墓に入れてあげてください。
きっとA子さんも、C男さんに会いたがっています…。」




Bちゃん「お兄ちゃん…。」




C男父「…里村くん。キミは本当に優しいコだね。
会ったこともないC男のことを気遣ってくれてありがとう。




…でもね。A子ちゃんのお腹にいたキミの子供と、その子供のお母さんを
離れ離れにするのは、あんまりだと思わないかい??」




オイラ「そ、それは…。




C男父「遠慮する事はないさ。
きっとC男も、その方が喜んでくれるよ。
C男はきっとあの世で、キミに嫉妬しているだろうなぁ…ハッハッハッハッ」




Bちゃん「お爺ちゃん…。」




オイラ「…。」




C男さんのお父様と、うちのお父っつぁん&おっ母さんで再び会議…。
Bちゃんは、会議での決定を支持するとのこと。




お父っつぁん&おっ母さんが何度も
「本当に…いいんですか?」
と確認するが、
「ぜひとも、そうしてほしい」
と話すC男さんのお父様…。
話は決まった。




Bちゃんのクラスメイトや前の職場の人達も駆けつけて、悲しみに暮れる通夜と葬儀…。




泣きじゃくるBちゃんを横で支えながら、オイラは必死に涙をこらえたが…無理だった。
でも、

「両親とも失ってしまったBちゃんの悲しみに比べれば、
オイラの悲しみなんか…。」

と自分に言い聞かせるオイラ…。




…でも…あまりにもショックが大き過ぎた。
一秒ごとに
『A子さんも子供も、本当に居なくなっちゃったんだ…』
という実感が込み上げてきて、
後から後から…猛烈な悲しみがオイラを襲ってくる…。




…これから自分はどうしたらいいのか、さっぱりわからなかった…。




~あとがき~

今回、リクエストをいただいた当事者の方というのは…そう、
A子さんの愛娘のBちゃんです☆(^_^;)☆
Bちゃん、見てる??m(__)m笑
またダメ出しされそうで、お兄ちゃんは怖いよ…★(T_T)★笑