CRM80の修理依頼です。
長年乗っていなかった車両を起こしたそうですが走行中に止まったそうでオーナー様曰く焼き付いたとのこと。
チェックしましたがキックがおります・・・あれっ?抱き付き?
圧縮ありそうですよ・・・ゲージでチェック・・・圧縮ありますね・・・あれっ?
マフラー外してシリンダーとピストンを目視チェック・・・あれっ?
一般的な傷ぐらいで焼き付きも・抱き付きの跡もございませんが・・・(-_-;)
念のため混合ガソリン作って始動確認・・・パイ~ン!!て音と共にかかりました。
結論!!焼き付いていません!!
となりますと何故に止まったのかのチェックが必要なのですがもしかするとひどい傷になっていないだけで抱き付きを起こした可能性もあり得そうなのでオイルポンプの作動のチェックをしてみます。
そのまま混合ガソリンで始動してポンプからインマニまでのホースを外してホースからオイルが出るか確認してみます、その際にはワイヤーを引っ張ると流出量が増えますので確認しやすいと思いますよ。(原付クラスだとあまり多くは出ませんのでわかり難いですがね)
で、チェックしましたがオイル出てきますね
正常か~と思っていたら、なんと!水玉が出てきました!!!
マジか!オイルに水嚙んでる!?
タンクの洗浄とポンプの洗浄が必要になりました。
キャブ外してポンプ外してチェックしましたら
ポンプ内で乳化してました。
出来るだけ分解して乳化を洗浄して組みなおししました。
軸に電気ドリルつけて作動確認しましたらオイルも正常に出ますのでポンプはOKです。
次にタンクのオイル抜きですが抜いたら
乳化したオイルがドロリと出てきました奇麗なオイルもありましたので
この乳化したオイルが悪さをしてエンジンをヒートさせた可能性がありますね。
タンクを洗浄してすべての配管などを戻してポンプのエア抜きして元に戻します。
走行テストをしましたがアイドリングも安定してますし回転むらなども無く止まることもありませんでしたのでこれで完了としました。
ただオーナー様には念のためしばらくはガソリンタンクにオイルを少し足して混合ガスで走ってくださいとお願いしました。(乳化は洗浄しても残っていて完璧には取れない場合もございますので、特にCRMはフレームの一部がオイルタンクを兼ねている為内部が見えませんので)
先にも書きましたがCRMはオイルタンクがフレームの一部を使っていてしかも注ぎ口が斜めに付いています、しかも注ぎ口のキャップがはめ込むだけのゴムキャップの為経年で痩せてくると雨水などが侵入しやすくなると思われますCRMオーナーは気を付けられた方が良いと思いますよ。
本来ならエンジンを分解してチェックしたいところですが予算の関係もありますので
何か手間の割にはすっきりしませんでしたね💦
こんなご依頼もあります。
※今回オイルポンプは致し方なく全て分解しましたがあまり分解しない方が良いですよ元に戻せなくなる場合もございますので。

