雪の夜とタダタケとラテンと(その2)
(前回のおさらい)
3月1日に「雪の夜のつどい」というステージに立つことになったユーリ。
ところが事前に練習ができたのは2回のみ!
絶体絶命のユーリ氏の運命は??
ということで、やってきました本番当日。3月1日。
ところが、この日は仕事柄大きな行事がある日に重なっていたのですね。
ということで、当日の事前練習に参加することもかなわず、家内や子供達とともに会場に到着したのは本番1時間前。
なんとか声出しに間に合い、「あのユーリさんのことだから本番もドタキャンするんじゃないか?」と面白がって不安がっていたメンバーの歓声に迎えられました。
実は、今回のステージにはもうひとつ、本番2~3日前まで知らなかったサプライズが用意されていました。
出演団体のひとつで、いつもお世話になっている興部ドゥリームコール。
この合唱団の歌う カッチーニの「アヴェ・マリア」。
このステージにスペシャル・ゲストとして、娘たちのバレエの先生が踊ることになったんですね。
ということで紋別に向かう車の中では、その先生の話一色。
完全に僕のステージは付け足しという感じでした。
着いてから着替える時間は絶対に無いと思っていたので、ステージ衣装である白シャツに蝶ネクタイ、黒いスーツという、合唱団員スタイルで会場入り。
今時こんな格好で人前に立つのは、ぼくら音楽家と黒服君くらいなものかもしれません。
僕の最初の出番は紋別混声の単独ステージ。
控え室を出てステージ裏に向かい、今まさに歌っているドゥリームコールのかたがたを舞台袖で見ながら
出番を終えて控えていたバレエの先生に挨拶をすませ、あとはいよいよ本番を迎えるだけとなった時に、
つい思い出したのが以前の失敗。
電源が入ったきりの、マナーモードにもしていない携帯電話を、ポケットに突っ込んだままステージに上がったことがあったのですね。
さいわい、その日は鳴らずにすんだのですが。
この日も、携帯電話をマナー・モードにして持ち込んでいたのですが、万が一と思って携帯の電源を切り、これで一安心。
また舞台裏に戻ると、今度は腕時計をしていることに気がつきました。
いや、腕時計自体はどうということはないのですが‥
確か、この腕時計‥
7時半ごろにアラームがピーピー鳴るんじゃなかったっけか?
そして、僕はアラームの切りかたを忘れているんじゃなかったけか?
そして、今日の7時半といったら、
僕がステージの上で歌っている、まさにその瞬間じゃなかったけか?
もうステージでは、僕等が歌う前の団体の最後の曲になっているにもかかわらず、ふたたびステージ裏を抜け出し、(もちろんドタドタと足音を立てられないのでこっそり‥)音を遮断するための重い鉄の扉を出て、一番最初に目についたすぐ向こう側のロッカーの上に腕時計を置いて、すぐまた急いでステージ裏に戻りました。
さて本番。
前回も書いたように、いちばんの懸案だったソロの裏は駄目駄目だったのですが、今回のステージでは、今までになく全体の音や構成に注意を向けることができたような気がします。
あ、ここはソプラノのアルトのリズムが微妙にずれてるな、とか、ここは男声のハーモニーが不安定だな、とか。
いままでに何度もステージを踏んできましたけど、これだけ演奏全体を俯瞰的に聴くことができたのは新鮮な経験でした。
もっとも、具体的にどこがどうだったかはすっかり忘れましたが‥
(それじゃ、意味ないじゃん。)
さて、自分達のステージが終わればあとはお客さん。
まるで芸能人のように楽屋トークに花を咲かせつつ、「SPIRITS」の人達のステージの様子をモニター越しに楽しみました。
POPなリズム、派手な衣装のセクシーな女の子達、真ん中でキーボードを弾くリーダーに、アフリカ人パーカッショニストのドラムと。
僕等がゴスペルを始めたばかりの頃も、こんな感じだったよなぁと思いながら。
もちろん、演奏のレベルじゃなくてスタイルがね。
(続く)
