7.21 豊中 DEEP☆KICK ZERO 14 試合結果 | DEEP☆KICK

DEEP☆KICK

"DEEP KICK"
The kickboxing field of the MMA fight event "DEEP"
Started on July 5, 2009

 7月21日(日)豊中市・176BOXにて2部開催の内第1部『DEEP☆KICK ZERO 14』が行われた。セミファイナルでは階級を上げての挑戦となったTETSUが同級1位の田邉に判定勝利、メインイベントではプロ2戦目の松本愛斗が一樹との延長にもつれ込む激闘を制しトーナメント決勝に進むなど月心会チーム侍所属ファイターの健闘が目立った。下半期に突入したDEEP☆KICK、ランキングも大荒れの予感だ。


(文・三野龍生/写真・石本文子)


メインイベント 一樹 vs 松本愛斗


 メインイベントを飾るは昨年12月にDEEP☆KICK-51kg第3代王者に輝いた安尾瑠輝(K-1ジム心斎橋チームレパード)が返上したベルトを懸けた王座決定トーナメント準決勝。同級4位でありプロ戦績は21戦を誇るベテランの一樹(Reborn kickboxing gym)と

プロ2戦目で異例の大抜擢となった松本愛斗(月心会チーム侍)が激突、正にベテランvsルーキーの構図となる。

 1R、互いに中間距離を保つと、一樹はジャブを放ちながら小まめに動きつつ松本に圧をかける、松本は下がりながらも構えをスイッチしながら前足にローを着実にヒットさせていく、互いに序盤は落ち着いた雰囲気。中で一樹はジャブに左ミドル、松本はジャブにローを中心放つも互いに単発が多く、淡々とチャンスを伺っている印象だ。

 続く2R、開始から圧をかけながらワンツーにローと手数を増やす松本。一樹は下がらされる展開が続くもやはりベテラン選手、度々タイミングのいいカーフキックをヒットさせ流れを渡さない。互いにギアを上げたか、距離は近くパンチ蹴り共に手数が増えていく。パンチでは松本がヒット・手数共に上回るも一樹はミドルを混ぜながらカーフをヒットさせていき松本の足が流される場面も見られた。しかしここまではこれといった差はないか、2R終了時点でのオープンジャッジは20-20が2名に19-19が1名と3者共にドローと完全互角の内容に。

 3R、このラウンドを獲った方が勝者となるラウンドだけあって互いに序盤から攻勢を狙う。一樹はカーフに左右のフックにボディとパンチの手数を増やしていくが、対する松本はさらにプレッシャーをかけながらパンチの連打で一樹を押し込んでいくと、そのままロープ際にパンチのラッシュで貼り付け印象を勝ち取る。と思った直後、今度は一樹のカーフで松本が転倒、1Rからの蓄積もあるだろう一樹もすぐさまに好印象を奪いここでも互角の勝負だ。

中盤からも松本はワンツーからのパンチ連打を軸にどんどんと前に踏み込んでいく、一樹はタイミングのいいカーフに細かいパンチの連打で返していく、ハイキックも好印象だ。正に若さで前に前にと打ち出る松本にベテランならではの上手さに引き出しの多さで着実に対処する一樹という試合となり、試合終了まで互いに止まらずの激戦を魅せた。すると判定では1名がイーブンで1名が一樹、1名が松本を支持となり結果は1-1でドロー、大会規定によりマスト判定の延長ラウンドに突入する。

 延長ラウンド、ここまでくると一樹はカーフ、松本はパンチで好印象を獲りにくると想定される。するとラウンド序盤からカーフで松本の足を流れさせていく一樹に対し、松本は強烈なストレートをヒットさせ会場からワッと歓声が沸く。倒れはしないも後ろにたたらを踏み下がる一樹、好機と踏んだ松本はパンチラッシュで攻め込んでいき最後は右フックで一樹がダウン、松本がファーストダウンを奪う。

延長ラウンドともあって後がない一樹はすぐに立ちあがると圧を与えながらパンチを軸に逆転の一手を狙っていく。しかし松本も根性がある、下がりながらも左右のフックにミドルで果敢に迎え撃つ。最後まで圧をかけ起死回生の1打を狙った一樹だったが最後まで松本を捉えられず試合終了、ダウンを奪った松本が延長ラウンドを制し王座決定トーナメント決勝進出を決めた。

 試合後、松本は「一樹選手は穴が無くて本当に強い選手でした。正直、プロ2戦目でメイン出場というのは嬉しかったんですが不安も大きくて、だからこそ練習も頑張れて、そして勝つことが出来て本当によかったです。3戦目で王者になるというのは異例だと感じてるし、その偉業を達成したい、 でもこのままじゃ王者にはなれないと思うので、もっと練習して強くなります」と語った。

 当初は予定通り、9月の王座決定戦は松本の出場となっていたが後日、試合で負った怪我により9月への出場が困難であると判断されたため、王座決勝戦には一樹が出場。そして来年3月の予定で、9月に誕生する第4代王者と松本が挑戦者とてタイトルマッチを行うものとすることが発表された。


▼メインイベント

 DEEP☆KICK-51kg王座決定トーナメント準決勝 3分3R 延長1R

 ×一樹(Reborn kickboxing gym)

 ◯松本愛斗(月心会チーム侍)

判定 1-1(30-29、28-29、30-30)

延長 0-3(8-10、8-10、8-10)

※松本愛斗が-51kg王座決定トーナメント決勝に進出

※試合後、松本が今試合による怪我により決勝戦への進出を辞退、一樹が決勝戦へと進出


セミファイナル 田邉雅弥 vs TETSU


 4月、DEEP☆KICK-63kg挑戦者決定トーナメントの決勝に進むも古宮晴(昇龍會)との先輩後輩対決に敗れ今回が階級を上げての復帰戦となったTETSU(月心会チーム侍)と

昨年6月にDEEP☆KICK-65kg王座決定戦に出場するも石田迅(LEGEND GYM)に敗れ王座戴冠まであと1歩届かず涙を飲み昨年10月以来の試合となる田邉雅弥(Blaze)による上位ランカー同士のランキング戦がセミファイナルで行われた。

 1R、ガードを上げじわじわ圧をかけながらローを打つ田邉に対しTETSUは鋭いジャブにフック、ローで対応していく。田邉は手数は少ないもコーナーに追い詰めるとワンツーフックから必殺の膝を放つなど決め所を探っている印象。TETSUはリングを周りながらパンチ・蹴りをまんべんなく繰り出していきアグレッシブさを見せる。

 続く2RもTETSUはジャブを中心に攻める。田邉も1R同様にガードを上げながらローにストレートで圧をかけていく。途中、田邉のカウンターのストレートがTETSUにヒットし田邉が急激に圧をかけながら追撃する、やはり膝には相当の自信があるのだろう、どんどんと膝蹴りを組み込んでいくもTETSUは落ち着いて距離を取り直す。仕切り直したTETSUはジャブを軸にフック・ストレート・アッパーとパンチの手数で田邉を封じ込ませる、2R終了時点でのオープンスコアは3者共に20-19でTETSUを支持する。

 3R、後がない田邉はどんどんと圧を強める、フックに膝と繰り出すがTETSUはジャブに左ミドル・膝で攻勢を崩さない。ボディも効果的だろう、スタミナ切れも相まってか田邉の手数が減っていく。逆転を狙う田邉だがやや単発の攻撃が目立ち、結果試合終了まで手を休めることなく打ち続けたTETSUが判定勝利を収めた。

 TETSUはマイクにて「65kgでは絶対に最強になるので、65kgのベルトを獲って63kgの古宮晴にもやり返してDEEP☆KICKで2階級制覇したいと思います」と語ると、試合後「65kgはやっぱり相手も大きくて、田邉選手も圧が強くて強かった。でも今回、上位ランカーに勝ったのでベルトに挑戦させてほしい、そして63kgのはるくん(古宮晴)にもやり返して2階級制覇がしたいです。ただもちろん、ベルトに2階級制覇が目標なのはそうなんですけど、とにかくはるくんにやり返したいってのが1番強いですね(笑)」と語った。古宮との再戦、2階級制覇の夢に向けてまずは1本目のベルト挑戦を狙うTETSU、K-1ファイター達の活躍が目立つDEEP☆KICKで安尾・古宮に次ぐベルト獲得となるか。次戦に期待してほしい。


▼セミファイナル

 DEEP☆KICK-65kg契約 3分3R

 ×田邉雅弥(Blaze)

 ◯TETSU(月心会チーム侍)

判定 0-3(28-30、28-30、28-30)


第4試合 HOTARU vs 三宅美優


 今大会唯一の女子対決、現在連勝中と波に乗っているHOTARU(Continue)がNJKFを主戦場に戦う岡山からの刺客・三宅美優(NJKF拳之会)と対戦。試合は1Rから打ち合いで始まる、鋭いローにミドルからパンチに繋ぐ三宅に対しHOTARUはパンチの連打で攻め込んでいく、ラウンド中盤までは拮抗した内容だったが後半に入るとややHOTARUのパンチが印象的。

 2R、開始早々から三宅は左右のフックにローで近距離での打ち合いに向かうとHOTARUはこれを足を止めて迎え撃ち、速いパンチの連打で三宅を押し返す。その後、ジャブをさしながらパンチで好機を狙う三宅だが、HOTARUはタイミングのいいカーフを随所で合わせながらワンツーの連打で三宅に圧をかけていく、ラウンド終盤には後ろ回し蹴りをヒットさせるなどこのラウンドでもHOTARUがやや優位か、2R終了時点でのオープンスコアは20-19が2名、20-18が1名で3者共にHOTARUを支持する。

 最終ラウンド、ワンツーからの連打で勝負をかける三宅に対しHOTARUはロー・ハイキック・バックハンドブローと三宅に的を絞らせない。中盤にはツーボディからのハイキックが三宅にクリーンヒット、ダメージが見えるとHOTARUはパンチのラッシュをかけていく。三宅も決して諦めずにしっかりと攻撃を返していくが挽回にするには至らず、結果3-0でHOTARUが判定勝利を収めた。

DEEP☆KICKを主戦場に連勝を伸ばし続けているHOTARU、先にはRISE QUEENベルトなども狙っているはずだ。果たしてHOTARUの行きつくゴールはどこか、今後にも注目だ。


▼第4試合 DEEP☆KICK-53kg契約 2分3R

 ◯HOTARU(Continue)

 ×三宅美優(NJKF拳之会)

判定 3-0(30-28、30-27、30-28)


第3合 白鳥光希 vs 亮介


 プロ戦績8戦5勝3敗5KOの白鳥光希(正道会館KCIEL)とプロ3戦3勝3KOの亮介(BOSS GYM)の互いに勝利=KOというKO決着必須の倒し屋同士の対決。

 1R、互いに中間距離でミドル・前蹴り・ローで探り合う。白鳥はジャブが切れている、リング中央に陣取り左の蹴りにジャブを混ぜながら着実にヒットさせていく。亮介はやや下がりながらも膝蹴りや威力のあるパンチで入り際を狙っている印象だ。互いに倒しきる実力は十二分あるだけに静かながらも不気味な展開が続く。

2R、距離を詰めだす亮介だが白鳥の左三日月蹴り・インローなどで入りきれない。白鳥はそのまま落ち着いた雰囲気で圧をかけていくとジャブにストレート、ハイキックなど鋭い攻撃を繰り出していく。亮介は白鳥の左に苦戦しつつも左右のフックを軸に必殺の1撃を放っていくがやや攻勢に差が出たか、2R終了時点でのオープンスコアは3者共に20-19で白鳥が支持される。

 3R、亮介はジャブ、ストレート、フックと放っていき逆転を狙うも白鳥は変わらず落ち着いた雰囲気からボディにロー、ジャブと打ち分けていく。1Rから小まめに放っている左の三日月も効果的だろう、ラウンド中盤にボディを嫌がった亮介に白鳥は圧をかけていくとコーナーに詰めての左ボディブローでダウンを奪取。

立ち上がる亮介だが、白鳥は左の三日月蹴りにボディ・フックで追い詰めていくと最後は左の三日月蹴りを意識しているであろう中野に左ハイキックで再びのダウン奪取。

ダメージを見たレフェリーが即座に試合を止め3R2分21秒、白鳥が計算されつくした鮮やかな攻めで3RTKO勝利を勝ち取った。


▼第3試合 DEEP☆KICK-57.5kg契約 3分3R

 ◎白鳥光希(正道会館KCIEL)

 ×亮介(BOSS GYM)

TKO 3R2分21秒 レフェリーストップ


第2合 聖輝 vs 中野星耶


 DEEP☆KICK-52kg契約の1戦、軽量級だけに互いに1つ1つの動作が速い。中野星耶(華王州)がジャブにロー・ストレートで攻め入ると、聖輝(魁塾)は細かくカーフキックを入れながらパンチからの膝で返す。目まぐるしく攻防が入れ替わる中、中野は左右のローで前足を削りに、聖輝は細かいパンチからの膝にボディが目立つ印象だ。

 2R、ジャブ・ローを放ちながらストレートや膝に繋いでいく聖輝、中野は着実にローで前足を削りながら左ミドルやワンツーで聖輝を後退させる。

互いに足が赤く腫れあがってきており、3Rへの期待が高まる中だったが2R終了間際に中野の後ろ回し蹴りがローブローになってしまいタイムストップとなる。聖輝の回復を待ったが規定時間内での回復が見込まれないと判断され、試合終了。大会規定によりタイムの止まった2R2分56秒時点での判定となるが結果は1-1(20-19、19-20、20-20)のドローとなった。

好試合だっただけにこの幕切れは両者も腑に落ちない部分があるだろう、是非再戦に期待したい。


▼第2試合 DEEP☆KICK-52kg契約 3分3R

 △聖輝(魁塾)

 △中野星耶(華王州)

判定 1-1(20-19、19-20、20-20)

※聖輝が偶発的なローブローを被弾、続行不可能と判断されたため2R2分56秒時点での判定


第1合 香川刻 vs 武政空護


 互いに実力はあるも戦績は1戦1敗なだけに初勝利をもぎとりたいであろう両者の対決。その気持ちは1Rから顕著に表れ、近い距離でどんどんと打ち合う。香川刻(Blaze)はパンチの連打にロー・膝と繰り出すと対する武政空護(SMOKER GYM)は固いガードからジャブにフック、ストレートで応戦する。

2Rになっても両者共にスピードは落ちない、パンチを軸にどんどんと打ち合いプロ2戦目とは思えないレベルを見せつける。2R終了時点でのオープンジャッジは1名が20-19で香川を支持するも2名は19-19でイーブンと互角の戦い。

 3R、パンチに蹴りの連打でどんどんと前に出る武政、香川もボディにフック・膝で返していく。中で、香川は近い距離で捕まえての膝に活路を見出しどんどんと膝を打ち込む。

武政も決して止まらず応戦していくも、ジャッジは3Rの香川の攻勢を支持し結果2-0で香川が嬉しい初勝利を手にした。


▼第1試合 DEEP☆KICK-55kg契約 3分3R

 ◯香川刻(Blaze)

 ×武政空護(SMOKER GYM)

判定 2-0(30-28、29-29、29-28)


〈オープニングイベント〉

NEXT☆LEVEL提供試合


 OPファイトではNEXT☆LEVEL提供試合として5試合が開催された。中でもOP第2試合では井下楓奈(BLACK☆Jr)がレベルの高いパンチの連打で赤松鈴夏(LoTgym)からダウンを2度奪っての2RTKO勝利を飾ると、

OP第3試合では里見魁(TEAM S-joint) vs 山口嵐(パラエストラ大阪)の首相撲を中心にハイレベルな試合が展開、一進一退の攻防となるも2Rにパンチの連打などで好印象を勝ち取った里見が判定勝利を勝ち取った。

他の試合もレベルが高い試合の連続、数年後彼らがDEEP☆KICKの地でデビューする姿を楽しみにしたい。


OP第5試合 林功太郎 vs 志水唱乃介

▼OP第5試合 -50kg契約 1分30秒2R

 ×林功太郎(山口道場)

 ◯志水唱乃介(魁塾 中川道場)

判定 0-2(19-20、19-19、19-20)


OP第4試合 横井鉄生 vs 上原勝星

▼OP第4試合 -46kg契約 1分30秒2R

 ◯横井鉄生(正道会館KCIEL)

 ×上原勝星(HAMA GYM)

判定 3-0(20-19、20-19、20-19)


OP第3試合 里見魁 vs 山口嵐

▼OP第3試合 -43kg契約 1分30秒2R

 ◯里見魁(TEAM S-joint)

 ×山口嵐(パラエストラ大阪)

判定 3-0(20-19、20-19、20-19)


OP第2試合 赤松鈴夏 vs 井下楓奈

▼OP第2試合 -57kg契約 1分30秒2R

 ×赤松鈴夏(LoTgym)

 ◎井下楓奈(BLACK☆Jr)

TKO 2R1分14秒 レフェリーストップ


OP第1試合 加藤樹輝 vs 武政桜仁

▼OP第1試合 -30kg契約 1分30秒2R

 ×加藤樹輝(一心会)

 ◯武政桜仁(SMOKER GYM)

判定 0-3(19-20、18-20、19-20)


◎DEEP☆KICK ZERO 14

2024年7月21日(日)
豊中市・176BOX
OPEN 10:50 / START 11:00

◎DEEP☆KICK ZERO 15

同日開催
OPEN 15:30 / START 15:40


〈会場アクセス〉

〒561-0831

大阪府豊中市庄内東町5丁目7-25

電話:06-7898-0888


〈チケット〉

VIP席(指定席) ¥15,000

S席(指定席) ¥8,000

A席(指定席) ¥6,000

スタンディング ¥5,000

※当日券は¥1,000UP

※一部、二部チケット別料金(全席入替制)


〈チケット販売〉

DEEP☆KICK実行委員会(TEL 06-6754-8588)

または出場選手および所属ジム


〈問い合わせ〉

DEEP☆KICK実行委員会(TEL 06-6754-8588)

https://www.deep-kick.com


via DEEP☆KICK
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