練習後に取材に対応した内田篤人は、選手が口を揃えている“自分たちのサッカー”について「それが出来れば勝てると思うのか、相手がやらせてくれないレベルだと思うのかは人それぞれ。W杯で勝つのが目標なのか、自分たちのサッカーが出来れば良いのか」と語った。

 さらに、自身の見解を問われると「俺っすか? 秘密。逃げて良い? 今が大事な時期だからあんまり…」とおどけながらも「ギリシャ戦やW杯に限らず、バランスを意識してやってきた。根本的なことを見直して、当たり前のことを当たり前にやれば流れやリズムは自分たちに転がってくる」と述べた。

 その“根本的なこと”に関しては「引くのが悪いって思われたくない。そう言う時間帯は必ずあるし、前からボールを取りにいく時間帯もある。試合中に選手が考えて、それを表現できるのも力かなと思う」としながらも「それが試合前に分かればいいんだけどね。全部思い通りに行くわけではないし、相手もいることだから」と心境を吐露した。

 また、コートジボワール戦ではチームのメンタル面に課題があったことを指摘されているが「何日も前から初戦の日程は分かっていた。体調やコンディションに関してはスタッフが合わせてくれたけど、メンタルは自分で持っていくしかない」と語気を強めた。

 そして、自身に関しては「僕はそこに関しては気にしないタイプ。不得意とは思っていないし、相手が強ければモチベーションも上がる。そう言う戦いをしてきた。ダービーもやったしCLもやったし。ここで出せなきゃ意味ないでしょ」とトップレベルでの経験が生かされていることを明かした。

 2日後に迫ったギリシャの印象を問われると「ギリシャは人に対して強い。基本的な戦い方はカウンターだけど、コロンビア戦ではボールを持っている時間帯もあった。上手く戦い方も変えられる良いチーム」と警戒していた。



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 試合後、日本代表DF内田篤人は、「チーム全員で勝ちに行ったんですけど、なかなかゴールを割れずに悔しい戦いになりました」と、コメント。前半途中で数的優位に立ちながら無得点に終わった要因について、「ギリシャも本当に堅いチームで、失点を防ぐのが得意なチームなので。(人数が)11対10でしたけど、向こうも本当に良くがんばっていましたし、僕たちもゴールを割ろうとがんばっていたんですけど、なかなか難しい試合でした」と、話した。

 そして、右サイドで縦関係のポジションに入ったFW大久保嘉人について、「嘉人さんは一対一で突破できる選手なので、うまくサポートしながら、なるべく守備の負担は減らして、縦の関係でうまく崩せればと思っていました」と、話し、「個人としてもチームとしても惜しいシーンはありましたけど、ゴールを割れないというのはね。やっぱり、サッカーは点を取って守るゲームなので、最後のところは一番大事かなと思います」と、語った。

 グループリーグ第3節に向けては、「日本でも一生懸命応援してくれている人もいるし、僕たちが代表としてピッチに立つ以上は絶対に諦めてはいけない」と、コメントした。


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 再三の攻撃参加も実らなかった。後半に入ると、両サイドバックが高い位置を取り、猛攻を仕掛けた。DF内田篤人(シャルケ)も何度となく右サイドを駆け上がり、ゴール前にクロスを供給。マイナスのパス、速いグラウンダーのクロス、ファーサイドへの山なりのクロス……。あの手この手を尽くしたが、ゴールをこじ開けられなかった。

 前半38分にギリシャが退場者を出した瞬間、嫌な予感が脳裏をよぎった。「俺は嫌でしたね。よくあるじゃないですか。相手が10人になって、やり方がハッキリして。それがギリシャのサッカーでもあるから」。もともと堅守速攻を身上とするギリシャは、10人になったことで割り切った。

「ゴール前を固めて守るのはギリシャの得意なプレー」。守備を固め、スペースを消し、カウンターやセットプレーから好機をうかがう。相手の術中にハマるように、0-0のまま時間だけが経過していった。

「何年も言われているけど、ゴール前じゃないですか? 点が入るときは入るし、入らないときは入らない」。押し込みながらもビッグチャンスは数える程度。何度クロスを上げようと、高さのあるギリシャ守備陣は難なく跳ね返す。決定力不足というよりも、攻撃のバリエーションが乏しかった。


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ベンチに温存したMF遠藤保仁、FW香川真司を後半から切り、勝負をかける。アルベルト・ザッケローニ監督は試合後の記者会見で香川を先発から外したことについて「戦術的な決定だった」と説明した。

「サイド攻撃をして彼らを疲れさせるという作戦を立てた。だから真ん中からの切り崩しを得意とする香川を温存し、相手が疲れたところで起用し、スペースが空いてきたところでとどめを刺すことを考えていた」

 両サイドにFW大久保嘉人とFW岡崎慎司を起用し、パスを回しながらサイドに展開し、相手を走らせる。相手の運動量が落ちてきたところで遠藤、香川を投入し、ゴールを奪う。しかし、指揮官の意図したとおりにはならなかった。

 ザッケローニ監督は「スピードがなかった」と、無得点に終わった要因を挙げた。「スタートの段階からいつものスピードがなかった。後ろから攻め上がるときもスピードがなく、最後のスプリントにもスピードがなかった。数的優位になってもスピードがないため、スペースを使えず、選手たちの動く範囲も固定され、ダイナミックな展開がまったくなかった」と厳しい表情で言った。

 DF内田篤人は香川のスタメン落ちについて「監督が決めることなので。僕らは何とも思わない」と前置きしたうえで、「彼がベストのプレイヤーだと思っているし、彼にできないなら日本人はだれもできない。途中から入ってくれば、いい影響がある。スタートからベストの11人を出さなければいけないルールはない。今日はたまたま監督が切り札に使ったのかなと思う」と理解を示した。

 DF吉田麻也も「相手を疲労させて、後半にたたみかけるというやり方は間違っていなかった。少しの差で、1点、2点と入っていたと思う。ちょっとアンラッキーだった」と話す。指揮官が大舞台で見せた大胆な采配は、しかし結果に結びつくことはなかった。