祝福ムードはなかった。アルベル ト・ザッケローニ監督、選手26人が一 堂に会したW杯出場決定記者会見。 次々と選手が挨拶をしていく中、「W 杯で優勝を目指す」とかねて公 言して きたDF長友佑都、MF本田圭佑は現状へ の不満と今後の課題を厳しい口 調で 語 り、残り1年での「個」のレベルアップ を強く訴えた。

「向上心が高いと思いますよ」。そん なチームについて淡々と 語ったのが、 性格的に対極の位置にいるDF内田篤 人だ。胸の内に秘めた思いを「絶対に 言わないですね」というスタンスを 貫 く内田は「長友さん、本田さんはいつ も美しい 話をするので。長友さんのコ メント能力が高ければね。熱いけど、 なかなか伝わってない感じなので」と 冗談交じりに笑った。

記者会見では本田が選手の名前を一 人ひとり挙げながら課題を列挙して いったが、4日のオーストラリア戦に先 発したメンバーで内田とDF吉田麻也の 名前だけが挙がらなかった。これには 「左サイドから前に行って終わっ ちゃった」と苦笑い。本田、長友らは 普段からサッカーに関して熱く 語るこ ともあるようだが、「俺に 話しても響 かないからね」と、そうした会 話に加 わることもないという。とはいえ、内 田自身、向上心がないわけではなく、 あくまで性格とスタンスの違い。こう したさまざまな個性が融合しているこ ともザックジャパンの強みと 言えるか もしれない。


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不動の右サイドバック、DF内田ははベンチから歓喜を味わった。

後半40分に退くまで、最終ラインでは体を張った守備で貢献。前半 には長友とポジションチェンジをするなど攻撃面でもアクセントを加え た。10年W杯南ア大会出場を決めたウズベキスタン戦は体調不良で欠 場。本大会でもフィールド選手で唯一、出番なしの屈辱を味わった。 「W杯に出ないと意味がない。あと1年ある。しっかり成長したい」と 4年前のリベンジを誓った。

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W杯出場を決め られてよかった。本当なら勝ちたかった けど、向こうも必死にやってきたわけで すから。最後のみんなの顔を見ると、決 まったんだなと実感しています。うれし いというよりもホッとする部分の方が大 きい。グループの2、3位とは差がある 中で戦ってきたし、3月にヨルダンには 負けたけど予選を通して苦しんだわけで もなかったので。ここで決めないと、と いう気持ちよりホームのサポーターの前 でひどい試合はできないという方が強 かった。

南アフリカW杯の出場を決めたウズベ キスタン戦は欠場だった。「ブラジルW 杯の出場を決める試合ではピッチに立っ ていたいのでは?」と何度も聞かれたけ ど、自分の中では特別に意識することは なかった。

日本が初めてW杯を決めた試合はライ ブでは見てません。当時は小学生だった から、親から「早く寝なさい」と言われ て、出場を決めた瞬間は眠りの中。もち ろん、中田さんのシュートをGKがはじ いて、そこに岡野さんが詰めた場面は後 から映像で見て覚えてはいますけど…。 ドイツW杯の時も見ていない。あのとき は、高校生で遠征で日本にいないことも 多く、日本にいる間は結構、勉強しな きゃいけなかったから机に向かっていた んだと思う。

5大会連続でW杯を決められたし、1 1年アジア杯で優勝したことで、日本は アジアの中で抜けた実力があると感じる かもしれない。でも、ちょっと前までは オーストラリア相手にも苦戦していたわ けだから、楽観的に考えては駄目。もっ と強くなる必要がある。

今回の予選では、試合によってケガな どで出場できない選手もいたけど、まず はどんなメンバーでも試合の流れをコン トロールできる力を身に付けないと。そ ういう力がないまま、W杯に進んでも意 味がないし、良い結果は望めない。この 後コンフェデ杯もあるし、欧州などの強 豪と親善試合もあると思うので、焦らず にやっていきたい。

どの国と対戦したい??と言われても 僕の性格上、困る…。ただ、幼稚園のと きに、父に「最も強い国はどこ?」と聞 いたら、ブラジルだと教えられたので、 そのイメージは凄く強い。だから、本気 のブラジルとやれるチャンスがあるのな らば楽しみです。



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「PKを取った時にみんな喜んでいたので、まだ入ってないよ、と言いながら後ろに戻りましたけど。」
ヨルダンの時も言ってた





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3日に帰国したばかりの岡崎は右MFで先発し「意外にやれた」と終 盤まで豊富な運動量で貢献した。

ただ、後半の失点シーンについては「自分が不用意にスライディング したことでウッチー(内田)も相手にいけず、後手に回った。あれは自 分のせいでもあるけど、それ以上に点を取れなかったことが悔しい」と 反省点を並べた。

4年前はW杯出場を決めるゴールを挙げたが、この日は不発。それで も「みんなが喜んでいるのを見て、素直にうれしかった」と笑顔だった。



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「勝ちたかったけど、とりあえず決めら れてよかった。チャンスはあったので、 なるべく早く点が取れれば楽というか、 失点してもいい形にはなるので、優位に 進められるはずだったけど」

Q:相手のブロックは固かった? 「向こうも必死にやってきたし、こっち もゴール前は体を張れていた。僕も何回 かシュートブロックに入ったし、そうい う意味では、中盤の支配もあったし、 ゴール前の攻防もあったので、見ていて 面白いゲームだったのかなと思う」

Q:後半は20分くらい日本が支配しなが ら点が取れず、向こうが勝負に出てきた が? 「ああいうゴールが入ってしまうのが最 終予選なので。対人した選手にそんなに やられたとは思っていないけど、ああい うところで入ってしまう。最後に追いつ けてよかった」

Q:滑り込んだ時に足に当たった? 「たぶん当たっていない」

Q:栗原選手が入ったことでメッセージ は感じた? 「長友さんが1つ前に上がっているし、 高さ対策はあったと思うけど、それは監 督に聞いて下さい。早めに高さを入れて きても、勇蔵さんが入ることで1枚増え たということだと思う」

Q:PKの判定の瞬間の気持ちは? 「PKは入るかどうかわからないので、決 まればいいなと思っていた」

Q:本田選手なら決めるという思いは あった? 「どうですかね、11メートル離れている だけだから」

Q:4年前にW杯を決めた試合ではピッ チに立っていなかったが、今日ピッチに 立っていた気持ちは? 「W杯の予選に出ても、W杯に出ないと 意味がない。ここからまた1年あるし、 せっかく出られるチャンスがあるので、 しっかりがんばっていきたい」

Q:ホッとした? 「本当は勝ちたかった」

Q:これから休みなく続くが? 「仕事なのでね」




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日本サッカー協会は5日、埼玉県内の ホテルで日本代表のW杯出場決定記者 会見を行い、大仁邦彌会長、原博実技 術委員長とともに、アルベルト・ザッ ケローニ監督と選手26人が出席した。

記者会見ではザッケローニ監督、 キャプテンのMF長谷部誠が挨拶し、そ の後、長谷部がチームメイトを指名し て、一人ひとりコメントを述べていっ た。MF遠藤保仁、MF本田圭佑と続 き、本田はFW岡崎慎司、岡崎はDF今野 泰幸に振り、最後に長谷部がDF吉田麻 也を指名したところで“悲劇”が起き た。

「結婚しました。ハセさん(長谷部)と (川島)永嗣くんも募集中なので、みなさ んよろしくお願いします」。5月23日に 挙式したばかりの吉田はそう 言って笑 いを誘うと、「先輩方がいいことを 言ったので、最後に一 言言って締めた いと思います」と、突如立ち上がり、 地面に向かって「ブラジルの人たち、 聞こえますかー? もうすぐ行きます よー」と呼びかけた。

お笑いコンビ「サバンナ」の八木真 澄の持ちギャグを披露したが、周囲は 苦笑い。これには長谷部も「麻也は論 外。記者の方たちだけですよ、笑って いたのは」と強烈なダメ出し。横でう つむきながら苦笑を浮かべていたDF内 田篤人も「麻也がひと笑い取れれば ね」と冷たい反応だった。

「昨日、食事会場でやって大爆笑だっ たので、今日もいけると思ったんです けど……」。前夜にもチームメイトの前 で披露していたことを明かした吉田だ が、これにも内田は「全然爆笑じゃな かった」と完全否定。最後は吉田も 「だれかが犠牲にならないと。つぶれ 役も必要なので」と自虐的に笑うしか なかった。