DF内田篤人(シャルケ) 「後半、良くなるのかなと思いきや、 前半の方が良かったんじゃないか疑 惑。システムどうこうじゃないですよ ね」 ―何が悪かった? 「何が良かったですかね……。失点は しょうがないので、ああいうゴール は。(川島)永嗣さんに助けられた場面も たくさんあったし、ブレ球だったし、 雨だったし。でも、だれも声をかけに いってないと思う。永嗣さんなら自分 で持ち直す。強い人だからね。そのあ とは早い失点だった分、取り返す時間 もあったし、シュートチャンスもあっ た。 試合前のミーティングからブルガ リはいいチームだと思っていた。よく 頑張るし、技術もある。欧州では普通 のレベル。移動もあるし、時差もあ る。でも欧州では普通ですね」 ―前半の問題点は? 「人が3-4-3のポジションにいれば、回 せるときは回せた。でも慣れですから ね、新しいポジションは。そんなに意 識しない方がいいと思う」 ―内田選手は負けたあともいつもなら 『こういう 試合もある』というスタン スですが、今日は? 「変わらず、『関係ないっしょ』と 言 いたいけど、だれもが大事と分かって いるこういう時期に勝てないのは精神 的にも差を感じる。強いチームはここ というときは絶対に負けない。それは 本番前の 試合でも、大学生との練習 試 合でも」 ―足りなかったことは? 「動き自体は普通だと思う。守備のポ ジショニングの連動という面では悪く ない。ただ、後半もベンチで見ていた けど、もっと前にいかないといけない と思った。ちょっと決まり事を意識し すぎかな。日本人なので、監督に 言わ れたことを忠実にこなす民族ですか ら。海外でやっていると、『監督の 話、聞いているの?』という感じだけ ど、それで点が入ってしまえばいいの で。考えすぎず、約束事だけしっか り」 ―セットプレーの失点は? 「散々 言われているけど、個人を責め るのではなく、その前のファウルの取 られ方とかですね。向こうは頑張って いたから。こっちがボールを上げて も、マイク(ハーフナー)に体を当ててき たり。一歩のところ。変な意味、アジ アでは向こうが外してくれたりするか ら助かるけど、ちょっとレベルが上が ると、ごまかしが利かない」 ―3連敗はないだろうと思う? 「いやいや、ズルズルいったらありま すよ。引き分けでいいという状態から ズルズルいくこともあるから。それは 避けたいというのはみんな分かってい るけど、次はもっと厳しい 試合にな る。今日のような状況はオーストラリ ア戦でもあるかもしれない。ちょっと 窮屈かな。俺が分かっているからみん な分かっていると思うけど、前へ、前 へですね。後ろにじゃなくて」
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内田篤人「後半良くなるかと思いき や、前半のが良かったんじゃね疑惑 が」/日本代表 ISM 5月31日 1時13分配信 日本代表は30日、キリンチャレンジ カップ2013・ブルガリア戦(愛知・豊田 スタジアム)に臨み、0対2で敗れた。 日本代表は6月4日に、2014年W杯出場 を懸け、アジア最終予選のオーストラリ ア戦に臨む。以下、ブルガリア戦後のDF 内田篤人(シャルケ/ドイツ)のコメン ト。
●内田篤人コメント
「後半の方が良くなるかと思いきや、前 半のが良かったんじゃね疑惑が。だから システムどうこうという話ではないと思 う。失点はしょうがない。(GK川島)永 嗣さんには助けられた場面がたくさん あったし、ブレ球だったので。雨も降っ ていたし。誰も声を掛けにいかなかった けど、永嗣さんなら自分で持ち直すかな ということで。強い人なので。早い時間 の失点だった分、取り返す時間は全然 あった。シュートチャンスもあったと思 うけど、相手が最後のところで頑張って いた。頑張るし、技術も高いけど、ヨー ロッパではあれが普通のレベルだと思 う」
Q:3-4-3をテストした前半で問題点 は? 「人が3-4-3のポジションにいれば、 回せる時は回せたけど慣れの問題だか ら、新しいポジションというのは。そん なに意識しない方がいいと思う」
Q:内田選手は負けた時でも「こういう 時もある」というのが基本スタンスだと 思うが、オーストラリア戦の前という意 味で思うことは? 「変わらずに「関係ないでしょ」と言い たいところだけど、誰もが大事だと分 かっている時期に勝てないというのは精 神的な弱さを感じる。強いチームはここ という時は絶対に負けない。それが本番 前でも、大学生との練習試合でもね」
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ザックがサイドラインで激怒した理 由
指揮官激昂に内田篤人「あまり見たこと がない」
右サイドバックの酒井宏樹(ハノー ファー)が、センターバックの栗原勇蔵 (横浜F・マリノス)へボールを下げた直 後だった。ベンチ前のテクニカルエリア で戦況を見つめていた日本代表のアルベ ルト・ザッケローニ監督が、突如として 激昂する。
大きく両手を振り上げ、きびすを返し た表情は執拗に何かを怒鳴り散らしてい る。ブルガリア代表に2点のリードを許し て迎えた後半38分。酒井と交代し、ベン チに座っていたDF内田篤人(シャルケ) が「あまり見たことのないような感じで 怒っていましたね」と驚いたシーンに、 ザッケローニ監督の苛立ちが凝縮されて いた。
温厚でもの静かなイタリア人指揮官が なぜ豹変したのか。内田はその理由を察 していた。「バックパスが多かったから じゃないですかね。不利な状況でも落ち 着いてプレーすることは必要だけど、た だパスを回せばいいわけではない。バッ クパスが多くなって、前へボールを運べ なくなって、ミスが出たらカウンター。 アウェーということもあって、相手もそ れを狙ってくる。悪循環というヤツです ね」。
2点のビハインドを背負って以降も、 ボールを大事にするあまり、バックパス を選択するシーンが目立った。開始早々 の前半4分に、FKからの激しいぶれ球で川 島のパンチングをふり払い先制点を奪っ たブルガリアは、そこからはチーム全体 が引いてカウンターを狙う戦法を取って きた。
日本には攻め込むためのスペースがない しスペースを作り出すような動きもな い。無理にパスを通そうとすれば、カウ ンターの脅威にさらされる。リスクだけ が一人歩きし始めると、一度ボールを下 げて組み立て直す選択肢しか残っていな かった。バックパスが増えた理由がここ にある。
「技術は日本のほうがあるかもしれない けど、前に行く力はブルガリアの方が強 かった」。内田は素直に完敗を認めなが らこう続けた。
「オーストラリア戦とは関係ないっ しょ、と言いたいところだけど、誰もが 大事と分かっていること時期に勝てない のは精神的な弱さを感じる。強いチーム は、ここという時は絶対に負けない」。
1年半ぶりに封印が解かれた3‐4‐3で 臨んだ前半は、わずか3本のシュートしか 放つことができなかった。ザッケローニ 監督が求める3‐4‐3は、3バックで組む 最終ラインが横ずれを繰り返すことが生 命線になる。DF今野泰幸(ガンバ大阪) から、こんな話を聞いたことがある。
「極端な話、逆サイドの守備は捨てる くらいの気持ちでやらないといけな い」。
最後のテストで不甲斐ない内容
3バックが左にずれれば、前半は駒野友 一(ジュビロ磐田)が務めた左MFを、右 にずれれば内田を必然的に前へと押し上 げる。左で駒野とFW香川真司(マンチェ スター・ユナイテッド)、右で内田とFW 乾貴士(フランクフルト)が絡んで数的 優位な状況を作り上げる。これが青写真 だ。
最大の決定機となった前半31分のシー ン。香川、駒野、左に流れてきた乾のパ スワークで完全に相手守備陣を翻弄し、 最後は香川が強烈なシュートを放った。 相手GKのファインセーブの前にCKへ逃れ られてしまったが、過去4度の実戦では見 られなかったコンビネーションだった。
しかし、不慣れゆえに単発で終わる。 内田が「決まりごとを意識しすぎている のかな。ちょっと窮屈。監督から言われ たことを忠実に守るのが日本人のいいと ころなんだけど」と振り返ったように、 頭で考えることが先行するあまりに、実 際のプレーがワンテンポ、ツーテンポ遅 れる。必然的にシュートは、もちろん、 チャンスそのものも少なくなる。
駒野や内田が最終ラインに吸収され、5 バック状態になるこれまでの悪癖も幾度 となく見られた。DF吉田麻也(サウサン プトン)が「守備面でも攻撃面でもチグ ハグ感はあったけど、1回や2回でスッと できるものではない」と振り返ったよう に、それだけ3‐4‐3習得へのハードルは 高い。
ブルガリア戦はザッケローニ監督が強 く望み、国際Aマッチデーではない日にあ えて組んだ背景がある。すべては引き分 け以上でW杯ブラジル大会出場が決ま る、6月4日のオーストラリア代表との大 一番(埼玉スタジアム)をにらんだもの だ。
いわば最後のテストとなる舞台で、前 への推進力とシュートへの意識という サッカーにおける「イロハのイ」を実践 することができなかった。0-2の結果だけ でなく、不甲斐ない内容が、余計に指揮 官を苛立たせ、珍しい激昂シーンにつな がったのだろう。
試合終了から約30分後。監督会見に臨 んだザッケローニ監督は、平静さを取り 戻していた。冷静にオーストラリア戦に 向けての課題を言葉にした。「ゴールへ 向かうパスの供給率が少なかったように 思う。日本にはこれまでの戦い方という ものが合っていると思う。やはり体でぶ つかりあっても不利なので、コンビネー ションを出していく、オフ・ザ・ボール の動きを出す、そして相手をより多く飛 ばすようなタテのパスを供給すべきでは ないか」。
所属チームが国内カップ戦の決勝に進 んだ関係で、大黒柱の本田圭佑(CSKAモ スクワ)とチーム最多得点をあげている FW岡崎慎司(シュツットガルト)の合流 はオーストラリア戦前日の3日になる。し かも、右太ももを痛め、5月12日のリーグ 戦を最後に実戦から遠ざかっている本田 のコンディションは、帰国してからでな いと確認できない。
本田不在も想定していた布陣
選手たちの誰もが「なぜこの時期に」 と驚いた3‐4‐3の実戦導入は、本田が オーストラリア戦に間に合わなかった場 合に備えたリスクマネジメントでもあ る。トップ下を置かない「3‐4‐3」がブ ルガリア戦で上手く機能すれば問題はな かったが、不慣れゆえにぎこちなさが目 立った。
後半開始からは4‐2‐3‐1に戻し、故 障明けのDF長友祐都(インテル)らを投 入しやが、攻撃のリズムは戻らない。加 えて、失点は2つとも課題とされてきた セットプレーに起因するものだった。4試 合続けてセットプレーから失点している 状況に、今野は「ありえないこと。 ちょっと異常」と表情を曇らせた。
3月のヨルダン代表とのW杯アジア最終 予選で喫した黒星で歯車が狂い出し、シ ステムうんぬんの前に、チームの大前提 を忘れたかのような戦いに終始したブル ガリア戦でますます泥沼にはまりこんで しまった。
選手たちを驚かせた激昂シーンは、 チームに喝を入れるためだったのかもし れない。
ザッケローニ監督は、今後を見すえて いる。「時に負けはよいものだという意 見もあるが、私はまったくそう考えては いないし、負けること自体が好きではな い。ただ、私は監督なので、今日よかっ たところ、悪かったところを冷静に分析 して仕事を進めていくだけだ。オースト ラリアはブルガリアと違った特徴を持っ ているので、どう戦うかというところを ここ数日間で準備してきたい」。
決戦まであと4日。内田は、ホームで喫 した黒星が糧になる、と力を込めた。
「0対1とか0対2で負けている状況は、 オーストラリア戦でもあるかもしれな い。だからこそ、今日のようなサッカー をしないようにしないと。後ろに、後ろ にではなく、前へ、前へ行かないと。で も、オレが分かっているからみんなも分 かっている。頭では理解していると思う ので」。
日本代表は一夜明けた31日に愛知県内 でクールダウンを兼ねた練習を消化した 後に埼玉県内へ向かい、6月1日から原点 に回帰して最終調整に入る。



