踊り子と剣奴(けんど)



「おじさん、何かお話聞かせてよ。」


男の子が言いました。

おじさんとは言っても見てくれはもうおじいさんでしたが、男の子は『おじさん』と呼んで慕っているのでした。

おじさんはお話を作るのが好きで、それはまた、男の子も同じでした。


ちょいちょい

と手招きをして、おじさんは男の子に腰掛ける事を勧め、庭がよく見える縁側に腰を下ろしました。


「よし。では、お話をしてあげよう。

 でも、おじさんの言う事は誰にも内緒だよ。大人は何でも騒ぎ立てるからね。」


そう言ってから、おじさんは話し始めました…。



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あるところに大層美しい踊り子が居ったそうな。

その美しさに狂った男の多さと言ったら計り知れないが、それよりさらに怒り狂った女は星の数ほど多いといわれます。


さて、その踊り子は名を”ミヤコ”といいました。

名前通り、美しく華やかな暮らしが大好きで、また、それに見合うだけの容姿を持っていました。

貴族から貴族の手へ、時には王族の手にまで渡ったほどでした。


団長の口添えもあって、踊り子にしては華やか過ぎる大きな宝石を身に着けていました。

また、妖艶な笑みを浮かべながら舞うように踊りました。

踊りには文句の付けようもなく、宝石をなくしても、一際輝いていました。

ですから、女たちはなお、悔しがったのでした。


美しい踊り子の噂はたちまち広がり、いろいろな貴族がこぞって愛人に迎え入れました。

新しいもの好きでもあった彼女にとって、これはまたとない転機でありましたので 踊りながら楽しんでその生活を迎えました。


贅沢は好きでしたが、好奇心も旺盛で我が儘な事を言っては周りを困らせるのでありました。



そんな彼女と ひょんなことから出会った、ある青年との物語を・・・