〈海に行った帰りの電車の中で〉
夏の海は濁っていた
空は少し霞んだ青だった
太陽は 肌を焼いた
僕はできるだけ何も考えないことにした
そして それを実現した
濁った波に 身を任せようとした
激しい痛みを 忘れるように
底のない 暗さを忘れるように
果てしない虚しさを忘れるように
死の悲しさを忘れるように
目の前の景色が 濁った波と少し霞んだ空だけになるように…
一番安い海の家を探した
ほとんど 全ての海の家をまわった
1000円で シャワーと荷物預りとコカ・コーラボトル一本 悪くない条件の海の家を見つけた 歯がない親父が笑っていた ビールを飲みながらおっさんが来年は生きてねーかもしれないなと言っていた
それは、僕だって同じ
砂浜で友達と関節技の練習をした 袈裟固め 腕ひしぎ逆十字 チキンウィングアームロック 足四の時固め アキレス腱固め 肩固め ギロチンチョーク…
水着のギャルはあまりいなかった
8.1.2015