数えきれないほどの旅をしてきた。たとえそれが同じ場所であったとしても、そのたびに違う景色、違う印象を与えてくれるのが常だったし、多分これからもそうなのだろう。

 

今回は仕事ではあったけれど、まったく初めての場所と三十数年振りの場所を訪ねることになった。もっとも、30年以上開いてしまえば初めて訪れるのと大差ないような気もするけどな。

 

今回が初めてだったのはドーハ。1993年にあの悲劇が起きた場所。と言ってももうわからない人も多いのかもしれないのでつけ加えると、中東の国カタールの首都。そっちの方がわかんねぇって💧

 

もっともトランジットで空港に降りただけなので訪れたとは言い難いのだけど、地域柄なのか5年半ほど前におなじくトランジットで寄ったドバイに雰囲気がすごくよく似ていて、初めてなのに既視感しかない状況に。

 

何事も大きく作っちゃうのが中東の空港の特徴なのか、恐らくは空港のシンボルとして作られてたのであろうアート作品さえも、こういうことになるらしい。

 

 

 

この、ミッキーマウスとピノキオとお茶の水博士を混ぜて脱力させたようなオブジェをここまで巨大に作っちゃったのはなんでだろ。つかこれ、一体ナニ?

 

ちなみにこの空港には建物内に森もある…

 

 

学生の頃はヨーロッパに貧乏旅行に行くと言えば南回りで何箇所か経由していくのがごくフツーだったので、利用する航空会社の関係でシンガポールやクアラルンプールは当然として、ドバイやアブダビといった空港にも何度かお世話になった。その頃から中東の国の空港はどこかゴージャスで独特の雰囲気があったけれど、同時に本物のマシンガンを持った軍人が普通に空港にいて、そんなことからも日本との違いを肌で感じたものだ。

 

飛行機から空港の建物へは、ボーディングブリッジからではなくバスに乗って移動するのは、ここでも同じだった。

 

昔、ドバイの空港で滑走路をやはりバスで移動していた時に、年配の男性がお孫さんと思われる男の子に

 

「ここはイスラムの国だからね。よく覚えておくんだよ。」

 

と話していたことを、バスの通る道を照らす、砂に煙っていたオレンジ色の照明とともに今も鮮明に覚えている。その男性はとうに鬼籍に入っておられると思うけど、男の子の記憶にあの一言はまだ残っているだろうか。

 

都会の暮らしは鮮やかな彩り

華やかな寂しさと夢によく似た嘘と

そんなもので出来ている 可笑しい程に

 

哀しみが穏やかに扉を叩いて

ああ いつの間に私の友達になる

知らず知らずのうちに 自分が変わってゆく

 

旅で訪れるのと、その地で新たに暮らしてくのとでは雲泥の違いがある。でもそのどちらも、今までの僕に新しい気付きを与えてくれた。おそらくこれから大きく居を移すことは、僕にはない。それでも、新しい旅がもたらしてくれる発見が楽しみでならない。

 

さて、Heinemannでお土産買って帰るとするかな(笑)