ほんの軽い気持ちと山のような不安とともに始めた冒険にもうすぐ一つの区切りがつく。振り返ればいつだって一瞬のこと。それでも、星の数ほどある出来事は記憶のどこかに刻まれているはず。その星の明るさには関係なく、その一つ一つを通り過ぎてここまで来た。
くしくも時を同じくして去ってゆく仲間たちもいる。誰も口には出さないけれど、多分もう会うことは無いんだろうな。そして今年は、別れの挨拶をする暇さえ与えずに去ってしまった仲間も。
トシを取って、経験できる未来が少しずつ限られてくると、逆に増えていくのは、もう会えない仲間たち。いつか、また…でもそのいつかが訪れるだけの時間はきっと誰にももう残っていない。
世界中を越えて 君を連れて行くから
見たことも無い夢を掴むのさ ユートピア
めくるめく夜をくぐり抜けて
神様の声も届かない場所へ
きっとたどり着けるさ 君と僕だから
こんなに遠くまで来れるとは思わなかったな。普段からテキトーな人間にしては割とよくやったと思うけど、どうだろう。
ホテルの窓から見えるSFOの、ターミナルの光と滑走路の闇。後戻りできなかったあの頃の気持ちを思い出した。