シゲ子は、いちおうスポーツ人のはしくれなので道具を大事にするほうです。そもそも気に入ったものしか買いませんし、こわれるまでそばに置いて、なんとかして使おうというタイプ。
そしてさらに気に入ると、名前をつけて呼んじゃう/語りかけちゃうという一面があります。しかもそれは全て男子。なんで男なんだろう?まぁとりあえず子供の頃からずっとそうなんですよね(笑)
今回は、昨秋ほぼ一目惚れで購入したASICSターサーと自分の物語です。このシューズは軽くて薄くて、はっきり言って今の自分のレベルより相当上だ(要は脚が強くないと履けない)と認識しており、したがって最初は“ターサーさん”とか先輩格に思ってたんですが…なんと意外と雄弁で、ノリもいいヤツだと判明したので、今や“ターちゃん”と親しみをこめつつ頼りにしています。そうですね、イメージは元気な年下男子ですかね。(←このようにばっちりキャラ設定しちゃうことじたいが既にあやうい・汗)
というわけで、ここからはレースに関する記録ではありますが、数字以外はすべて脳内の妄想。しかも長文です。よかったらご笑納ください。
レース会場にて:
近場だとかえって遅刻しそうという王道パターン、家を8時台に出られるのって余裕ありすぎ。ともあれ準備は万端、気力も体力も充実してるし、あとは思いっきり楽しく走るだけでしょ!と紐をしめながら…
シ「ターちゃん、よろしくね~。シゲ子、今日は自己ベスト狙ってるからさっ」
タ「おぅっ!まかしときー!」
その後スタートブロックに並んだのはたった3分前。スターターが、かの有名な小出監督と知り、ミーハー心が盛り上がる。めちゃめちゃ強くて明るいオーラが出てますね。
最初の1kmの入り、5分17秒という自己最速ペース:
シ「ちょっとターちゃん、これってば速すぎじゃない?今まででいちばんかも」
タ「あの、、、オレってキロ5分の靴なんですけど。当たり前なんすけど」
確かにそうでしょうね。息は全然あがってないから、まぁいいか。
3km&5km地点:
時計を見るとキロ5分まで上がっており、ちょっと汗をかき始める。
シ「まーじーで速いかも。なんか今日すごくない?」
タ「当然でしょ。ねーねー、それよりかさ、来週のフル、オレと行きましょーよー!走ってみたいんすよー、42.195」
シ「う…脚もつ自信ないんだけど」
タ「だいじょぶっすよー、オレが運びますから。もちろんちゃんとゴールまで」
はい、とりあえず今走ってるレースに集中しろって感じ。
給水ポイント前半2ヶ所:
シ「今日はタイム狙いだしさ、前々から体調管理してみたから、水分なしで行けるとこまで行こうと思って」
タ「あぁ、いーんじゃないすか、まだ今ぐらいは飲まなくても」
シ「それにしても紙コップが気になるなぁ」
タ「あ、オレも苦手っす。なんか知らないけど踏みたくないっすよね」
散乱していて風でころころ転がるのをよけながら走るのも逆にめんどうなんだけど。でもやっぱよける。
ランナーさん達とハイタッチするQちゃんこと高橋尚子さんを発見:
シ「うわーQちゃんだ!」
タ「あ、ほんとだ!」
と思う間に通り過ぎてしまった。すごく素敵だったのに。ちぇっ。
10km地点、48分17秒:
シ「きゃっほー、この時点で10kmレースの目標達成じゃーん♪」
タ「だーかーら、言っときますけどオレはキロ5分きる靴ですから。当然ですから」
なんかさっきと比べて微妙にアピール度上げてない?でも、10kmをガチで走ったら、どこまでいけるんだろう?3月の10kmレースががぜん楽しみになる。
そして海浜公園に入って15km地点:
この5kmはキロ4分41秒ペースに加速していた。
シ「このレースってさ、たくさん応援いるね。ありがたい話だね」
タ「太鼓とかも出てますもんねー盛り上がるっすよねー、ドンドコドンってリズム。」
シ「うん、しびれるなぁ」
タ「…あーあ、あと5kmちょいで終わっちゃうのか。皇居1周分っすよ?なんか早いなーもっと走りてーなー」
どんだけ元気だったんでしょう。最後の給水も結局とらないで、前へ前へとひたすら走る。さすがに息はあがってきたけどまだしゃべれそうなレベル、相変わらず調子いい。
メインの道路に戻ってきて、東京湾の向こう側がよく見えるポイント:
シ「やっぱ海っていいね~遠くが見えるぅ」
タ「オレも海って好きなんす、なんなんだろうなーこの感覚。んで、来週のフルも海沿いっすよね?マジ、連れてってください!!」
シ「…がんばろっか。ていうかがんばれよあたし、って話だよね」
タ「まぁそうとも言いますね、オレこれぐらい普通ですから。ところで、なんで轍で斜めってるとこをわざわざ走ってるんすか?左右どっちかよけりゃいーじゃん」
シ「はい、アホでした。あ、それにしても風が出てきたね」
タ「あのー、その身長で風の抵抗とか、ぜんっぜん関係ないと思うんすけど。もし遅くなったとしたら、単なる言い訳でしょ」
口はへらない。
スタート/ゴールの近くの大きな橋、ゆるやかな上り下り:
シ「あたし実は上り坂って好きなんだ♪自分ががんばりさえすれば、たくさん抜けるから」
タ「そうっすよねー、下りは有無を言わせず負けちゃいますもんねーーひひひ」
人の弱みをついてきやがる。脚のコンパスめちゃ短いですよ、ちっ。
20km地点:
なんと1時間35分01秒(この5kmでキロ4分36秒まで加速)→つまり残り1km余を5分弱で走れば1時間40分をきれる計算、マリンスタジアムが目前に。
シ「ウ・ソ・でしょー?そんなにいいタイム出せる可能性あるの?!」
タ「大アリっす。普通に走れさえすりゃ、このままオッケーなはず」
シ「どうしよう(泣)もう時計とか見れない!気になって!」
タ「…んじゃ見るのやめればいいじゃないすか、あとはどこでスパートするかっすよ」
シ「そうだよね!まさかここから失速したりしたら最悪だよね。1秒でも遅かったら、すごく後悔するよね!」
タ「うん、確実に。オレはいくらスピード上げてもいいんで、ラスト行くしかないっしょ」
…ここからは、1度ゴール地点を見まちがえてしまって2度スパートしたことしかおぼえてないです。多分すごい形相だったはず(苦笑)あ、沿道のご声援はよく聞こえてましたけど。休み前に会社の人や友達が応援してくれてたのも思い出しました。ほんとありがたいことです。
ゴール後はじめて時計を見て、自己ベストを6分ばかり更新できたことを知るシゲ子&ターサー:
シ「…やっちゃったー!すごいっ!めっちゃうれしー!!」
タ「よかったっすね。まぁ当然ですけどね、オレにしちゃ」
ほんと最高。ちょっと泣きそうになったけど、泣くのってけっこう大変=呼吸が乱れまくるので、上を向いて大きく息をして落ち着こうとする。空が青い。
ドリンクをもらって、完走証を発行してもらって、預けていた貴重品を取りに行って、ふぬけのようにヨロヨロと荷物へ戻る。途中どこか、でランニングクラブの皆さんへtwitterでつぶやいたりもしたはず。やっぱりちょっと信じられなくて、何度も何度も完走証を見返した。ベタだけどほっぺとかつねってみる。うん、本当らしい。そしてもっとベタなことに、靴を履き替える時に勢いでキスしてみた。片方だと不公平かと思って両方とも。私は、人にも物にも恵まれている。本当に幸せ。
というわけで、こんなターちゃんと共に、4日後にフルマラソン走ってきまーす☆
今日はまだ筋肉痛のためゆるゆるで、同僚ちゃんと一緒に皇居へ行って、1周29分24秒でした。痛めたところはどこもないですし、準備をしっかりすればいいのかなと思います。長文駄文にお付き合いくださって、どうもありがとうございましたm(__)m
<1月累計117km>