少し遅くなるね…ゴメンなさい
夕方に彼女からメルが届いた。
僕は適当に書店や大型電気店で時間を潰し帰宅した。僕らの部屋は彼女が帰宅した時に真っ暗が怖いという理由から玄関、廊下、リビングの足元に小さな明かりをともしている。僕は反対だったのだが、こうして帰ってみるとそれも有りかな~っと思った。リビングで買ってきたビールを開けミックスナッツを広げ一息つきテレビのスイッチを入れた。何気に独身時代のシンプルな生活を思い出した。シャワーを浴びて二本目のビールを開け時計を見ると10時半を回っていた。いつもなら10時前には帰るのだか今日は連絡も無しに遅い…何かあったのだろうか?
11時を少し回った時チャイムが鳴った
僕は玄関で彼女を確認するとドアを開けた。
どうしたの?遅かったじゃん?何かあったの?
ううん 何も~楽しかったよ~すこし飲みすぎちゃたかな~
彼女はフラっとしながら僕の腕を掴みながらヒールのかかとのホックを外した。
彼女の香水の香りとほのかなアルコールの匂いが彼女の体を包んでいた…
だいぶご機嫌だね~
ほんと楽しかったの~女子会って楽しいねやっぱり~
何か吹っ切れた様な楽しさが伝わり僕も少し幸せな気分になった。
二足目のハイヒールを脱いだ瞬間にバランスを崩し彼女が僕にもたれかかって来た。
もぅ~かなりキテるじゃないの?
そんなにはお酒が飲めない彼女を酔わせた時間はとても有意義なものだったのだろうと僕は思った…
ゴメンゴメン~と黒いロングヘアをかき上げ彼女は照れ笑いで誤魔化した。
彼女の体を抱きかかえながらドアのロックかけた時なんとも言えない彼女の温もりを感じた…黒髪の香りとアルコールの匂い…慣れしんだ彼女の香水の香りが不思議と僕を刺激した。