その日の午後、俺らは早速電話で聞いた場所に向かった。
そこはよく通る通りの一角にあり、小綺麗な4階建てのビルだった。
中に入ると受け付けカウンターも何もなく、ただガランとしていた。
健太「騙されたか。」
しかし、引き返そうとすると入り口の扉は閉まっており開かなくなっていた。
拓哉「クソッ!はめやがった!」
何か扉をぶち壊せるようなものを探そうとあたりを見渡すが、ゴミひとつすら落ちてない何もない空間だった。
しかし、ふと壁を見てみると何やら書いてあった。
[さあ、ゲームの始まりです。まず、仲間の誰かが1人脱落しなければならない。]
と、書いてあった。
健太「どういうことだ?」
明信「つまり、俺達が次に進むには3人しかいけないってわけか。」
りさ「誰が残るのよ。」
明信「じゃあ、俺が残るから3人で先に進んでくれ。」
健太「分かった。」
しかし、進もうとするが扉がさっき入ってきたところしかありません。
健太「どうやったら先に行けるんだ?」
りさ「拓哉どうしたの?なんかさっきからだんまりしちゃって。」
健太「そういえば、あいつだけ部屋の隅にいってから、あそこから動かないよな。
何かあるのか?」
すると突然拓哉がこちらを振り向いた。が、何か様子が違いました。
眼を見開き、見開いた眼は血走っています。何やらブツブツと独り言を言っているようです。
りさ「ちょっとどうしたの?」
拓哉にりさが近づくと突然拓哉が、りさの鼻っ柱目掛けて拳をぶつけました。
「バキッ!」
音がしたと同時にりさの鼻が無くなっていた。というより、鼻の骨がズレてまっ平らな状態になっていた。
しかし、拓哉は関係なく何発も殴り続けていた。
健太「何やってんだ。止めろよ!」
しかし、拓哉は止まりません。
止めにいこうとしたとき、壁が急に血飛沫で真っ赤に染まると、拓哉がゆっくりと床に崩れ落ちました。
健太「!!」
見ると、手にはサバイバルナイフを握っているりさが立っていた。りさはヘラヘラと笑いながら、今度はこっちに向き直し襲いかかってきた。
健太&明信「な、なんだ!?いったい何が。」
俺達はふたてに分かれてりさの様子を伺った。
俺の方にりさが襲いかかってきたところを後ろから明信が羽交い締めにし、後ろ手に縛り襲われないようにした。
りさを押さえたときに何かの臭いがしていることに気がついた。
健太「何か、麻薬的なものか。」
明信「そうだろうなおそらく。拓哉の方には近づくなよ。俺らもダメになってしまう。全滅は避けないとな。」
気がつくと、前方の壁が開いていて奥には階段が続いているのが見えた。
俺は狂っているりさを抱えて、明信とともに階段を上がり2階に向かった。
※この物語は、フィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。