ここは、普通に何処にでもある、とある会社。
しかし、ひとつ違うことは、社員の大半が噂好き。
老若男女関係なく、休み時間になると、しきりなしに噂話がとびかっています。そんな中、ある話題が色んな課の社員たちの間で広まっています。
「ほら、あの人じゃない。」
「そうそう、何やらかしたんだろうね。」
B「ねえねえ、なになに。」
A「え?B知らないの?今、あの人の話題で持ちきりよ。」
B「えー、全然知らないよ。
チラッと、噂してるのは聞いたことあるけど、ハッキリとは知らないよ。」
A「まあ、私もそこまでハッキリとは知らないんだけどね。」
B「なんだ、Aも知らないんじゃないの。」
A「だから、噂だよ。」
B「でも、何だか可哀想ね。」
A「でも私、普通に喋ってるよ。」
B「そりゃあ、普通に装うわよ。」
A「まあね。」
B「ねぇ、思いきって聞いてみない?」
A「でも…、本人はそうとうショックなんじゃない。」
B「でも、噂だけでハッキリさせたいじゃない。」
A「じゃあ、今度聞いてみるよ。」
数日後………
B「ねえ、前のこと聞いた?」
A「…あ、あれね。
噂は噂よ。なんてことなかったわよ。」
B「え?なになに。」
A「え?いやあ~、彼女に会ってみる?」
B「何かいきなり言われると、躊躇っちゃうなあ。」
A「あ、いた!ちょっと呼んでくるね。」
しばらくして、Aは彼女と共にBの元へ帰ってきました。
A「B、紹介するね。かちゅうさん。」
B「え?渦中さん?」
A「違う違う。夏に中と書いて、・夏・中さん。」
B「もしかして噂って……、名前からの勘違いなんじゃあ。・渦・中と・夏・中の。」
A「そう、そのまさかよ。
名前で誤った噂が流れてたんだよ。
別に、噂の渦中になんて、なかったんだよ。」
B「………ははっ。」
完
※この物語は、フィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。