それからのゆみちゃんは、家では絵本などで必死に練習し、学校では国語の時間の本読みで練習をしました。
とりあえずかたちになるまで、おじさんに認めてもらえるまで、必死に必死に練習をしました。
そんなおり、文化の日も近付き、クラスでは劇をすることになりました。
ゆみちゃんは、チャンスだと思い、何とか主役をもらえるよう、必死に練習しました。
まだ、具体的に何をやるのか決まってもいないのに、ゆみちゃんはとにかく、フリとか仕草とか、ありとあらゆるものも練習するようになりました。
「表現力が豊かになれば、おじさんにも認めてもらえる。そしたら、そしたら…。」
ゆみちゃんは、紙芝居に活かせるものなら、何でも積極的に取り組みました。
全ては、紙芝居のためです。
そして、劇の役割を決める日がきました。
ゆみちゃんは、クラスのみんなに負けない演技力を身に付け、主役の座を勝ち取りました。
実際、練習が始まると、みんなより頭ひとつ分、抜き出ていることに気が付きました。というより、色んなことを自然と感じ取れるようになっていました。
いつの間にか、ゆみちゃんは劇の楽しさにも、虜になっていました。
※この物語は、フィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。