妄想劇場 ~少女の夢芝居④~ | 気まぐれバードのキマグレコ

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それからのゆみちゃんは、家では絵本などで必死に練習し、学校では国語の時間の本読みで練習をしました。
とりあえずかたちになるまで、おじさんに認めてもらえるまで、必死に必死に練習をしました。


そんなおり、文化の日も近付き、クラスでは劇をすることになりました。


ゆみちゃんは、チャンスだと思い、何とか主役をもらえるよう、必死に練習しました。
まだ、具体的に何をやるのか決まってもいないのに、ゆみちゃんはとにかく、フリとか仕草とか、ありとあらゆるものも練習するようになりました。


「表現力が豊かになれば、おじさんにも認めてもらえる。そしたら、そしたら…。」


ゆみちゃんは、紙芝居に活かせるものなら、何でも積極的に取り組みました。
全ては、紙芝居のためです。


そして、劇の役割を決める日がきました。


ゆみちゃんは、クラスのみんなに負けない演技力を身に付け、主役の座を勝ち取りました。


実際、練習が始まると、みんなより頭ひとつ分、抜き出ていることに気が付きました。というより、色んなことを自然と感じ取れるようになっていました。


いつの間にか、ゆみちゃんは劇の楽しさにも、虜になっていました。






※この物語は、フィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。