妄想劇場 ~少女の夢芝居②~ | 気まぐれバードのキマグレコ

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あの日以来、ゆみちゃんは夏休み中、毎日のように広場へと通っていました。


しかし、ある日。


「あれ?おじさん、今日は遅いなあ。」


いつもの時間より、1時間くらい遅れておじさんが広場にきました。
しかし、ゆみちゃんの目には、少し疲れているように映りました。
紙芝居が終わったあとに、ゆみちゃんはおじさんのもとに、歩み寄りました。


ゆみちゃん「おじさん、しんどいの?」


おじさん「ゆみちゃん…。


そんな目でみつめられちゃあ、嘘はつけないな。


ちょっとおじさん、体調が悪くて。来るのが、しんどくなってきたんだ。



ゆみちゃんは、おじさんの顔を覗き込み、ひとつお願いをしました。


ゆみちゃん「おじさん、ひとつお願いしていい?」


おじさん「なんだい?」


ゆみちゃん「あのね……




あのね、紙芝居、教えてって言ったら、怒る?」


おじさんは、少し困惑しました。
暫く間をおいてから、口を開きました。


おじさん「紙芝居、難しいよ。」


ゆみちゃん「あのね、私ね、おじさんに紙芝居教えてもらって、いつかやってみたいと思ってたの。」


おじさん「そうか…。



よし、分かった。教えてやる。」


ゆみちゃん「やったー。」


こうして、ゆみちゃんとおじさんの、紙芝居稽古が始まるのでした。








※この物語は、フィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。