妄想劇場 ~ベンチ⑨~ | 気まぐれバードのキマグレコ

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第3話


「待て、コラー!コノヤロー!」


俺は必死で走り、逃げていた。


途中、小さな公園があったので入った。ベンチがあったので、素早くその後ろに隠れた。


時計に目をやると、10時半だった。


「くそー!どこ行きやがった!」


ベンチは丁度暗がりになっており、見えにくくなっていた。


「ふう~。」


俺は、一息ついてから無事に帰宅した。


最近、残業が多く、いつも駅に着くと、だいたいが10時ごろになる。最初は何ともなかったんだが、段々俺に寄ってくるようになった、街の不良たち。


そして今日、遂に手を出してきた。たぶん、明日も待ち伏せしてるだろう。


そして次の日、同じ時間にまたいた。
突っ走り、また昨日と同じ公園のベンチに隠れた。


そして、俺は次の日から、一駅前で降りて、帰路についた。今頃、“あいつら”は必死に探しているだろう。こんなことに必死になるくらいなら、違うことに生かせよ、と思っていた。


そして俺は、ある決心をした。





※この物語はフィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。