第3話
「待て、コラー!コノヤロー!」
俺は必死で走り、逃げていた。
途中、小さな公園があったので入った。ベンチがあったので、素早くその後ろに隠れた。
時計に目をやると、10時半だった。
「くそー!どこ行きやがった!」
ベンチは丁度暗がりになっており、見えにくくなっていた。
「ふう~。」
俺は、一息ついてから無事に帰宅した。
最近、残業が多く、いつも駅に着くと、だいたいが10時ごろになる。最初は何ともなかったんだが、段々俺に寄ってくるようになった、街の不良たち。
そして今日、遂に手を出してきた。たぶん、明日も待ち伏せしてるだろう。
そして次の日、同じ時間にまたいた。
突っ走り、また昨日と同じ公園のベンチに隠れた。
そして、俺は次の日から、一駅前で降りて、帰路についた。今頃、“あいつら”は必死に探しているだろう。こんなことに必死になるくらいなら、違うことに生かせよ、と思っていた。
そして俺は、ある決心をした。
※この物語はフィクションです。登場人物は架空であり、出来事は実際とは関係ありません。